第2回ケニア(キスム)レポート

今年6月からコロンビア大学地球研究所のプログラムでケニアに滞在しているMPJユースの会の石黒さんから2回目のレポートが届きましたのでお届けします。
こんにちは。ケニア、キスム市のミレニアム・シティ・イニシアティブにてインターンをしています、石黒文香です。
今回、レポート第二回はキスム市の産業についてレポートします。
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キスム市はケニア西部、ビクトリア湖のほとりに位置する関係で、ティラピアやナイルパーチをはじめ、漁業が盛んです。湖の周りにはさまざまな漁村があり、朝早くから漁にでる男性たち、昼に湖で洗濯をしている女性たちや子供たちが水浴びをしている風景を目にします。

ビクトリア湖の魚市場


LX2-2.jpgこのあたりに住んでいる人はビクトリア湖の魚を食べる習慣があります。ティラピアは干物にする場合と、そのまま水揚げされた状態で調理するという2種類に分かれます。
そのまま水揚げされたティラピアは油であげ、トマトやケールと一緒に煮て、ケニアの主食であるウガリと一緒に手で食べるというのが主流です。

トマトとケールで煮たティラピア、2,3人分です


LX2-3.jpgこちらの人は基本的にウガリを食べるときは右手を器用に使って食べます。ウガリはやわらかいので、少量を手にとり、手でこねてスプーンのようにし、スープをすくって食べます。
漁業が盛んにもかかわらず、魚の加工は水揚げしたキスムで行なうよりも首都のナイロビ近くに輸送して行なうことが多いようです。雇用を生み出すためにも魚の加工工場をもっとビクトリア湖の近くに作って欲しいというキスムの人々の意見もよく聞きます。

マーケットで売られているティラピア


ダウンタウンのお店(日用品、大工用品、文房具屋など)の75%はインド系の人々が経営しています。昼には1時間ほどの昼休憩のために閉まるお店が多く、その間、従業員は歩道に座って休憩をしています。また、17時に閉まるお店が多いので、17時を過ぎると、ダウンタウンはガラリと静まります。
ビクトリア湖周辺の主な部族であるルオ族は自分でビジネスを始めるよりも、オフィスワークや雇われることを好む傾向にある、と現在一緒に働いているルオ族のスタッフに教えてもらいました。
LX2-4.jpg私が普段活動している、スラム(Manyatta A)には仕事のない男性、特に若者たちが一日中、ビリヤードをしていたり、道路の横に集まって座って話しているのをよく見かけます。
このように、村から都市部に仕事を求めに移住しても仕事に就けない場合が多いことが現状で、その結果、彼らが犯罪にいたることも残念ながら多いようです。
仕事のない若者には草刈りをしたり、道の清掃をすることで、市から金銭的に支援してもらえるという取り組みもあります。

仕事のない若者たち


村に戻り、水を汲みに行くのに時間をとられるよりも、都市部での生活のほうが、生活に便利で安く住むことができるからスラムに残るという女性の意見も聞きました。
スラムの衛生状況は悪く、ごみの回収は普及しておらず、ごみを回収してもらうにはお金がかかるため敬遠されています。なお、調整されていない井戸水での生活により、コレラもたびたび発生しています。ここに住む人々が一人でも多く仕事に就くことができ、働こうという気力をつけて、自分の力でお金を稼ぐことで、よりよい環境での生活に一歩ずつ近づけると思います。一日でも早く自立した、よりよい環境で生活できることを願っています。