ミレニアム・ヴィレッジからレポートが届きました ④

Jサックス充実した学校生活は手洗い慣行から
~ ムワンダマ・ミレニアム・ビリッジ(マラウイ)~ Natalia Mrozからの報告

先週、世界中で祝われた「世界手洗いの日」の一環行事として、「より健康に」を合言葉にマラウイのムワンダマ地区の学校が一堂に集まって歌ったり、踊ったりして楽しみました。 そのイベントの間、明るい色の制服を着た600人以上の子供達は、石鹸を使って手洗いすることを約束しました。

これこそ、下痢を防ぐ上で最も簡単でお金のかからない予防なのですが、悲しいことに毎年この疾患が原因で約200万人もの子供達が亡くなっています。
特に、アフリカの地方では、この数字に偏りが見受けられます。私が子供たちに手洗いについて尋ねると、まだ6歳の子供達が手洗いをしている時に訪れる、とても重要な5つのタイミングを私に教えてくれました。そして、両手を軽く擦り合わせ、清潔な水と石鹸を使っておそろしい細菌を洗い流すため正確な方法を実演してくれたのです。 2005年以降、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)は、アフリカ全域の学校で衛生環境の改善に取り組んでいます。昨年は、ユニリーバの協力により、この取り組みにさらに弾みがつき、今後はさらに、エチオピア、ガーア、ケニア、マラウィ、マリ、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、タンザニア、ウガンダの10ヵ国で、このユニリーバの実績のある手指衛生プログラムの導入が検討されています。

ムワンダマのミレニアム・ビレッジ・プロジェクト (MVPs WASH)で中心的な役割を担うバーリングス・バンダ氏は以下のように述べています。“公衆衛生は威厳を示します。それは社会におけるあなたの立場・地位を示しているからです。ユニリーバの代表者、ムワンダマの学校、そしてミレニアム・ビレッジ・プロジェクトとの三者間で署名した公約には、全ての子供達が生きて五歳の誕生日を確実に迎えられるように取り組むことが示されています。 ムワンダマでは、そこで暮らす地域住民の正しい衛生習慣に対する理解促進及び衛生関連のインフラが改善されたことで、すでに大きな成果をあげています。学校には、改良された男女別々のトイレが設置されました。子供たちに野外での排泄を止めさせ、病気の発症と学外への感染拡大の抑制がその理由です。それぞれの家庭でも、子供たちが、より一層良い衛生習慣を身につけることで、地域全体へその恩恵が広がっていきます。

「世界手洗いの日」を主催したディンディ小学校のCristos Ntota教頭は、ムワンダマにおける改善された衛生環境と上昇し続ける教育水準との間に存在する、同氏が唱える相関関係について次のように語っています。 「衛生関連のプログラムやインフラが存在しなければ、子供たちは苦しみ、病院に行き学校へは来なくなるでしょう。国全体がその影響を受ける可能性があります。しかし公衆衛生は発展の始まりであって、さらにこの取り組みを広域に推進することで、未来の労働力を築き、国全体が繁栄するのです。」 過去には、彼はこう言っています。「子供達、特に女の子は、粗末なトイレを使うのが恥ずかしい為に学校を休んでいました。病気がちでもありました。ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)が設置した新しい設備がこの状況に変化をもたらしてきたのです。」
ムワンダマ村の公衆衛生改善のために次に取り組むべきことは、ディンディ学校への清潔な水の供給です。バンダ氏によれば、現在運用している浅井戸を改良する計画が実行されています。太陽光を動力とする複合型水道システムを用いて、ポンプで水を組み上げ、直接学校へ届ける仕組みです。 バンダ氏はこのように述べています。「私たちは8つの学校に雨水の採集設備を提供しました。また、同設備が残りの学校への設置も現在進行中です。手洗いの場を16箇所設置しました。さらに、16箇所が現在建設中です。4つの試錐孔(井戸)が新たに建設され、人が水を飲めるようにするには、マラウイ品質基準局が求める基準値を満たす必要があり、水質管理処理(塩素殺菌)を行うため、それに必要な薬品を各学校へ提供する予定です。
私たちは、現在、地域の全校で主に女子児童の月経衛生管理(MHM)に取り組んでいて、女子児童に配慮した手洗い設備を兼ね備えたトイレの設置を進めています。水と公衆衛生は密接に関係し、連動しています。
バンダ氏はまた、ネルソン村長の村における公衆衛生の改善に胸を躍らせています。その村はムワンダマ集落のひとつで、109人の人々が生活しています。28世帯すべてのトイレに設置する足を乗せる踏み台(SanPlats)を天日干ししています。すでに、全ての家庭に手洗い設備が備え付けられていて、送水ポンプで村の中心へ清潔な水が届けられています。 「私たちの子供が下痢や、マラリア等の他の病気に感染する頻度が減少したという事実は一番うれしく思っています。」とネルソン村長は笑顔で語りました。
バンダ氏によれば、「手洗いと公衆衛生が日々のウイルス感染予防に不可欠なものとして、人々に浸透してきています。このことが、この村を特別なものにしています。ムワンダマはすでにこの例に倣っています。

[翻訳ボランティア] 学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校 国際ビジネス学科
総合英語コース <通訳専攻>1年 須田 千紗穂、高木 輝幸、宮田 慎吾、向井 優衣