マラウィのビレッジより 最新の活動レポートが届きました!(第4回)

Gumulira(グムリラ)にてインターンを行っている山本光恵さんからのレポート第2弾をご紹介いたします。


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Existing means of communication within Gumulira village
グムリラ村におけるコミュニケーション(情報伝達)方法について

グムリラ村に比較的安定した携帯電話の電波が導入されてから1年と3ヶ月。村での世帯携帯電話普及率はほぼ0%から70%に増加した。村の主要地4箇所に、アフリカの大手電話会社「Zain」のショッキングピンクのキヨスクが設置され、村での小規模ビジネスの拠点として利用されている。

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【写真:Zain社のキヨスク】

電気のないグムリラ村で太陽光発電で携帯を一度につき約13円で充電をするだけでなく、通話時間を購入できるようにエアータイムの販売、また電話をもっていない人のために公衆電話も置かれている。
しかし農業による自給自足の生活を営む村人にとって、電話代はとても高価なもので、約1分間の会話をするには160クワチャ〈約100円〉も掛かってしまう。160クワチャがお米1kg、大きなトマト10個、コカコーラ3本、卵5-6個に相当する事を考慮すると、たとえ携帯電話本体が普及しても、村人の日々のコミュニケーションツールとして利用されるには時間がかかりそうだ。
村でのコミュニケーションは、現在も昔ながらの方法で成り立っている。テレビ、インターネットや地域ラジオ、村全体に響く放送システムがないグムリラ村で、どのようにコミュニケーションシステムを改善できるのだろうか?この課題に取り組むにあたって、まずは現存しているツールを調べてみることにした。

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【写真:ンタンガ村の村長とアシスタントに村のコミュニケーションについてインタビューを行っている様子】

連絡係が個別訪問するか村中を叫んで回る
グムリラクラスターに存在する13の村それぞれには、村長より「連絡係」に任命された村人がいる。彼らは村の中でも重要な人物(例えば村長のアシスタント、退役政府関係者,富者)を個別に訪問して、ニュースを伝える。本人が不在時には、手紙かメモを残す。その他の一般の村人に対しては、この連絡係が村中を大声で連絡すべき内容を叫びながら歩き回る。グムリラではこの方法が主流だそうだ。日本でいう「火の用心」の夜回りに似ているかもしれない。

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【写真:「連絡係」の一人アベルさん。緊急の場合には自転車で村中を回る。】

掲示板または木に張り出す
告知・広告の書類がある場合には、各村の中心地または重要地点に立つ木の幹に、釘で打ちつけ、掲示する。屋根や雨対策になるようなものが一切無いため、雨が降った場合には、掲示物が濡れてしまう。日本やアメリカではどこにでもある用紙やノートはグムリラ村の住民にとって高価なもので、皆が常に所持できるものでは決してない。日本の町内会回覧板のようなコミュニケーションの方法を導入するには、資源として紙をどのように入手するかを考慮しなければいけない。また村の成人(特に中・高年者)の多くは読み書きができないから、識字クラスが広く導入されるまでは、掲示板だけでのコミュニケーションは不十分になってしまう。イラストを中心とした掲示物を増やしていく必要性がある。

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【写真:掲示板として現在使用されている木】

笛を吹く
村人の臨終を伝える場合には笛が使われる。サッカーの審判等に使用される笛と同様のものだが、通夜・葬式の知らせは長い警笛、サッカーやネットボール等のスポーツの試合がある際には短い警笛で村人に情報を伝える。ある時には各村の中心地から、またある時には村中を歩き回って笛を吹く。
車輪の鉄枠を鳴らす 
教会の礼拝などや非常時には、車輪の鉄枠を使用する。教会の礼拝開始を伝える際にはゆっくりしたリズムで2回づつ、非常事態を知らせるには速いテンポで連続して鉄枠を鳴すそうだ。

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【写真左から:非常時に使用されている鉄枠、教会】

インフォメーションテクノロジーに頼らないグムリラ村で、コミュニケーションを改善するにはどうすればいいのか?
現地のボランティアチームと話しあった結果、まずは掲示板そのものの改善(木の幹のみから、雨対策を考慮した掲示板にする)と村の主要人物と地方政府や各分野(病院・学校等)の重要人物を繋ぐ連絡網のような表(兼・電話帳)の作成に取り掛かることになった。今後の活動が楽しみである。

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【写真:政府組織が運営する図書館の掲示板(参考)。
雨避けを追加してコミュニティーセンターと村の中心地に同様な掲示板を置く計画】