MPJでは、去る5月8日(木)、発展とともに生まれる大きな課題「廃棄物管理」をテーマに、第25回MPJ研究会を行いました。講師には、JICA青年海外協力隊として、2014年1月よりネパール・カトマンズ市役所環境課に赴任し、カトマンズ市内の廃棄物管理について活動をされている松田協子氏をお迎えし、アジア最貧国と言われるネパールの今、そして、草の根レベルの国際協力の今についておはなしいただきました。
インドと中国の大国に挟まれたネパールの首都カトマンズは、大国の影響を受け発展が進んでいるため、それに伴って発生する問題への対処が急務となっています。研究会では、松田氏ご自身の経験に基づき、カトマンズの現状と課題についておはなしいただきました。エベレストの麓というイメージから、私たちはつい美しい環境や清流を思い浮かべがちですが、実態は大きく異なり、急激な発展に伴った廃棄物の増大に処理能力が追い付いておらず、生活排水やゴミが川に垂れ流され、周辺国から流れ込む環境性能の低い中古車が大気汚染を深刻化させているのが現状だそうです。ゴミやゴミ捨てに対する概念の日本との違いには、ネパールの生活習慣やカースト文化が背景にあると指摘され、分別についての啓発や環境教育の活動についておはなしいただきました。後半の質疑応答では、会場からネパールや廃棄物処理について詳しい方々も議論に参加し、活発なディスカッションが繰り広げられました。
第25回MPJ研究会報告書はこちら第25回研究会レポート