2020年11月12日付、オンライン会議で再開された 世界保健機関(WHO)の第73回世界保健総会(WHA)にて、顧みられない熱帯病(NTDs)制圧対策の新たなロードマップ(2021-2030)が正式に発表されました。これは2012年に発布されたNTDs Road Map (2012-2020)の後継版になるもので、今後10年間のNTDs対策の道筋を示しています。
新ロードマップ「Ending the neglect to attain the Sustainable Development Goals: A road map for neglected tropical diseases 2021-2030」 は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標3 「全ての人に健康と福祉を」の達成に向けて、SDGsを実現するための17のゴール全てを対象に、分野横断的な方法を使い、世界各国や関係団体は、どのようにNTDs対策に取り組むべきかを示しています。
新ロードマップには3つの特徴があります。
1.NTDs対策のオーナーシップはNTDs蔓延国にあること。
2.疾患毎の対策から複数のNTDs疾患を合わせて保健分野に限らず他の分野との連携プログラム対策にあること。
3.NTDs対策活動の評価方法は人々やコミュニティに実際に与えるインパクトで評価すること。
SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)は、2018年11月より国内外にて、NTDs制圧のためのアドボカシー活動に取り組んでいます。新たなNTDsロードマップの発表を受け、今後も引き続き、日本政府への働きかけ、民間企業、社会人や学生の方々へのアドボカシー活動に取り組んで参ります。
注記:顧みられない熱帯病 (NTDs: Neglected Tropical Diseases)とは、熱帯地域の貧困層を中心に蔓延している寄生虫、細菌感染症 (WHOは20の疾患群を定めています)のことで、世界中で10億人以上が顧みられない熱帯病で苦しんでいます。