ガーナだより 6 ボンサソから~

2月に入りセネガルからガーナに移動した伊藤より最新のレポートが届きました。

○効率的な役割分担のデザイン
2月からはガーナに移動し、中部にあるボンサソというミレニアムビレッジ(MV)での滞在を始めました。このMVもセネガルのポトゥーと同様に人口3万人ほどの規模で、7か所に診療所が設けられています。そしてさらにそのほぼ中央に検査室が1か所設けられ、HIVやマラリアなどの各種検査を一手に担当します。7か所の各診療所では患者さんから血液サンプルを採取する段階までを行い、それをバイクで中央検査室に輸送して検査プロセスにのせます。少ないリソースを効率的に活用して最大限の効果を得ようとする工夫のひとつです。

【7つの診療所をカバーする中央検査室】
【7つの診療所をカバーする中央検査室】

○コミュニティーが担う役割
たとえば農業分野では農業組合が大きな役割を担うようになっています。この日プロジェクトの農業チームは、40名ほどの規模の組合とのミーティングに訪れました。組合にはリーダーだけでなく書記や会計の担当もいて、役割分担のある組織になっています。プロジェクトチームはこの組織基盤のしっかりした組合とともに活動を進めていますので、支援の成果が受け継がれ、また続いていくのだろうと期待できます。さらにマイクロファイナンスを受けるにしても、より信用がおける主体だといえます。

【農業組合を巻き込むミーティング】
【農業組合を巻き込むミーティング】

○地方政府との協調体制
教育分野では公的な学校制度を側面からサポートする活動が行われています。たとえば、就学率を上げるための啓発キャンペーンや学校給食の補助などです。これらはMVにある小学校・中学校を統括する県教育庁との協調体制が欠かせません。政府とのよい関係のなかで各種指標は向上してきており、これからは教育の質の面にも取り組んでいきたいとのことでした。

【県教育庁を訪問する教育セクターチームリーダー(右から2番目)】
【県教育庁を訪問する教育セクターチームリーダー(右から2番目)】

○自助努力の拡大
そして、今まで補助が必要だった活動もだんだんと自立に向かっています。たとえば、この写真をご覧ください。これは小学校が独自に運営しているココア畑です。先生たちが中心になって管理しています。そして、この収益は学校給食に充てられます。
ココアがチョコレートなどの原料であることは知っていましたが、これからはそれがガーナの子供たちの給食につながっているのかもしれない、と連想することでしょう。

【小学校で自主運営するココア畑】
【小学校で自主運営するココア畑】