ケニア大使による第22回東大GLS講座スピーチのご紹介です。

昨年12月4日に行われた第22回GLS講座 国際協力機構(JICA)理事長 田中明彦氏講演会にてケニア大使が行ったスピーチをご紹介いたします。(ケニア大使館HPより)

AMBASSADOR CALLS FOR MORE JAPANESE PRIVATE SECTOR INVOLVMENT IN AFRICA’S DEVELOPMENT ENDEAVOURS(ケニア大使館HPより)
まず初めに、東京大学法学部のGlobal Leadership Studies (GLS)連続公開セミナー第22回目となる本日の講演にお招き頂いたMillenium Promise Japan (MPJ)に感謝の意を示したく思います。アフリカ外交団を代表して、この様な場で発表させて頂けることを非常に光栄に思います。
また、21世紀の世界システムと日本の国際協力に関する慧眼な講義をしてくださったJICA理事長の田中教授にも、感謝いたします。参加者の多くの方が、私と同様に感銘を受けたはずです。田中教授の、学術分野から国際協力、開発といった実務分野への素晴らしい転身は、間違いなく多くの若者の心や同じ道を目指す人々にとって刺激となっています。

JICAのアフリカ成長促進における役割は、本当に欠かせないものです。アフリカ諸国にとって、JICAは開発のための主要なパートナーとなってきました。各国の持続的成長の為に適切な協力を支援するプロジェクトを通じ、この機関はアフリカのオーナーシップ推進の最前線で活躍してきたのです。
こうした努力は、アフリカ主導の開発イニシアティブや国際協力を唱導するTICADプロセスにより補われています。活気あるアフリカを育てる目的の基、今年TICAD VはYokohama Action Plan(YAP)を導入しました。これは、経済成長の促進、あらゆる面における人間の安全保障、気候変動を含める環境問題への取り組みという3つのアフリカ開発の重要事項に焦点を当てています。

経済成長の促進という面では、議会は民間部門の経済成長・貿易・投資をアフリカ成長の原動力と特定しました。日本政府は、資金面や教育を通じてアフリカの民間投資へ更なる援助を提供することを公約として進めています。それに応じて昨年の8月、経済産業大臣は政府高官及び企業幹部からなる投資・貿易団を連れ、アフリカ、特にケニアやタンザニアといった地域にTCAD Vのフォローアップの為に訪れました。
そこでは改善された政治統治、外国の投資を促進させる経済革新、機能機関の発達、人材開発、そして地域統合の強化といった領域で、経済成長を加速させるというアフリカ諸国の公約がしっかりと守られています。将来アフリカが魅力的な投資機会を持つ世界の成長極になろうとしているという事は、不思議な事ではありません。私たちは、日本の多くの企業がこの投資機会をつかみ、ゲームチェンジャーの一員となることを願っています。
諸地域における重要な改革により、ケニアは東アフリカの中で好適な投資先となりました。ケニアはさらに、2030年までに国際競争力を持ち、豊かで生活水準の高い国になるという青写真を2030年の目標として掲げています。これにより、特にインフラ及びエネルギー開発、農業の産業化、観光業、製造業といった優先的な分野でいくつものベンチマークが設置されています。この発展は、世界中の投資家に無数の投資機会を与えます。これはケニアが、合計市場人口が4億人以上にのぼるEACやCOMESAの一員になったことにより、更に補完されています。

私はまたMillennium Village Project (MVP)のもと行われた、アフリカにおける地域開発プロジェクト支援といったMillennium Promise Japan (MPJ)の素晴らしい業績を評価したいと思います。貧困撲滅の促進、生活水準、教育水準、男女平等の改善への仲介は、特定地域の低所得者コミュニティにおける持続的な経済成長を非常に促進しています。
2004年8月にケニアのサウリとデルツで始まったMillennium Villageイニシアティブは、その地域における食用及び近隣市場向けの作物生産量改善という観点で注目すべき実績を上げています。
MPJイニシアティブは、SHEPとしてよく知られる小規模園芸農民組織強化プロジェクトといったJICAのプロジェクトに似ています。このプロジェクトは、市場志向農業の取入れを目指し、農民組織に技術的支援をする為にケニアのリフトバレー地域で2006年に導入されました。このプロジェクトにより、各農場主の農作物による平均収入は2倍ほどになりました。国内における同様の開発を支援するため、5年間のフォローアッププログラムを通じてSHEPプロジェクトは今も強化されています。
このスピーチを終えるに当たり改めて強調したいことがあります。それは、アフリカは成長、近代化しており、アフリカは次の消費者市場であり、そしてアフリカの影響力が高まってきているということです。お互いの利益の為に、この大陸と友好関係を築くべき時はいまです。将来の日本の経済及び世界の前線における社会進出は、日本の民間セクターが競合に比べていかに早く準備できるかにかかっています。だからこそ日本の企業に、この状況下で適切な地位をとることを切に奨励したいと私たちは思っています。
それではみなさん、グラスをお持ちください。日本とアフリカ、他の発展途上世界間の輝かしい前途とより強い絆に、乾杯。

【左から、ミレニアム・プロミス・ジャパン会長北岡伸一氏。 国際協力機構(JICA)理事長田中明彦氏。 駐日ケニア共和国特命全権大使 ベンソン・オグトゥ氏。 ミレニアム・プロミス・ジャパン理事長の鈴木りえこ氏。

【左から、ミレニアム・プロミス・ジャパン会長北岡伸一氏。
国際協力機構(JICA)理事長田中明彦氏。
駐日ケニア共和国特命全権大使 ベンソン・オグトゥ氏。
ミレニアム・プロミス・ジャパン理事長の鈴木りえこ氏。

【翻訳ボランティア】伊藤 啓二
【URL】http://kenyarep-jp.com/news/13/131206_e.htmlの下部Click for H.E. the Ambassador’s speech…..内原稿より。