プレスリリース(マドンナさんとConnect To Learnプロジェクト)

マドンナさんとサックス教授.jpg 4月6日付でミレニアム・プロミス(ニューヨーク)が発表したプレスリリースの内容を急きょ全訳いたしました。4月5日以来、マドンナさんのミレニアム・ビレッジ訪問(マラウィのグムリラ村)と、”Connect To Learn”の開始に関するニュースレターの翻訳を当ホームページ上に掲載しています。このプレスリリースは、今後ミレニアム・プロミスが力を入れるべき新プロジェクトとして、発展途上国の子女に対する教育支援へのイニシアティブ”Conect To Learn”に関する概要をまとめています。

【写真】マドンナさんとサックス教授(ミレニアム・プロミス提供)
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マドンナさん、コロンビア大学地球研究所、エリクソン社、ミレニアム・プロミスの4者が共同で発展途上国に対する教育支援への取り組みを開始


~アフリカ、アジア及び中南米における女子の初等・中等教育普及と奨学金支給に向け、寄附を呼びかけ~
☆マラウイのリロングウェにて、2010年4月6日
 米歌手マドンナさんが、コロンビア大学地球研究所、エリクソン社、ミレニアム・プロミスと共に新しい教育支援の取り組みについて発表を行いました。この取り組みは世界中の子供たちに、初等・中等教育の普及を支援しようとしているもので、特に女子の中等教育に焦点をあてています。“コネクト・トゥ・ラーン(Connect to learn)”と名付けられたこの取り組みは、特に女子を対象にして中等教育の奨学金を支給するとともに、学校内での情報通信技術(ICT)の導入によって、教育の質の改善と普及を目指します。
 今回のパートナーシップは、現在の世界的な教育環境危機を改善し、そして、世界の人々、企業、非営利団体や政府に行動を起こしてもらおうと働きかけるものです。7000万人を超える子供たちが初等教育を受けることができておらず、何億人もの子供たちが試験に合格しても中等教育を受けることができていないのです。この子供たちの半分以上は女の子で、学校に通うために様々な障害を乗り越えなくてはならない環境にいます。さらに、運良く学校に通うことができても、教育の質が十分でないことは珍しくありません。
 「今が変化の時です。学校に通うことができない子供たちが世界に何百万人もいます。だから、この子供たちが奨学金を通して基礎教育を受けられるようにしてあげよう、テクノロジーや世界中の情報にアクセスする機会を作ってあげよう、って皆さんにお願いしているのです。」とマドンナさんは話します。
 「コネクト・トゥ・ラーン」は認知度を高め、オンライン募金や企業とのパートナーシップ、財団投資などを通じて資金調達することを考えています。その資金で中等教育への補助金を供給したり、学校同士のパートナーシップ・プログラムを拡張したり、インターネットを通じて世界中の学生たちをつなぐことが可能となります。今後数カ月のうちに、この取り組みがパートナーシップを発足させ、世界に最大の影響を与えられるよう活動を加速させていくでしょう。
 「我々がこの取り組みを始めたのは、今の若い世代が教育と技術を身につけ、21世紀の世界に暮らす住民として高い生産性を誇ることが最も重要なことだと考えているからです。」とジェフリー・サックス教授(コロンビア大学地球研究所長、国連事務総長特別顧問、ミレニアム・プロミス代表)は述べます。
 「我々は情報化時代に暮らしており、教育が成功や健康、さらには生存の鍵を握っているのです。経済的な問題あるいは学校の教育施設が不足していることによって、とても多くの子供たちが早い年齢で退学を余儀なくされています。このような状況は、特に、学業を続ける上で多くの社会的障害に直面する少女たちにあてはまります。今日、すべての若い人たちが学校教育を享受できるようにし、インターネットを通じて世界中の知識につなげることができるのですから、それによって、世界的な知識共同体の創造や、相互接続の世界で相互理解をすることもできるのです。
コネクト・トゥ・ラーンは、少年も少女も、すべての若い人たちが中等教育まで受けられるようにすることを約束します。これは貧困を終焉させ、繁栄を保証し、平和で持続可能な世界をもたらす道筋なのです。」と同教授。
 エリクソン社のハンス・ヴェストベリ社長兼CEOは、次のように述べます。「ブロードバンドは、今や世界中のどこにおいても必須なものであるばかりか、初等教育や中等教育を含めた21世紀の教育の質を高めることができます。世界中の学生たちは考えを共にし、お互いから学びあえる可能性を持っているのです。もはや教室がグローバルに、モバイルになる時なのです。というのは、議論の場や社会的ネットワークの場、カリキュラムの編成・実行の場といった世界中の多くの場所でモバイル・ネットワークが固定ネットワークを上回り始めているからです。我々の持つ最新の通信技術と企業規模を考えれば、エリクソンこそが将来の世界を形作るに最もふさわしい会社といえるでしょう。」
 また、ミレニアム・プロミスのジョン・マッカーサーCEOは次のように話します。「世界的な教育問題の解決には、企業や政府、科学技術、学会、そしてコミュニティ・リーダーシップが協力して戦略を導き出す必要があります。女子教育のメリットと必要性に特に焦点をあてることで、発展途上国における健康衛生や男女平等、経済成長の面で社会全体に大きな前進が期待できるでしょう。」
 コネクト・トゥ・ラーンが中学生への奨学金援助やICTを学校に導入することによって、サハラ以南のアフリカ10カ国、50万人に達するミレニアム・ビレッジのインフラは大きな影響を受け、世界的な教育支援プロジェクトは初期段階から成功を収めるでしょう。アフリカでプログラムを開始した後は、その他の発展途上国でも教育支援や奨学金支援を展開し、教育問題支援について世界的パートナーシップを確立するよう取り組んでいきます。
 また、ソニー・エリクソン社もオンラインアプリストア「eStore」を通じて携帯電話プラットフォームを提供し、携帯電話でインターネットを利用する世界中のユーザーに対してもこの取り組みを広げていきます。
なお、ご寄附および本件の詳細につきましては、以下のサイトをご覧ください。www.connecttolearn.org


コロンビア大学地球研究所について
コロンビア大学地球研究所は、持続可能な開発に関する実務的な課題に取り組む世界でも屈指の研究施設です。主な活動として、次世代のグローバル・リーダーを教育・養成、先進的な科学研究、より持続可能な世界を作るための解決策の導入などを行っています。詳細は、以下をご覧ください。www.earth.columbia.edu
エリクソン社について
エリクソン社は、通信会社に技術とサービス提供するトップ企業です。2G、3Gおよび4Gの移動通信技術のリーダーであり、20億人を超える加入者にネットワークサポートを提供しているほか、運用管理サービスにおいてもトップに立っています。同社は、移動通信網および固定通信網のインフラや電気通信サービス、ソフトウェア、ブロードバンド、マルチメディアソリューションを個人や企業、メディア産業向けに提供しています。また、ソニー・エリクソン社とST‐エリクソン社の2つのジョイント・ベンチャーは、高性能携帯端末を個人向けに提供しています。エリクソン社のビジョンは、革新・技術・持続可能なビジネスソリューションを通して「人々が、誰とでも何の制限もなく自由にコミュニケーションできる世界」をつくるリーダーシップを発揮すること。175カ国に展開して8万人超の従業員を擁しており、2009年は2,065億スウェーデン・クローネ(約271億ドル)の売上規模を誇っています。スウェーデンのストックホルムを本社に1876年に設立され、ストックホルムのOMX NASDAQおよびニューヨークのNASDAQに上場しています。ホームページは、www.ericsson.com
ミレニアム・プロミスについて
ミレニアム・プロミスは、2015年までにアフリカでミレニアム開発目標(MDGs)を達成するために活動しています。ミレニアム開発目標は、極度の貧困が持つ様々な要因に焦点をあて、国際的な合意によって8つの目標を掲げているものです。ミレニアム・プロミスは、貧困に陥ったコミュニティや、国・地方政府、パートナー組織と一緒になって総体的アプローチを用い、貧困のサイクルを阻止するために効果的なプログラムを実施しています。ミレニアム・プロミスは、今の世代が極度の貧困や飢餓、予防可能な疾病を撲滅する歴史上はじめての機会だと考えて活動しています。詳細は以下をご覧ください。 www.millenniumpromise.org

翻訳:栗山浩延