ウガンダ・ルヒーラ村を視察しました!

 ユニフォームの後ろ8月下旬から9月初旬にかけて、ミレニアム・プロミス・ジャパンでは、ウガンダのミレニアム・ビレッジ、ルヒーラ村を視察してまいりました。昨年の夏以来、一年ぶりの訪問となりましたが、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト第一期の過去5年間と比較してみて、この一年間で目を見張るような進歩がみられ、関係者一同、非常に驚くとともにうれしく思っております。
 たとえば、モデル農家のMugisha Paulさんのお宅では、エンタープライズのために寄贈された山羊を育て、市場で売っています。また寄贈された牛の糞を利用したバイオマス燃料により、家の中にガスと電気が通っていました。お金を貯めて建てた家の居間の中には裸電球があるだけですが、これで「夜でも本が読める」と喜んでいました。農業組合が相談して決定した農家に対して、順番にプロジェクトから牛が寄贈され、そこで生まれた最初の乳牛は次の農家へと譲られていきます。Paulさんの乳牛は良く育ち、一日20リットルのミルクがとれるとお聞きして、感心しました。Paulさんはガスで料理も作っていました。「料理が簡単になったから自分たちでも夕食がつくれるようになった」ということです。少し前までは家事は女性の仕事だったので、男性の精神面でも変化が顕著でした。

牛電気ガスDSC_0205

 ラジオ局もできて村の若者2名がDJになって、流行の音楽を流していました。エンターティンメントのみならず、緊急時やエイズ予防などの保健衛生の向上にも役立っています。

DSC_0156 さらに巨大な水道タンクが村の中心に出来上がり、3方向に水道管が敷かれていました。お金を出せば各家にも水道水を引き込むことができます。公共の水道場では管理人がいて、水を売っています。とはいえ、水源はずいぶん遠い谷間の湧水で、まだまだ水の値段は高価です。DSC_0249また、水道タンクの隣には、太陽光発電のステーションも出来上がり、地域内の各家に電気を送ることも可能となりました。コロンビア大学の学生さんが一年ほど滞在して、このシステムを管理しています。

 数年前に細々と始まった村のマイクロクレジット用のバンクは、事業から得た利益により近くに立派な銀行を建てていました。村のコミュニティ・リーダーたちとの集まりを傍聴したところ、「Work Hard, Save and Invest for the Future」という文章が、ユニフォームの後ろに書かれていたので、思わず微笑んでしまいました(写真:冒頭)。

コミュニティヘルスワーカー ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの特徴の一つであるコミュニティ・ヘルスワーカーは、スマートフォンを使ったGPS機能により、担当する各家の患者のデータを村の担当者(アメリカのNGOから派遣された青年)へ送ります。さらに各国のミレニアム・ビレッジのデータは、アフリカのミレニアム・ビレッジを統括する東西のMDGセンターへ送信され、アメリカで集められて統計が出されます。

 コミュニティ・ヘルス・ワーカーのスマートフォンでは、下痢の有無、他の家族の状況なども次々と質問が示され、患者の症状にそって処方を行います。私たちが訪れた家では赤ちゃんが熱を出していました。簡単な調査の結果マラリアではなかったので、肺炎が疑われ、近くのクリニックで診察を受けることになりました。コミュニティ・ヘルスワーカーは、赤ちゃんの母親に栄養についての指導を行うことを忘れていませんでした。字が読めない母親たちのためにはイラストを描いた紙を用いて、必要な栄養素について説明をします。
DSC_0419 JICA青年海外協力隊員の方々にもご協力いただいたビーズアクセサリー作りも拡大して、首都カンパラのお土産店でも売られるようになっています。カンパラのホテルで朝食をとっていたら、地元のウェイトレスが寄ってきて「素敵なブレスレットですね。どこで買ったのですか?」と尋ねられました。ちなみにこれらのアクセサリーはグローバル・フェスタ(10月5日~6日@日比谷公園)のMPJブースでも販売されます。

 DSC_0383 ところで、MPJがYAMAHA発動機からご寄附いただいたポンプと点滴灌漑セットを利用して、昨年夏に始めた点滴灌漑農業のパイロットプロジェクトでは、トマトとキャベツが見事に育っていました!開始後、害虫や大雨で被害を受けていましたが、農家の皆さんがあきらめずに3回目でトマトを実らせ、キャベツの栽培も行っていました。やっと利益が出るようになってきたそうです。

 また、今回はアミティエ・スポーツクラブからのご寄贈いただいたサッカーのユニフォームをRyamiyonga Primary Schoolへ届け、信越化学からご寄贈いただいた塩化ビニールのトートバックをMPJの奨学金でセカンダリースクールへ通っている女の子たちへ贈り、非常に喜ばれました。ありがとうございました!

 ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトも第二期に入り、これまでの成果が一気に現れているのでしょうか。最初の第一歩から見守っていた私たちにとっては、感動的な成長ぶりでした。

サッカーユニフォーム信越化学のトートバックを持つ少女たち
                                                                                  報告:鈴木りえこ