○求められる企業の協力
ポトゥーのプロジェクトチームがセネガル人で構成されていたように、ここボンサソもガーナ人のチームです。ただし、ここにはフランス人の助っ人がいます。彼はイギリスの製薬会社グラクソスミスクラインから半年交代で派遣されていて、保健セクターでのデータ収集などをサポートしています。
また、前回のレポートで7か所の診療所の検査を一手に引き受ける中央検査室をご紹介しましたが、このほかに遠隔診断センターも設置しています。各診療所では手に負えない診断について集中して相談を受け付け、少ないリソースを効率的に活用しようとするものですが、これもスイスの製薬会社ノバルティスの財政的サポートのもと運営しているといいます。
あたらしい方法の効果を実証するにも、そのためのリソースが足りません。そこで、こうした企業の協力が求められているのです。
○あらたに起こる課題とあたらしい解決策
プロジェクトの現場は生きています。ですから、状況はどんどん変わっていくのです。たとえば、学校では生徒の数がどんどん増えていくので教室や先生の数が足りなくなります。
日本でも1980年代には「40人学級」問題というのがありましたが、それと同じような状況です。いまはひとつのクラスに50人、60人、70人というところがあるといいます。
このミレニアムビレッジにはICTセンターがあります。リテラシーをつけ、ICTのインフラがあれば、さまざまな情報にアクセスすることができる時代です。これはもう世界中の図書館に行けるようなもので、教育を受けたい、もっと勉強したいという気持ちにこたえるあたらしい解決策にもなりえます。
私自身、遠隔教育でジェフリー・サックス教授の「持続可能な開発の時代(The Age of Sustainable Development)」(https://www.coursera.org/course/susdev)の授業を楽しみながら受けています。
せっかくの技術、私たちすべての幸せのために活用していきたいですね。