ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの全体会議と新ミレニアム・ビレッジ視察のご報告

7月25日よりタンザニア連合共和国の首都ダルエスサラムで開催されたミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの全体会議に、MPJ理事長・鈴木りえこが参加してまいりました。
7月25~26日の前半2日間にわたり教育と保健・衛生のワークショップ、27~28日の後半2日間は全体会議が開催され、ニューヨークやアフリカ諸国から200名以上が参加して、地元のニュースなどでも紹介されました。
全体会議では、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの開始から5年を経て、コロンビア大学地球研究所の研究者たちより信頼度の高いデータ分析が発表され、地元のプロジェクトチームからこれまでの活動を報告するDVD等が紹介されるなど、年々プロジェクトの成果が明らかになっていることを実感いたしました。地球研究所のデータ分析は、近々、アメリカの一流紙で発表されることになっています。
ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト全体としては、5年の第1フェーズを終了後、第2フェーズに移行するにあたり、2015年のミレニアム開発目標(MDGs)達成期限に向けて、以下の2点に焦点を当てることになりました。
(1) 全ミレニアム・ビレッジにおけるMDGs達成を目指す。
(2) 教育と保健・衛生の2部門に力を入れる。

ダルエスサラムでは、駐タンザニア日本大使館を表敬訪問し、中川坦大使公邸でディナーにご招待いただき、タンザニアの政治・経済状況など貴重なお話しを賜りました。また、前駐日大使のムタンゴ氏のご自宅へも伺い、ご夫妻に最近のご活動、タンザニア情勢についてお話を聞かせていただきました。そのほか、JICAタンザニア事務所の勝田幸秀所長、パナソニック エナジー タンザニアの佐古佳幸社長にもお時間を割いていただき、様々な角度からお話しを伺いました。皆さま、お忙しいところ、本当にありがとうございました!

さらに、タンザニア連合共和国の自治区であるザンジバル諸島の一島・ペンバ島には、KPMG支援の新ミレニアム・ビレッジが7月より開設されたばかりで、鈴木が会議後に視察してまいりました。
ペンバ島へは、ダルエスサラムから6人乗りのセスナ機でウングジャ島ザンジバルを経由してたどり着きました。ウングジャ島ザンジバルは世界遺産の街で観光客が多いのですが、ペンバ島はひっそりとしていました。島の最北端にはダイビングの名所があり、ハネムーンにも最適な高級ホテルはあるそうですが、概して一日一ドル未満で暮らす人々の多い貧しい地域です。ミレニアム・ビレッジができたMicheweni地域(北部)は貧困層が多い島内で最も貧しく、イスラム教の規律が厳しい地域だそうです。
ラマダン(断食月)の初日でもあり特に神聖さが要求され、私はビレッジ担当者からショールを渡されてそれを被るようにアドバイスを受けました。そして、先ずは地域を統括する地方政府の長へ挨拶にでかけ、この地域へ入る許可を受けました。

地域全体としては、新しいことを受け入れることが容易ではないため、プロジェクトも地元の人々に信頼されているコミュニティーリーダーたちとの会合を重ねて、彼らとともに徐々に今後の活動を展開することになっているそうです。
私は、コミュニティ・リーダーやファシリテータと面会し、地元のクリニック(医者はいない)や井戸、海藻を輸出する事業現場を訪ねました。クリニックでは、以下の3つの病気が多いことが報告されました。
①呼吸器系の疾患 ②下痢 ③目の病気
子供たちは外国人を見つけてたくさん集まってきました。彼らの中には栄養失調で水がたまりお腹が膨らんだ子が目立ち、村の貧しい状況がよくわかりました。村には水道は広場にひとつだけありましたが十分ではなく、村の女性たちは深い井戸に容器を投げ入れて水汲みしていました。ショールを被るだけでも暑く、ラマダンで断食中の中、肉体労働をしている女性たちの体力がとても気になりました。
今後、この村がどのように発展していくのか、注目していきたいと思います。