【開催報告】 「世界NTDの日」ウェビナー開催

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受賞作品審査一覧

2025年1月30日「世界NTDの日」に標題ウェビナーが開催されました。主催は「世界NTDの日・日本実行委員会」でSDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)も構成団体の一つとして協力させていただきました。
開催案内詳細⇒ https://sdgspromise.org/archives/16467

司会(右上)とパネルディスカッションご登壇者

「一般社団法人NTDs Youthの会」の近藤裕哉の司会で、約80名の方々がウェビナーに参加されました。当日のウェビナーの様子が、以下に公開されていますので、ぜひご覧ください。
アーカイブ配信:https://youtu.be/kIcagR9Rx1s

まず、國井修氏(GHIT Fund CEO)と高橋順一氏(厚生労働省大臣官房国際課 国際保健・協力室長)よりメッセージを頂戴しました。

國井氏からは、昨年よりフレッシュで斬新な応募作品が多かったとコメントいただきました。さらに、地球温暖化の影響で昨今NTDsは先進国でも報告されており、是非自分事と捉え行動してほしいとおっしゃっていました。また、高橋氏からはこれまでの日本のNTDsへの取組みについてご紹介いただきました。

次に、第二回顧みられない熱帯病コンテストの表彰式が行われました。昨年同様、コンテストは以下の2つの部門に分かれています。
・A部門:分かりやすく伝える部門
~NTDsのことを知らない日本人に向けて、NTDsのことを分かりやすく伝える~
・B部門:日本ができることを考える部門
~NTDsに対して、日本だからできることを考える~

それぞれの部門で最優秀賞(賞金10万円)、チーム全員が18歳以下対象のU-18特別賞(図書カード2万円)が表彰されました。また、スポンサー賞として、GHIT賞「パートナーシップを通じての課題解決」(図書カード2万円)と日本製薬工業協会賞「いっしょに届けたい、くすりと想い」(図書カード2万円)が授与されました。

以下の方々が表彰され、各賞の授与者からの受賞理由と受賞者からの声が紹介されました。
・最優秀賞(A部門)/ U-18特別賞(A部門)ダブル受賞
 チーム名:日本を安定陸塊にする会
 ~石原聡太さん他2名(滋賀県立守山高校1年)
 作品名:「NTDs – 君は「常識」か?」
・最優秀賞(B部門)
 
チーム名:鳥取大学熱帯医学研究会
 ~吉川雄也さん他3名(鳥取大学2・3年、鳥取大学大学院修士課程1年)
  作品名:「故郷からの学びを胸に:日本住血中症撲滅の教訓とフィリピンでの挑戦」
・日本製薬工業協会賞
 チーム名:るる子 ~遠藤最さん(文教大学付属中学校2年)
・GHIT賞
 チーム名:シュクレペールズ ~中村恵菜さん他2名(渋谷教育学園渋谷高校1年)
・U-18特別賞(B部門)
 チーム名:MYST ~峯岸泰希さん(福岡県立修猷館高等学校)

A部門最優秀賞とU-18特別賞をダブル受賞した「日本を安定陸塊にする会」の作品は、クイズ形式でNTDsを紹介するという大変わかりやすい導入から始まり、今後の日本でのNTDsの認知度を高めていく取組を提案するという作品でした。

日本製薬工業協会賞を受賞した、中学2年の「るる子」(遠藤最さん)の作品は、AIを使って21の疾患を情緒豊かに的確にまとめ、今までの世代では発想できなかったミュージックビデオにまとめられたことが高く評価されました。

受賞作品の最終審査会の様子が、下記に公開されていますので、是非ご覧ください。
審査会の様子⇒ https://bit.ly/41e5SdM

表彰式終了後に、『スペシャルディスカッション~Getting Closer to NTDs: Learn, Connect, Understand~』が開催されました。ユースと専門家で構成された対話型パネルディスカッションであり、「Skin Diseases」について議論されました。登壇者は以下の方々です。

<専門家>
・四津里英氏(チュレーン大学熱帯医学・感染症学教室准教授・特定非営利活動法人クローバーヘルス・インターナショナル理事長)WHOアフリカ地域事務局)
・三條場千尋氏(東京大学大学院農学生命科学研究科)
・酒井郁弥氏(琉球大学熱帯医学研究会)
<ユース>
・石原聡太氏(滋賀県立守山高等学校)
・吉川雄也氏(鳥取大学医学部熱帯医学研究会)

四津氏の「Skin Diseasesとは?」、続いて三條場氏からの「リーシュマニア症とは?」と題したミニレクチャー後に質疑応答が行われました。さらに酒井氏から「ハンセン病と差別の歴史」というミニプレゼン、Nepal Leprosy Mission提供の「ハンセン病がもたらす差別の今」のミニ動画が紹介され、MDA(感染リスクのある全住民に治療薬を投与する戦略)について、専門家からユースに質問がされるという場面もありました。

当日、ご視聴いただいた方には改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
今回のコンテストを通じて、若い人の発想力に感心させられると同時に、こういった形でNTDsの輪が広がっていくことを期待しております。

最後に、朝日新聞に『「顧みられない熱帯病」知って 学生たちの熱意と創意工夫に学ぶこと』と題した記事が掲載(一部有料)されましたので、そちらもご紹介します。
朝日新聞記事⇒ https://www.asahi.com/articles/AST227RR1T22UHMC002M.html
(c)朝日新聞