タンザニアのミレニアム・ビレッジ(Mbola)訪問
ミレニアム・プロミス・ジャパン会長・北岡伸一と理事長・鈴木りえこは、2月8日タンザニアのアリューシャにある蚊帳工場AtoZ(住友化学と地元企業との合弁会社)の第二工場開所式に参列しました。式典には世界中から関係者が集まり、南アフリカからもユニセフ親善大使のイボンヌ・チャカチャカ氏が参加して挨拶と魅力的な歌声を披露しました。
この工場では3,200人の雇用を生み出し、その製品Olyset(繊維に殺虫剤を染み込ませた特殊な蚊帳)は長年マラリアに悩まされてきたアフリカの人々とりわけ母親と小さな子供に安全な睡眠をもたらせてくれます。調査によるとマラリアを感染させるハマダラ蚊の活動は夜11時~夜明け頃までなのだそうです。
工場は最新式設備を整え、非常に清潔で、溌剌と働く女性たちの姿が目立ちました。ちなみにこの工場には2月の半ばに、アメリカのブッシュ大統領も視察に出かけています。
二人は、工場視察のあと、キリマンジャロから首都ダルエスサラムへ移動し、そこでタンザニアのミレニアム・ビレッジを統括するUNDPのジョージと合流。翌朝小さなプロペラ機で1時間あまりのTaboraへ向かいました。Taboraでは、ジョーソンをはじめとするUNDPスタッフ一向に迎えられ、Mbolaを中心にいくつかのミレニアム・ビレッジを訪れました。
生憎週末でしたが、スタッフ数名と一緒に学校やクリニック、建設途中の産婦人科クリニック、蜂蜜工場、井戸などを見て周り、わざわざ集まってきてくれた村人たちに様々な質問をすることができました。一日一ドル以下の生活を強いられている村人の表情は不思議と明るく、二人を新たなエネルギーを与えてくれるようでした。彼らの家の中には、蚊帳とベッド以外に家具らしい物もありません。水道も電気もなく、台所(と言っても土を盛り上げただけのもの)では薪を炊いています。このプロジェクトの指導を受けるようになってから、薪は一日5本しか使わなくなったこと、ひまわりを育ててサンフラワーオイルを利用するようになったこと、穀物の収穫が倍増したこと、以前は濁った湧き水を汲んでいたのにきれいな井戸水が使えるようになったこと、などを話してくれました。
彼らが困っているのは、学校に設備がなく、先生たちが赴任してもすぐに退職してしまうことだそうです。Taboraの街には電気がありますが、Mbolaにはなく、子供たちは暗くなると勉強をすることができないのも悩みです。最近の彼らの小さな贅沢は、ラジオを聴きながら農作業をできるようになったことです。とは言っても、近くの町まで車で30分近くかかります。村にはロバがひく荷車はあっても車はありません。電池がなくなると気軽に買い物に行くこともできないのです。
ここで、私たちにできることは何か?と考えました。たとえば、井戸を作ること(費用は40M掘って約100万円)、日本企業と連携して太陽光発電パネルを供給すること、ボランティアの先生を派遣することなどが、できるかもしれません。
二人はMbolaの村人に熱烈歓迎を受けて、植林をしました。村の産物である蜂蜜とジャムもプレゼントされました。その美味しかったこと!
また、遠くない将来、大きくなった木を確認し、蜂蜜を味わいに出かけたいと思っています。 (鈴木りえこ)