MPJ Youth、2024年度の海外研修としてジンバブエを訪問

2024年3月1日(金)~18日(月)の間、MPJ Youth(※)のメンバー13人が、ジンバブエで海外研修を行いました。

MPJ Youthは2009年の設立以来、コロナ感染対策期間を除き、アフリカの国々をより深く理解するため、年に一度、現地を訪問してきました。今年の研修先はアフリカ南部の内陸国、ジンバブエでした 。

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)の鈴木りえこ理事長も研修前半に、メンバーに同行して首都ハラレで在ジンバブエ日本国大使館の他、各機関を訪問しました 。

在ジンバブエ日本国大使館にて

ハラレでは、学生たちは研修前に訪問した駐日ジンバブエ大使館でもご紹介いただいた「ンビラ(Mbira)」というジンバブエの伝統的楽器を使った祖先の霊を呼び出す儀式にも参加し、現地の食事をいただいたり、現地の人々と踊ったりして、ジンバブエの伝統文化を体験することができました 。

ンビラは「デゼ」と呼ばれるアンプの役目をする半円形の器の中に入れて演奏されます。

世界食糧計画(WFP)のジンバブエ事務所も訪問して、都市の貧困やトンゴガラ難民キャンプでの食糧配布や、農業などの事業について話を伺うことができました 。

さらに、柔道を教えているインターナショナル・スクール、HELLENIC SCHOOLを訪問して、講道館で黒帯を授けられたジンバブエ人指導者の下で、子どもたちが元気にレッスンを受けている様子も見学しました。合気道を習っているMPJ Youthのメンバーもレッスンに参加して、貴重な体験を得ることができました 。

MPJ Youthメンバーは、この後もジンバブエの各地を訪問して見聞を広めましたので、後半の様子もご紹介する機会があるかと思います 。

前半についての、MPJ Youthの声をご紹介します。
『研修前半は、多くの公式機関が集まる主都ハラレにずっと滞在し、学習をメインに行程を組んでいました。駐日ジンバブエ大使館の方からのご仲介もあり、Zimbabwe Tourism Authorityの方々にサポートいただき、ジンバブエを様々な側面から見たことで、深い学びが得られました。』

すでにご紹介しましたように、研修に先駆けて、メンバーが日本のジンバブエ大使館を訪問し、大使たちと交流しました。ご報告サイトは以下です 。
訪問の様子⇒ http://sdgspromise.org/?p= 13997

※MPJ Youth(NPO法人ミレニアム・プロミス・ジャパン・ユースの会)は、アフリカの貧困削減を支援し、日本におけるアフリカの広報につとめるSPJ(当初の名称:ミレニアム・プロミス・ジャパン: MPJ)の活動に賛同する東大の学生たちによって立ち上げられた学生サークルです。MPJ Youthは2009年3月アフリカ・モザンビークに派遣された学生を中心に結成され、2024年で15周年を迎えます。「アフリカを学び、発信する」ことをコンセプトに、今では東大と東京外語大学を中心として様々な大学から、約90名(23年度)の学生が集まっています。 詳細はこちら⇒ MPJ Youthサイト


MPJ Youthメンバー、SPJ理事長とジンバブエ大使館を訪問!

2024年2月14日(水)、SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)の関連学生組織であるMPJ Youth(※)のメンバー3人が、SPJの鈴木りえこ理事長とともに駐日ジンバブエ大使館を訪問しました。

右からEniel Betserai Senderayi観光担当官、鈴木理事長、
Stewart Nyakotyoジンバブエ大使閣下とMPJメンバー3人

MPJ Youthは、コロナ感染対策期間を除き、毎年研修のためアフリカを中心に発展途上国を訪問しています。今年は3月にジンバブエへの研修を実施する予定です。研修前にジンバブエ大使館を訪問して、Nyakotyo大使とSenderayi観光担当官にジンバブエの概要をご教示していただきました 。

まず、渡航のスケジュールに対し、観光担当官から詳細なご助言をいただき、大使からは訪問したメンバーの興味分野について、以下のようなお話を伺いました。

* 鉱物資源として複数種のレアメタルを産出しているとともに、電力グリッドにおいても南部アフリカの電力売買の中央国として重要な役目を果たしている 。
* 歴史的な遺跡として、世界遺産に登録されている“グレート・ジンバブエ遺跡”(アフリカの鉄器時代の都市の広大な石の遺跡)や、ブラワヨの“マトポの丘”(約1万3000年前に描かれたという洞窟や岩肌に描かれた3500点に及ぶ岩絵壁画群がある花崗岩質の小丘と渓谷)の紹介 。
* 楽器ンビラ(*)実物のご紹介(実際に演奏させていただきました)

演奏させていただいたンビラ

*ンビラは、アフリカ・ジンバブエに住むショナ族古来の民族楽器。祭礼や儀式の時に先祖の霊やスピリット(精霊)との交信をするために演奏されてきた神聖な役割を持つ楽器で、オルゴールの原型となったとも言われています 。

大使と観光担当官は、以前、JICA(国際協力機構)の支援で日本に留学あるいは研修を受けた経験があるそうです。日本とりわけJICAに大変感謝しているそうです。 そのような経緯もあり、訪問したMPJ Youthメンバーは、長時間にわたり大使や観光担当官に様々な面でサポートしていただき、ジンバブエへの渡航がより一層楽しみになったと大変感謝しています。そして、ジンバブエと日本は相互に学び合う面があるという大使のお話に大いに共感し、研修後、体験や写真をSNSやブログを通じて積極的に発信していきたいと考えています。

日本とジンバブエの友好関係がますます深まること、SPJとMPJユースの活動が少しでもジンバブエの発展に役立つことを願っています 。

※MPJ Youth(NPO法人ミレニアム・プロミス・ジャパン・ユースの会)は、アフリカの貧困削減を支援し、日本におけるアフリカの広報につとめるSPJ(当初の名称:ミレニアム・プロミス・ジャパン: MPJ)の活動に賛同する東大の学生たちによって立ち上げられた学生サークルです。MPJ Youthは2009年3月アフリカ・モザンビークに派遣された学生を中心に結成され、2024年で15周年を迎えます。「アフリカを学び、発信する」ことをコンセプトに、今では東大と東京外語大学を中心として様々な大学から、約90名(23年度)の学生が集まっています。  詳細はこちら⇒ MPJ Youthサイト 


ガーナ職業訓練校建設運営支援事業の進捗 ~ 次のステップヘ!~

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)の鈴木りえこ理事長は、2024年1月にガーナを訪問しました。 これまでもお伝えしたように、SPJはガーナのアシャンティ州アマンシエ・ウエスト、マンソ・ンクワンタ(Manso Nkwanta)にて職業訓練校建設運営支援事業を行っています 。

昨年中は非常に雨が多かったことも影響して、工事は遅れていますが、訪問当時は地元の材料を使って壁に使用するレンガを作っています 。

2024年1月の様子

また生徒募集も開始し、既に一部の教師も雇って10名以上の生徒が、現地にあるMPA Ghana(Millennium Promise Alliance Ghana:SPJの連携NGO)の事務所を教室代わりにして、授業を受けています。今回の訪問では、日本国内にてこの事業に特化したご寄付(82,000円)をいただいたため、クマシで購入したPC2台を直接教師と生徒へ手渡ししました。 。

鈴木理事長は、現地事業統括者スタンとともに現地で様々な会合にも出席しました。 マンソ・ヌクワンタでは、MPA Ghanaのジェネラル・マネージャー、エリック氏も加わり、昨年5月にも面談させていただいた伝統的指導者オマンヘネ(Nana Bi Kusi Appiah/ナナ・ビー・クシ・アピア2世)やそのお孫さんであるクィーン・マザー、ナナ・ニャルコ・アボラー・シーカ2世にも事業の進捗状況を説明しました 。

オマンヘネからは現地スタッフに対して事業をより早く推進し、また進捗状況を定期的に報告するようにというご要望があり、クィーン・マザーは今後の学校運営に欠かせない地域コミュニティの協力を得ること、またクラウドファンディングを含む募金活動へのご協力を約束してくださいました 。

さらに、週末ではありましたが、ガーナTVET(Technical Vocational Education and Training)サービス・アシャンティ地域総局のリチャード・アッド・ギャンフィ氏(局長)、ダニエル・アモー氏(副局長)、職業訓練校を運営する理事会理事長のナナ・オポン・アプランパ1世ジェームズ・オッポン氏とも、具体的な今後のステップについての会合を持ちました 。

今後のステップについての会合参加者と

なお、事業サイトへの視察には、週末にも関わらず、MAGO MOTORS JAPAN株式会社 取締役の木村太一氏が参加してくださいました。お忙しいところ、ありがとうございました 。

前回訪問時(2023年5月)にガーナの教育大臣(Yan Osei Adutwum氏)から「職業訓練校の生徒にはクリエイティブなことも教えてほしい」という要請があったことから、今回の訪問では、世界の電子廃棄物が集まっている首都アクラ近郊のスラム、アグログブロシーも訪問しました。前述の木村氏にご案内いただき、廃棄物からアート作品を作るほか、子供のために学校を作り、彼らにアートを教えたり、廃棄物の再生工場なども設立したりして、現地の人々の自立を支援している長坂真護さんのギャラリーやスラム全体を訪れ、廃棄物から発生する有毒ガスなどに囲まれた生活環境の厳しさを実感しました。ちなみにアグログブロシー訪問の際は、木村様から有毒ガス対応マスクをいただきました。

また、鈴木理事長は、ガーナ北部の都市タマレも訪れ、TICAD4(2008年)にJICA(日本国際協力機構)とUNDP(国連開発計画)の招待で日本を訪れた女性グループ(Pagsum Shea Butter Processing Centre at Sagnarigu Community)を訪問し、代表のSafia Alhassanさんとも14年ぶりに再会しました。彼女は、シアバターを中心とした石鹸製造を女性たちに指導していて、貧しい女性の自立を支援しています 。

そのほか、タマレでは、ガーナを代表する国際的な現代アーティストのイブラヒム・マハマ氏のRed Clay Studioも視察しました。アクラから運んだという5機の飛行機や労働者の宿泊施設にも利用されたという車両ほか、膨大な数のストレチャーや靴磨きの箱、カカオの使い古された麻袋などが展示され、発想と規模の大きさに圧倒されました。マハマ氏のコンセプトは「社会貢献はアーティストの責任」であり、アート活動からの利益をコミュニティのために還元される姿勢は、サステナブルキャピタリズムを主張する長坂真護さんとも共通していることを実感しました。マハマ氏は、SPJの職業訓練校にも何かしらのご協力をお約束くださっています 。

今回の理事長訪問で、事業が促進されることを願っています。引き続き、皆さまのご協力を宜しくお願いいたします 。

【ガーナにおける職業訓練校建設・運営支援事業 寄付口座】
SPJは認定NPO法人のため、ご寄付は税額・所得控除の対象となります。
•みずほ銀行 本郷支店 普通口座 2714991 
特定非営利活動法人 SDGs・プロミス・ジャパン
•郵便振替口座 00190−3−650992 
特定非営利活動法人 SDGs・プロミス・ジャパン

※ご寄付をお振込みいただく際、「ガーナにおける職業訓練校建設・運営支援事業への寄付」と明記の上、下記をメール(office@sdgspromise.org 宛)にてご連絡ください。入金確認後、領収書を送付いたします。
➀氏名もしくは法人名、②ふりがな、③郵便番号と住所、④電話番号、⑤肩書、担当部署(任意)、⑥入金方法(みずほ銀行もしくは郵便振替)

● これまでの関連ブログ
2023.8.16: 現地スタッフからのレポート~現地での日本祭りイベント~
2023.8.16: 現地スタッフからのレポート~8校の学校訪問について~
2023.8.2: 現地スタッフからのレポート~ガーナでフォトコンテスト開催!
2023.6.21: ガーナの職業訓練校建設開始式典にガーナ政府・教育大臣なども参加
2023.4.27: 隈研吾氏 とSDGs・プロミス・ジャパン: ガーナにおける職業訓練校建設・運営支援事業に着手
2023.3.27: ガーナにおける職業訓練校建設・運営事業に関して、外務省のNGO連携無償資金協力(N連)を締結
2022.8.31: 隈研吾氏、「アフリカの魅力とインパクトを語る」 ~アフリカへの想いと建築への原点もお伺いしました!~
2022.7.13: ガーナを訪問しました!


SPJ設立15周年記念レセプションを開催しました!

多くの皆さまのご支援のお陰で、今年(2023年)、SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)は15周年を迎え、去る11月20日に、アークヒルズクラブにて「SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)設立15周年記念レセプション」を開催いたしました 。

会場入口と会場内風景

レセプションでは、鈴木りえこ理事長の開会挨拶に続き、岸田文雄内閣総理大臣からのご祝辞を司会の山本恵子氏(NHK名古屋放送局報道部副部長・解説委員、SPJ理事)が代読いたしました 。

続いて、平和への祈りを込めて「駐日大使・大使夫人合唱団」によるコーラス(指揮:スウェーデン大使夫人アンナ・ヘーグベリ氏、ピアニスト:碓井俊樹氏)が披露されました。アパルゥ駐日ガーナ大使もコーラスに参加してくださいました 。

乾杯の音頭は、SPJ最高顧問でレセプションの代表発起人である福井俊彦氏(キヤノングローバル戦略研究所 理事長、元日本銀行 総裁)が行ってくださいました。出席者の中には、在日大使閣下・大使夫人、国会議員の先生方、民間企業、研究機関、NGOなどの様々な分野から130名を超える皆さま方にご出席いただきました 。

SPJの設立に関わったジェフリー・サックス氏(コロンビア大学University Professor元国連事務総長・特別顧問)と、SPJとMPJ Youthとの協力を深めている東京大学の藤井輝夫総長からのビデオ祝辞も紹介されました 。

さらに、SPJ特別顧問で、現在SPJの事業(NGO連携無償資金協力)として進行中のガーナ職業訓練校を無償で設計してくださっている隈研吾先生(建築家、東京大学 特別教授・名誉教授)からのご挨拶もいただきました。ご挨拶の中で、隈先生は、事業現場は隈先生ご本人が大学院時代に近くを通ったことがある思い出の地域で、今回は種々の困難を乗り越えて職業訓練校建設が始まったことに関する喜びを語ってくださいました 。

また、HIV/エイズの治療薬を世界で初めて開発され、安価で配布するシステムを作られた満屋裕明先生(国立国際医療研究センター研究所 研究所長)によるご挨拶も賜りました。満屋先生は、お話の中で、日本政府の医療関係への投資不足が続いているため、その開発の遅れを懸念されました 。

その後、2023年Y7(Youth7:G7各国及びEUのユース代表による国際課題を議論する委員会)の日本会長・千葉宗一郎氏が中心となり、英語による「花は咲く」の演奏、そしてSPJの関係機関にご寄付いただいた景品やSPJが用意した様々な景品約70品の抽選が行われ、会場は大変盛り上がりました 。 景品をご寄贈いただいた皆さまには心より感謝申し上げます。

最後に、SPJ名誉会長の北岡伸一(東京大学 名誉教授、独立行政法人国際協力機構 特別顧問・前理事長)からの挨拶で閉会となりました 。

SPJ関係者は、15年の歴史を振り返るとともに、皆様に励ましていただき、今後も地道に活動して行きたいという思いを強めました。ご参加いただいた皆さま、日頃よりご支援いただいている皆さまに改めて御礼を申し上げます 。

リンク:特別レポート「SPJの15年あゆみ」


ウガンダにおける食料危機支援事業を開始 

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)は、2023年6月に新たに「ウガンダ共和国カラモジャ地域における脆弱層への食糧支援事業」を開始いたしました。

国連世界食糧計画(WFP)によると、世界で深刻な食料危機に直面している人々の数が増加していますが、ウガンダでもその影響は深刻です。詳細は「こちら

SPJは、ウガンダの北東部に位置するカラモジャ地域(ウガンダ国内でも最も貧しい地域で人口12万人)にて、最も脆弱な人々への食料と栄養の不足を補うため、ジャパン・プラットフォーム(以下、JPF)からの助成金を得て、現地提携団体のNakere Rural Women Activist (以下、NARWOA)及びすでにこの地域で支援活動を行っていた特定非営利活動法人 難民を助ける会(以下、AAR)と連携して、この事業を開始いたしました。

対象は、カラモジャ地域コティド県における脆弱世帯約300世帯(1,320 人)で、彼らが生存に必要な最低限の食糧パッケージを3回受け取れることを目標としました。配付中からモニタリングを開始し、アンケート調査を行いながら裨益者の食糧へのアクセスの改善状況や満足度等について状況把握と分析を行います。

今回の事前調査では、AARが既に実施している食料配布演習に、SPJの国際派遣スタッフが参加し、この地区の役所Water Governance Institute(以下、WGI)の協力も得て、今後の食料配布 プロジェクトの効果的な実施法について調査が行われました。演習の見学中には、AARの代表者にも話を聞く機会がありました。

SPJではNARWOAとAARと共に、地区災害対策委員会(District Disaster Management Committee – 以下、DDMC)のデータをもとに裨益者を選定し、選定された世帯を戸別訪問、食糧確保状況、生活環境や支援の必要性、世帯構成などについて聞き取りを行った上で最終決定します。また他団体と重複がないよう、情報交換を行いながら調整を行います。さらに、対象地において、事業対象に選定されなかった世帯からの不満や、対象世帯とのトラブル防止に向け、選定基準については明確にした上で、コミュニティリーダーを通して各世帯にも詳細に説明をし、理解を得るよう努めます。

食糧配布の予定地であるレンゲンサブ郡(RengenSub County)でプロジェクトメンバーを歌と踊りで迎える現地コミュニティの人々

困難な中でも、精一杯感謝の気持ちを伝えてくれようとする人々の期待に応えられるよう、この事業を推進していきたいと思います。

今回の事前調査の様子は、SPJのSNSサイト(Instagram, Facebook, Twitter)に、どのように食料配布がされたかの写真なども掲載いたします。そちらもぜひご覧ください。

Facebook: https://www.facebook.com/sdgs.promise.japan/
Instagram: https://www.instagram.com/sdgspromisejapan/
Twitter: https://twitter.com/sdgsp_japan


ガーナ職業訓練校建設運営支援事業、現地スタッフからのレポート(2) ~8校の学校訪問について ~

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)の学生インターンとして、ガーナの職業訓練校建設運営支援事業現地で活動した田沼そらからの現地レポートの第2弾をお届けします。

前回のフォトコンテスト開催に続き、今回は地元中学・高校合わせて8校を訪問した様子をお知らせします。

田沼そらレポート
「訪問した学校で、現地事業統括者スタンとともに、田沼が日本について、日本語での挨拶、SPJの紹介、SDGsについての解説ほか、ガーナの雇用状況や職業スキルの必要性について説明しました。それから、学生の好きな科目や職業訓練校での学習について質疑応答を行いました。

日本についての説明を熱心に聞いてくれる学生たち

地元の学校訪問では、特に、本プロジェクトの職業訓練校については詳しく説明し、学生の皆さんにその概要を理解してもらいました。中学生の皆さんは、卒業後に職業訓練校に通ってスキルを学ぶことに関心を示してくれました。個人的な観察では、当プロジェクトは地域社会のニーズと人々の要望に適切に対応していると感じました。多くの人々が、職業訓練校について、スタンや私、MPAスタッフに対して質問してくださったので、地域社会がこのプロジェクトに大きな関心を抱いていることがわかりました。また、この学校に関するラジオ番組の終了時にはプロジェクトについて質問するため、たくさんの電話がかかって来たそうです。」

※訪問した8校の学校名と各校生徒との集合写真の一部
・Manso Nkwanta DA Model 中学
・Manso Dominase DA 中学
・Manso Nkwanta DA 中学
・Manso Nkwanta Methodist 中学
・St Francis Xavier Roman Catholic中学
・Atwere DA Experimental 中学
・Atwere Methodist 中学
・Mansoman 高校

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2023.8. 2  ガーナ職業訓練校建設運営支援事業、現地スタッフからのレポート(1)~ガーナでフォトコンテスト開催!~
2023.6.21: ガーナの職業訓練校建設開始式典にガーナ政府・教育大臣なども参加
2023.4.27: 隈研吾氏 とSDGs・プロミス・ジャパン: ガーナにおける職業訓練校建設・運営支援事業に着手
2023.3.27: ガーナにおける職業訓練校建設・運営事業に関して、外務省のNGO連携無償資金協力(N連)を締結


ガーナ職業訓練校建設運営支援事業、現地スタッフからのレポート(1)~ガーナでフォトコンテスト開催! ~

今回は、SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)が実施しているガーナの職業訓練校建設・運営支援事業のために現地に派遣していた学生インターン、田沼の現地レポートをお届けします。

●田沼そらレポート
「SPJは、2023年6月にガーナのアシャンティ州アマンシエ西地区にあるマンソ・ヌクワンタの同プロジェクトサイトにてフォトコンテストを実施いたしました。

このフォトコンテストは、事業の建設予定地の村でカメラを手に持った経験もない多くの子供達に対して、新しい、クリエイティブな体験をしてもらう目的で開催しました。使われたカメラはキヤノンのデジカメです。SPJは2020年にウガンダ、2021年~2022年にかけてはラオスでも孤児院の子供たちを対象にフォトコンテストを開催しています。

今回は、日曜日の一日限りの開催でしたが30人も子供が集まり、とても賑やかなイベントになりました。コンテストのテーマは「子供達にとって絆がある光景を写真に残す」ことで、村でSPJスタッフが子供達にカメラの使い方、撮影方法を教えて、子供たちに写真を撮ってもらう方法で行いました。テーマに沿って、毎日通っている学校や友達と集まってサッカーなどを楽しんでいる公園で撮影することになりました。

子供達はたくさん写真を撮り、初めてカメラで写真を写すという経験をとても楽しんだ様子でした。

参加した子供達の写真の中からMPA Ghana(Millennium Promise Alliance Ghana:SPJの連携NGO)とSPJスタッフ数人で審査し、評価が高かった写真の撮影者3人に小さなプレゼントが送られました。

田沼からプレゼントが渡され、嬉しそうな入賞者イマヌエルさんの様子です。

イベント終了後、マティアスさんとイマヌエルさんは、約250,000 人の聴取者がいる地元のラジオ局プロミス・ラジオを訪れ、ラジオを通じて自分のフォトコンテストでの経験を話してくれました。

上位入賞した3人の写真や、フォトコンテストの様子を写した写真もSPJガーナのインスタアカウント(@spj_ghana)でも紹介していますので、どうぞご覧ください。」

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2023.6.21: ガーナの職業訓練校建設開始式典にガーナ政府・教育大臣なども参加
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【報告】2023年7月4日「長崎アウトカム・ステートメント」発表 ~ G7長崎保健大臣会合時の国際シンポジウムの成果 ~

2023年7月4日に、「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)」制圧に関する声明「長崎アウトカム・ステートメント」が発表されました。

全文和訳 ⇒長崎アウトカム・ステートメント

既にお伝えした通り、今年の5月13日、14日に長崎市にて『G7長崎保健大臣会合』が開催され、その前日の5月12日(金)に、SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)も協力団体として参加した「G7長崎保健大臣会合開催記念 国際シンポジウム『顧みられない熱帯病に対する研究開発とアクセス&デリバリーの加速化に向けて』」が開催されました。

参照【開催案内】G7長崎保健大臣会合時に国際シンポジウムを開催!
   【開催報告】国立大学法人 長崎大学のサイト

(C) 国立大学法人長崎大学  2023年5月12日(金)国際シンポジウム会場にて

その際、「長崎アウトカム・ステートメント」が策定され、NTDsに対する持続的な資金拠出と公平なアクセスの必要性を呼びかけました。その表明に、GHIT Fund、長崎大学、Uniting to Combat NTDsおよび、SPJを含む約20の団体と個人も署名し、7月4日に上記がプレスリリース内にて発表されました。

プレスリリース⇒ NTDs制圧に関する声明「長崎アウトカム・ステートメント」を発表

NTDsの専門家ではない方を対象に、以下に「長崎アウトカム・ステートメント」の背景をお伝えします。

2012 年1月に、関係者が一堂に会してNTDs に関するロンドン宣言に署名し、2020 年までに NTDs の 10 疾患の制圧、撲滅、根絶を約束。
2022 年 6 月にはルワンダの首都キガリにおいてNTDsに関するキガリ宣言が発表され、政治的意思、地域社会のコミットメント、リソース、関係者の行動を動員し、個人、地域社会、国を NTD対策の中心に据えるハイレベルな政治宣言を発表しNTDs制圧に関する更なる気運を高めました。この宣言では、すでに 15 億米ドルの資金拠出を表明という大きなコミットメントを集めました。
この勢いを持続させるために、継続的なエンゲージメントとコミットメントへの連携への行動喚起が必要との思いで、グローバルリーダー達による長崎アウトカム・ステートメントが策定されました。

この呼びかけに応じるかのように、岸田文雄内閣総理大臣はG7サミットにおいて、GHIT Fundに5年間で2億米ドルのプレッジ(誓約)を発表しました。

本シンポジウムは、日本のNTDs研究の中心地である長崎市において、世界から関係者が集まり、NTD対策についての情報共有と連帯強化を目的として開催されたものです。SPJも、引き続き関係各所と連携しながら、NTDs制圧に関する日本での認知度向上の一助を担いたいと思います。

※顧みられない熱帯病 (Neglected Tropical Diseases: NTDs)とは、世界保健機関(WHO)が定める20の疾患の総称のことで、発展途上国地域の149の国々に暮らす中低所得者層を中心に約10億人もの人々が苦しんでいると報告されている病気です。NTDsは貧困による劣悪な衛生環境などが主な原因となって蔓延し、これらの疾患にかかると、重度の身体障害が残る場合もあり、生涯にわたる身体的、精神的影響を及ぼし、経済成長の妨げにもなっています。そのため、適切な時期に適切な治療を受ければ治癒が可能なのにも関わらず、貧困のためにそれができず、病気のためにさらなる貧困に陥るという負のスパイラルが発生しています。


「顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟」第8回会合を開催

2023年5月15日に「顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟」(以下、「NTDs議連」)第8回会合が、衆議院第二議員会館で開催されました。

NTDs議連会合の様子(左端:打合せする国光あやの事務局長と松本剛明会長)

国光あやの衆議院議員・総務大臣政務官が司会進行役を務め、会長の松本剛明衆議院議員・ 総務大臣からの挨拶、そして当日のゲストが紹介され、以下、その方々からのヒアリングが行われました。

(1) フォール氏(Mr. Ibrahima Socé Fall)(WHO、NTDs対策部部長)
(2) トーコ氏(Ms. Thoko Elphick-Pooley)(Uniting to Combat NTDs事務局長)
(3) 川原 尚行 氏(認定 NPO 法人ロシナンテス 理事長)と日本に留学経験あるスーダンの方
(4) 外務省 間瀬博幸氏

まず、長崎でのG7保健大臣会合(5月13日~14日)に合わせ、開催された顧みられない熱帯病に関する国際シンポジウム(5月12日)に出席された世界保健機関(WHO)のフォール氏と、Uniting to Combat NTDs (NTDs 制圧に向けたグローバルなアドボカシー組織)の事務局長であるトーコ氏から、今回のG7を踏まえて、WHOにおけるNTDsへの取組みを日本への期待についてお話がありました。

次に、川原先生から、スーダン情勢及びNTDsをはじめとする感染症の状況についてご説明がありました。

さらに、外務省から岸田総理のアフリカ(エジプト、ガーナ、ケニア。モザンビーク)訪問におけるNTDs・グローバルヘルスへの取組みについてのご紹介がありました。

ご出席された逢沢一郎衆議院議員・アフリカ議連会長から、「顧みられない熱帯病」が「顧みられる」ように世界に発信していくことが非常に大切です、といったコメントもありました。

左から:フォール氏、トーコ氏、逢沢先生、鈴木理事長、一人おいて川原氏、国光先生

※顧みられない熱帯病 (Neglected Tropical Diseases: NTDs)とは、世界保健機関(WHOが定める20の疾患の総称のことで、発展途上国地域の149の国々に暮らす中低所得者層を中心に約10億人もの人々が苦しんでいると報告されている病気です。NTDsは貧困による劣悪な衛生環境などが主な原因となって蔓延し、これらの疾患にかかると、重度の身体障害が残る場合もあり、生涯にわたる身体的、精神的影響を及ぼし、経済成長の妨げにもなっています。そのため、適切な時期に適切な治療を受ければ治癒が可能なのにも関わらず、貧困のためにそれができず、病気のためにさらなる貧困に陥るという負のスパイラルが発生しています。


ウガンダの支援女児OGから、手紙が届きました!

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)は、2009年から10年にわたり、才能がありながら経済的理由により進学が困難な貧困家庭の女の子を支援するため、中等教育(中学・高校)6年間の奨学金を支援しました。対象は、アフリカのウガンダ、ルヒーラ・ミレニアム・ビレッジ出身の21名 の女の子でした。

これまで、何回も御礼のお手紙や進路報告などをいただきました。(※末尾参照)

2023年5月29日に、支援を受けたお一人、チョシャビレ・メアリー・グロリア(KYOSHABIRE MARY GLORIA)さんから、SPJ・鈴木理事長宛てに大変嬉しいお手紙が届きました。

● 原文英文はこちら ● 和訳はこちら

2023年5月現在のグロリアさん

手紙には、グロリアさんがウガンダの首都カンパラにある「Tenna and Pharma Laboratories」という民間研究所で臨床検査技師として昨年9月から働き始め、新型コロナウイルスのパンデミック中は、優れた診断スキルでコロナウイルスの監視活動も行ったことが書かれていました。今後のキャリア目標として、グローバルな生物医学研究者になり、感染症やワクチン開発の研究を行い、感染症、顧みられない熱帯病、伝染病を予防および制御するための持続可能な基盤の開発に寄与したいとのことです。

※【これまでの支援に関する記事】
2018年1月5日公開
ウガンダ女児就学支援事業・支援する女の子たちからお手紙が届きました。

2017年7月13日公開
ウガンダ女児就学支援事業・女児8名からお手紙が届きました。
代表2名からの手紙
全員からの手紙

2013年3月18日公開
ウガンダの奨学生から御礼の手紙が届きました!
この当時、計20名の女子生徒への支援を行い、そのうち3名が中学校から高校へ進学し、3名が看護学校へ、14名が中学校へ進みました。
20名の手紙全部の一覧