裨益者への食糧・支援物資の配布及び事業モニタリングが終了しました。【マラウイ・サイクロン被災支援(第二期目)】

SPJでは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成の下、8月9日から11月8日まで「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への食糧・リカバリー物資配布事業」を実施中です。

こんにちは。現地駐在員の濱田と飯田です。

 9月27日(金)から10月7日(月)にかけて、ゾンバ県内のT/A (地区)MwamboとT/A Nkapitaの2地区を対象に、サイクロン洪水被災者に食料・支援物資を配布しました。具体的には、T/A Mwambo の550世帯に対してターポリン(サイクロンで半倒壊した家屋の補修材)と毛布を配布すると共に、T/A Nkapita の1,060世帯に対して、メイズ25kg及び米10kg、豆5kg(約1カ月分の食糧)を配布しました。今回は2期目のサイクロン被災支援事業ということあり、私たちや現地スタッフも仕事の段取りが分かっているので(2期目も1期目の事業で雇用した現地スタッフを同じく採用)、食糧・支援物資の配布前の準備(裨益者リストの作成など)や配布日当日の対応などをスムーズに行うことができました。

T/A Nkapita GVH (群)Mbukwiteでの食糧物資配布の様子
T/A Nkapita GVH Masaulaでの食糧物資配布の様子
T/A Nkapita GVH Fikilaでの食糧物資配布の様子
T/A Mwambo GVH Makawaでの集合写真
T/A Mwambo GVH Mbaluでのターポリン及びブランケット配布の様子

事業モニタリングは10月8日(火)から10月22日(火)にかけて実施し、T/A MwamboとT/A Nkapitaの裨益者から現地で直接ヒアリング調査しました。結果として、モニタリングを299件(T/A MwamboのMakawa28件+Mbalu31件及びT/A NkapitaのMbukwite49件+Fikila16件+Masaula29件+Balamanja35件+Nkasala15件+Mwangata45件+Kapalasa51件)実施することででき、JPFへの事業申請時のモニタリング目標総数250件を大幅に上回ることができました。

 裨益者からは「(配布された食糧が)生活の糧になっており、大変感謝している」や「早速、ターポリンを屋根に設置した。大変役立っている」などのサイクロン被災支援事業に対する良い評価を頂きました。一方で、裨益者から「(裨益者の扶養家族数が多いため、配布された)メイズ及び米、豆を既に食べ尽くしてしまった(もっと食糧が欲しかった)」や「この辺りの土地は痩せており、(食糧に加えて)肥料が欲しかった。また家畜(ヤギ)があれば、繁殖して現金収入が見込める」などの意見もあり、依然としてゾンバ県内のサイクロン被災者の生活環境は厳しく、引き続き支援が必要だと感じました。

事業モニタリングの様子(T/A Nkapita)
事業モニタリングの様子(T/A Mwambo) 裨益者が配布されたターポリンを自宅の屋根に
設置しているところ
事業モニタリングの様子(T/A Mwambo)ターポリンが設置された裨益者宅
裨益者宅(写真8)を内部から撮影。 ターポリンがどのように使用されているのかがよく分かる

マラウイはちょうど今暑い時期で、朝から晩まで事業モニタリングで裨益者宅を一軒一軒訪問するのは大変な作業でした。現地スタッフの体調管理が気になったので、毎日、エネルギー補給と水分補給を兼ねて現地スタッフにコカ・コーラなどの清涼飲料水を持たせました。また写真10は、事業モニタリング中に撮影しました。型典型的な栄養失調の子供たちです。私は途上国での生活が長く、多くの子供たちと遊んできましたが、こんなにお腹がポッコリと出ている子供はあまり見かけません。先日、空腹の子供たちが道端に捨てられたお菓子(ポテトチップスやビスケットなど)の入っていたビニール袋を拾って、袋の内側を舐め回している姿を見かけました。食に飢えるのは本当につらいことです。ゾンバ県での継続的な食糧援助の必要性を強く感じました。 今後は事業地のゾンバ県からリロングウェに戻り、活動報告書を作成したり、関係機関に事業終了の報告をしたりと、帰国に向けて準備します。

マラウイの栄養失調の子供たち
作成日:2019年10月30日