6月30日付の日刊工業新聞「アフリカと向き合う」No.18にミレニアム・プロミス・ジャパンが紹介されました!
▽ミレニアム・プロミス・ジャパン「ミレニアム・ビレッジ支援」
貧困削減、教育、保健医療など8つの目標を設定した国連のミレニアム開発目標(MDGs)。達成期限は2015年、今年はその折り返し地点。この目標達成に向けて、米国のミレニアム・プロミス(本部ニューヨーク)と連携し、アフリカのミレニアム・ビレッジ・プロジェクト支援事業に乗り出したのが特定非営利活動法人(NPO)「ミレニアム・プロミス・ジャパン」(略称MPJ、東京都千代田区、03・5288・8255)。
立ち上げたのは、母体であるミレニアム・プロミスの共同創設者であるコロンビア大地球研究所長のジェフリー・サックス教授と親交のある北岡伸一MPJ会長(東大教授)と鈴木りえこMPJ理事長の夫妻。サックス教授は、国連事務総長特別顧問としてMDGs策定にかかわり、ミレニアム・プロミス設立の年当時、国連次席大使を務めていた北岡会長にミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの支援を依頼。北岡会長がつないで、日本政府が5年にわたり億円の資金提供を約束。これによりプロジェクトは、当初の2カ国からカ国に対象を拡大して動きだした。
『パワー・カップル』(最強の夫婦)。5月の第4回アフリカ開発会議の直前に開催したMPJ設立の記者会見・レセプションに駆けつけたサックス教授はこう夫妻を称え、「日本のコミットメントがあってこそ、アフリカの貧困問題に終止符が打てる」と、MPJのリーダーシップ発揮に期待を寄せた。
ミレニアム・プロジェクトとは、MDGsの主要目標の一つである貧困削減を目指し、1日1未満で暮らす世界で最も貧しい地域であるサハラ以南のエチオピア、ガーナ、ケニア、マラウイ、マリ、ナイジェリアなどカ国の約の村に対し5年という限定つきで、①農業②基本的な健康③教育④電力・輸送・通信⑤安全な飲料水と衛生設備の5つの側面から包括的な援助を行う。
「若い人たちに参加してもらい、グローバルな公共精神に目覚めてもらいたい」(北岡伸一会長)、「アフリカと日本の草の根交流というと気が遠くなるが、始めなければ結果は出ない」(鈴木りえこ理事長)として、MJPが力を入れる活動が、学生を中心とした若者の交流事業。具体的にミレニアム・ビレッジへの日本人の派遣、日本とアフリカ間の学生会議を計画している。
研究会やシンポジウムも定期的に行う。7月にはモザンビーク大使を講師に研究会、月にはサックス教授をはじめ、世界銀行、企業を招聘(しょうへい)してアフリカの投資に関するシンポジウムを予定。また住民の経済的自立支援のためのマイクロクレジットの提供、ミレニアム・ビレッジの産物を日本国内で販売することも計画している。すでにウガンダの「バナナ粉」やエチオピアの「はちみつ」など相談が舞い込む。
【一口メモ】MPJの活動を支えるのがボランティアスタッフ、会員の年会費や寄付。現在、法人会員は三菱商事、住友商事、キッコーマン、ゼネラルエンジニアリング、サントリーの5社。パソコンやデジカメの物品提供でソニーが協力。三井物産、トヨタ自動車が協賛金、双日が寄付を行っている。個人会員はまだ数人程度で、活動資金が十分ではないのが現状。一方、米国のミレニアム・プロミスは一晩のパーティーで2億5千万円の寄付金が集まるという。文化の差を肌で感じながらも、サックス教授に負けない情熱で、鈴木りえこ理事長はアフリカ支援の輪を広げるため走り回っている。