研修レポート ~ソーシャルビジネス先進国から~2

外務省「NGO海外スタディ・プログラム」での研修のため新年早々からアメリカに赴いているスタッフの赤坂から、2回目のレポートが届きました。

******

社会企業大会外務省スタディ・プログラムの研修生としてアメリカに派遣して頂き2ヶ月近く経ちました。今月はソーシャルビジネスの知見を深めるためにボストンに行って参りました。社会起業家の世界大会であるHarvard Social Enterprise Conferenceへの参加とTeach for Americaなどの社会起業の先進事例を視察するという、スタディーツアーに参加しました。

雪のハーバード大学ボストン滞在期間はあいにくの史上最多の大雪に見舞われました(右写真:会場のハーバード大学キャンパス)。大変残念ながら2日間の予定であったカンファレンスは開催予定日に全交通機関がシャットダウンされ1日に短縮されてしまいました。大雪の日にボストン中の交通機関を閉鎖し、除雪に集中、翌日にできるだけ響かない様にするという大胆かつ効率的なボストン市の方針に驚きました。他の視察日も電車が遅れるなど、大変な状況で、日本から参加されている方々は帰国のフライトがキャンセルとなりました。あいにくの大雪に大変残念な思いをしましたが、このような状況を振り返ると、お目当てのカンファレンスが1日でも開催されたのは幸運だったのかなと思います。

ドレイトン氏講演さて、カンファレンスでは、社会起業の父といわれるアショカ設立者ビル・ドレイトン氏などなかなか日本ではお目にかかれない著名なスピーカーが登壇さとても刺激的な1日となりました(右写真)。また、講演に加え、視察先でも共通して耳にしたのが、theory of change と言われる、「団体の目的、長期ゴールを明示し、その活動を行う事により定量的にどのように社会変革をもたらすのか」というセオリーを明確に持つ事をどの団体も大事にしていました。それが、従業員から投資家、寄付者など全てのステークホルダーからの共感、資本を集める原点になっているということを感じました。このように、ロジカルに団体の活動を説明する一方、著名な話者も共通して、倫理的な心の持ち方の大切さなど、原理原則に沿った事を話していたのが印象的でした。

ワークショップの様子1日に集約されたので全てのコースに参加できませんでしたが、他の会議をビデオ収録してくれましたので少しずつ見て行こうと思っています(下写真はワークショップの様子)。なかなか情報量が多くまだ消化しきれていませんが、今回の短期の会議、視察への参加にとどまらず、長期的に調べていきたいテーマを頂くきっかけになったと思っています。

大雪のボストンからなんとかシカゴに戻りましたが、シカゴは度々の大寒波で滞在中2度目となるマイナス20度を経験しました。なかなか寒さから逃れる事ができないものの、シカゴに戻って早々に、実務研修先のフェアトレード会社のマーケティングチームの同僚が歓迎会として高層ビルのレストランに連れて行ってくれ、あたたかい人たちに恵まれながら研修させて頂いております。