7月から着手しているマラウイ洪水被災者支援活動は、9月4日に食糧贈呈式を、翌5日に1370世帯への食糧配布を無事に終えることができました。物資調達から被災者への食糧配布までをご報告いたします。
食糧支援を行うゾンバ県北西部のクントゥマンジ(Kuntumanji)地域での事前調査を終え、私たちは県議会議員のTambalaさんにまず1000世帯分の配布者リストをいただいて一旦首都リロングウェに戻り、配布物資の調達に取り掛かりました。配布する食糧は1世帯1か月あたり、メイズ(マラウイの主食の白トウモロコシ)50kg、豆10kg、スーパーシリアル(子ども用の栄養食)6kg、ベジタブルオイル1.5リットルです。1000世帯分のメイズ50t、豆10t、スーパーシリアル(子供の栄養食)6t、ベジタブルオイル1500リットルそれぞれの見積もりを4社に依頼、各社から見積もりを検討し、メイズと豆はミレニアム・ビレッジMwandamaから、スーパーシリアルはRab Processors様(食料品や農業用品を扱うマラウイ財閥企業)から、ベジタブルオイルはOVOP様(一村一品運動)から買い付けることになりました。見積もりから予算内で、当初の予定の1370世帯分を何とか配給できることを確認し、改めて370世帯分のリストをいただきました。
発注先の皆様には、今回の食糧支援活動にご参加いただいたことで大きな意味と成果があったと伺いました。ミレニアム・ビレッジは、今まで支援を受けていた側の人々が、同じゾンバ県で起きた洪水災害被災者の支援に関われたこと。スーパーシリアルの発注先Rab Processors様は、MPJの活動に賛同し、共に活動したいという希望があったこと(現会長のJakhuraさんはマラウイ国内で多様な支援活動を行っているGift of The Givers南アフリカNGOマラウイ支部の代表)。ベジタブルオイルは、現在日本の支援で行われているOVOPのオイル生産グループから、現在できる限りのオイルを生産・供給し、その運送にはJapan Auto Limited(軽トラをはじめ日本の中古車を販売する日本企業)様にご協力いただき、All Japan体制で取り組むことができたということなど、この支援活動に対してそれぞれの熱い想いを詰め込んだフードバスケット(食糧支援物資)ができあがりました。
配布の日程が決まり、在マラウイ日本大使館はじめ、関係各所に贈呈式のご案内をさせていただきました。災害対策局(DoDMA)局長(Director)のMs.Scholastica Chidyaongaには、現在の被災地の状況や今回の活動においてマラウイ側にも多大な協力をいただていることをご報告したところ、ぜひ列席したいと言っていただきました。
その後再びゾンバ県に入り、物資調達の最終調整や贈呈式の準備など行いました。式典直前まで物資の調達・配送・式典セッティングなどいろいろと大変でしたが、日本とマラウイ全スタッフが総力をあげ、何とか無事式典当日を迎えることができました。
9月4日(金)の贈呈式には、在マラウイ日本大使西岡閣下をはじめ、災害対策局局長Ms.Scholastica Chidyaonga、ゾンバ県、ミレニアム・ビレッジ、OVOP、Gift of The Giversの皆様からご列席を賜り、来賓の皆様の心温まるスピーチやクントゥマンジ地区の皆様の喜びのダンス&劇、西岡大使による食糧支援物資の贈呈に加えて、チランガ小学校(Chilanga primary school、今回の配布拠点)への美智子皇后陛下の英訳された本3冊とパイロット社様からのボールペン1000本の贈呈など、とても充実した式典を執り行うことができました。翌日にはその模様がMBC TV(マラウイ国営放送)で放送され、新聞&ラジオ各社も支援の様子を報道し、マラウイの皆様に日本の活動や日本のマラウイへの想いを知っていただく良い機会となりました。
私たちは、マラウイ政府、ゾンバ県と協調しながら、日本の顔の見える支援を最も必要とする方々の元へ届けたいと願って活動を行いました。そして、この想いは私たちだけのものではなく、この活動に関わっていただいた日本とマラウイ双方の皆様の共通の想いとなりました。短い期間ではありましたが、強い信頼関係を築き、自分たちのできることをお互いに協力しながら行えたことは、今後の日本とマラウイの関係つくりにおいてとても意味があったのではないかと感じました。
食料の配布後、マラウイの人々から台風18号での洪水被害を受けた日本の皆様へ「私たちもとても心配しています。日本の皆様に早く平穏な日が訪れますように。」というメッセージを受け取りました。このような関係が継続していけるよう、活動を続けていきたいと思っています。