地球研究所からのエチオピアの女性の現状報告が届きました!

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みなさまへ
コロンビア大学地球研究所のミレニアム・シティ・イニシアチブ(The Millennium Cities Initiative (MCI))より、各ミレニアム・シティにおけるミレニアム開発目標(The Millennium Development Goals (MDGs))の進捗状況を測定するソーシャル・セクター研究報告書シリーズ第5弾の発行をお知らせいたします。
「エチオピア、マケレ市における女性の状況分析」と題する今回の報告書(調査報告書No.5/2009)は、ルーシー・コング氏とMCIにより研究・執筆されました。報告書(英文)はpdf形式でご覧いただけます。 【写真】マケレ空港

http://www.earth.columbia.edu/mci/sitefiles/file/Mekelle_Gender_Situation_Analysis_10-13-09.pdf


マケレ市は、ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上(MDG3)の達成に向け重要な一歩を踏み出し始めました。しかし、市町村・地域・国レベルで女性の教育や経済支援に対して大規模な投資が行われてきているにもかかわらず、マケレの女性や少女が潜在能力を十分に発揮するには依然として重要な課題が残っていることがMCIの調査・分析によって分かりました。
この状況下において、MDGsの重要なターゲットに向けた発展を促進するため、以下に掲げるような低コストでできる介入支援を実施することが考えられます。
その支援とは、5年生から8年生(注:日本の小学5年から中学2年に相当)の少女たちが引き続き中等学校で学べるように教育支援を行うこと、中小規模の企業育成の面で女性の職業訓練を行うこと、政治分野で活躍できるように女性の能力開発を行うこと、性と生殖に関する健康や家庭内問題あるいは財産権・相続権の面で女性の権利確立を支援するメディア・キャンペーンを行うこと、ジェンダーの尊重を行政機関の標準トレーニングに取り入れるとともに、家庭内暴力の被害者に対する司法や社会サービスをジェンダーの面でより専門的な職業にすることです。
当報告書シリーズは、MDGニーズ・アセスメント手法を市町村レベルではじめて適用した取り組みについて記録しているものです。この手法は、当時国連事務総長であったコフィ・アナン氏とジェフリー・サックス地球研究所長の指導のもと、国連ミレニアムプロジェクトにおいて提唱され、現在は国連開発計画(UNDP)により実施されています。今回の報告書は、このニーズ・アセスメント手法による状況分析を基礎としてジェンダー問題を取り扱ったはじめてのMCI研究報告書です。これまでもMDGsの教育分野においては、ケニアのキムス、ナイジェリアのカドゥナ、エチオピアのマケレの3地域でこのニーズ・アセスメント手法を用い、詳細に状況の評価報告を行ってきました。
現在、サハラ以南のアフリカに位置する中規模都市では、様々な社会セクターが協力してMDGs達成のための試みが行われています。そのような中で、これらの報告書および今後発行される研究報告書が、その地域での成果や課題を研究している研究者の方々の一助となればと思います。
今回の研究のほかにも、MCIでは、公衆衛生、教育、上下水道設備といった分野でMDGニーズ・アセスメントを実行し、ミレニアム・シティの関係者に対して開発最優先課題の決定や、その実現に向けた統合都市開発戦略策定に関する指針を示しています。また、MCIソーシャル・セクター研究報告書シリーズは、現地調査や入念な政策分析および提言を通して、MDGs達成のために重要な上記分野の課題と機会について被援助国・援助国政府に向けて概説することも目的としています。今後も引き続きMCIニーズ・アセスメントに関する報告書シリーズを数週間、数ヵ月の間に発行していく予定です。
なお、投資に関するMCI研究報告書シリーズにつきましては、別途、MCIウェブサイトhttp://www.earth.columbia.edu/mciからご覧いただけます。
その他、ご質問などがありましたら、下記担当者までご連絡下さい。
Dr. Mounie Maoulidi(MCIソーシャル・セクター・リサーチ・マネージャー):mm973@columbia.edu
Susan M. Blaustein(編集長):sblaustein@ei.columbia.edu
Paul Cunha(編集主任):pmc2105@columbia.edu

Dr. Susan M. Blaustein
コロンビア大学
ミレニアム・シティ・イニシアチブ(MCI)共同ディレクター
(翻訳 栗山浩延)