ケニアのビレッジ、Sauriについて

ミレニアム・プロミスより、ケニアの村Sauriの現状について、最新のレポートが入りました。
現在、MPJ理事長の鈴木りえこはこのSauri村を訪問しています。そのレポートも後日掲載予定ですので合わせてお楽しみください!

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教師の誇り
ケニアのミレニアム・ビレッジ、サウリ村にあるニアムニニア小学校で、ミリセント・オキニイ(Millicent Okinyi)校長は当然誇らしげにしています。生徒たちが基礎課程だけでなく、「収益獲得」や「学習活動」といったコンピュータや農業技術の実践課程でも優れた成績を収めているのです。
農業部では生徒たちが2エーカーの農場を耕し、最新の農業技術を学びながら、学校に利益までもたらします。農場には4頭の乳牛と鶏を飼育していて、ほかにもバナナ、ケールやトマトなどの野菜が豊かに育っています。
生徒はコンピュータ実習でも、マイクロソフト・ワードやパワーポイント、インターネットなど多くのことを学習しています。20台のコンピュータが設置されていますが、クラスは小さいので1台あたりの人数は2人以下しかいません。これらコンピュータはミレニアム・ビレッジ・プロジェクトが支給し、ケニヤコンピュータ学校がテクニカル・サポートを行っています。
就学率は高く、成績も良い
ニアムニニア小学校の就学率は年20%で伸びており、今年はこれまでで最大となる865人が教育を受ける機会を得ました。就学率と出席率を高く保てるのには、いくつかの要因があります。「特に、生理用ナプキンを無料配布したことで欠席する女子が著しく減ったのです」とオキニイ校長は指摘します。
さらに、学校給食プログラムによって昼食が無料で配られるため、生徒は学校で一日中過ごすことができ、勉強にも集中できます。この給食は、その地域や学校の農業部で採れたメイズ(とうもろこし)、豆、小魚、野菜や果物を使っています。
昨年、ニアムニニア小学校はケニア初等教育証明試験の得点が最も改善したことで表彰され、27人の志望者のうち16人が地方学校に合格しました(地方学校は区学校の次にレベルが高く、その次にレベルが高いのが最上位の国立学校になる)。オキニイ校長はこのことを大変誇りに思っています。
サウリ村もかつては生存の淵で必死にもがいていました。しかし、サハラ以南のアフリカにある地方の村であっても極度の貧困のサイクルから抜け出して、発展し自立することが出来るということを証明したのです。
ケニア、サウリ村をもっと知る
サウリ村一帯は、ミレニアム・ビレッジ(MV)プロジェクトが一番はじめに着手した最大の地域です。2004年8月に最初のミレニアム・ビレッジが制定され、続いて2006年半ばに10個のビレッジが発足しました。そのときから、人口は約7万5千人増加しました。ケニア西部のシアヤ県にあるサウリ村は、主要都市キスムの中心街から約40kmのところに位置しています。
サウリ村は、なだらかに起伏する丘陵の中を、大小の川が蛇行して形作った湿地帯です。農家はメイズと豆を主要作物とし、3月に作付けし8月に収穫するのが通常のサイクルですが、農閑期にも10月に作付けし12月に収穫を行っています。
発展への課題を克服する
サウリ村は、HIV/エイズ、マラリアや熱帯病といった高い疾病負担だけでなく、食料安全保障、道路やインフラの未整備、安全な水資源の不足といった数々の開発課題に直面しています。しかし、このような環境でもMVプロジェクトを通してしっかりと前進しているのです。サウリ村でMVプロジェクトが始まってから、これらの挑戦の克服に向けて大きく前進し、極度の貧困のサイクルから逃れるための活動にもはずみがついています。
・肥料や改良種の使用、農業技術トレーニングによって、サウリ村でのメイズ生産量が大幅に増加しました。
・診療施設内での出産増加やその他の環境改善によって、乳幼児死亡率と産婦死亡率が減少しました。
・マウリ村の全ての学童(約2万人)が、現地で取れたメイズ、豆、野菜や果物で作られた給食を毎日支給されています。
・学校やコンピュータ施設には360台ものコンピュータが備えられており、それら全てがインターネットにつながっています。また、100人近い教師がコンピュータに関するトレーニングを受けています。
・何百人もの農家の人達が、何百箱ものミツバチを飼っています。蜂蜜(ミレニアム・ハニー)は成長ビジネスの一つとなっています。

(翻訳:栗山延浩)