SPJでは8月9日から11月8日まで「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への食糧・リカバリー物資配布事業」を実施中です。
こんにちは。現地駐在員の濱田と飯田です。
前回事業の「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への緊急物資配布事業」(5月17日から7月22日まで実施)に引き続き、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成の下、「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への食糧・リカバリー物資配布事業」を実施しています。
今回の事業では、マラウイ南部を襲ったサイクロンで被災度が大きくまだ十分に支援が行き届いていないゾンバ県内のT/A (地区)MwamboとT/A Nkapitaの2地区を対象に洪水被災者に食料・支援物資を配布します。具体的にはT/A Mwambo の550世帯に対してターポリン(サイクロンで半倒壊した家屋の補修材)と毛布を配布すると共に、T/A Nkapita の1,000世帯(配布世帯数を増やす方向で検討中)に対しては、メイズ及び米、豆(約1カ月分)を配布します。
もう既にT/A MwamboとT/A Nkapitaの関係者への事業概要説明(8月27日から9月2日まで実施)が終わり、9月4日から9月12日にかけてT/A MwamboとT/A Nkapitaの各GVH(群)で裨益者選定会議を開催しました。裨益者選定会議では、各GVHの村長と住民を集めた全体会議を開催し事業概要を説明した後に、村ごとに分かれて村会議を開催してもらい、食糧・支援物資の配布対象となる候補者リストを村ごとに作成してもらいました。各村から回収しました候補者リストを基に、こちらで候補者の中から裨益者を選定します。
また、T/A MwamboとT/A Nkapitaはサイクロンで大きな被害を受けたため、国際機関のWorld Food ProgrammeやMalawi Red Crossなどから既に食糧・支援物資が配布されています。そこで、現在、各村から回収しました候補者リストの中にWorld Food ProgrammeやMalawi Red Crossから食糧・支援物資が配布された裨益者が含まれていないかどうか確認しているところです(既に食料・支援物資が配布された裨益者については、今回の事業の裨益者から除外)。
現在、T/A MwamboとT/A Nkapitaの洪水被災者への食糧・支援物資の配布に向けて裨益者リストを急ピッチで作成しています。しかし、マラウイ人の名前は私たち日本人には馴染みのないものが多く、例えば名前の最初のスペルがNやMで始まったり(Nhkomaなど)、人によって名前の表記が違ったりして、裨益者リストを作るのに苦労しています。特に、各村から回収しました候補者リストの中からWorld Food ProgrammeやMalawi Red Crossからこれまでに食糧・支援物資が配布された裨益者を除外する作業と、実際に裨益者を一人ずつ裨益者リストに記入する作業に時間がかかっていますが、活動スケジュールに沿って期限までに裨益者リストを仕上げる予定です。
今回は2期目の事業ということもあり、仕事の傍ら、これまでにマラウイで見聞きしている不思議な事や疑問点を、事業が終わるまでに自分なりに解決できるように努めています。一例を挙げると、ゾンバ県で裨益者選定会議を開催した時に、貧しい村では有り得ないほど立派なイスラム教のモスク(礼拝所)が建設されていました。そのモスクを詳しく調べてみたところ、中東のカタールからの援助によってモスクが建設されたことが分かりました。マラウイではキリスト教の信者数が最も多いようですが、イスラム教などの他宗教も見受けられます。イスラム圏の中東諸国の潤沢なオイルマネーがイスラム教を維持・拡大するために、このような形で途上国に入流していることに驚きます。
今後も裨益者の選定作業を進める共に、支援物資の一つであるターポリンの活用方法について知らせるため、ターポリンを配布する550世帯を対象としたワークショップを開催します。食料・支援物資の裨益者への配布に向けて一層の努力をしようと思います。