MPJ Youthのメンバー、ラウル・ヴェッキオ氏(建築家、人道活動家)のお話しを伺う

ヴェッキオ氏講演 活動報告

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)の学生関連組織MPJ Youth(*)のメンバー9名は、2025年7月16日(水)に、来日中のサハラ砂漠以南で活動されているラウル・ヴェッキオ氏(建築家、人道活動家)との面談(SPJ主催)の機会をいただきました。

ラウル・ヴェッキオ氏は、セネガルの世界的な建築コンペティション「カイラ・ロロ」の主催者であり、そのコンペにはSPJの特別顧問・隈研吾先生が審査員長として参加しています。「カイラ・ロロ」についてはこちらをご覧ください。

当日は、ヴェッキオ氏とご一緒に来日されたカターニア大学の都市建築構造学部教授で、「Balou Salo」のメンバーでもあるセバスティアーノ・ドゥルソ氏(Professor D’Urso Sebastiano)も出席されました。SPJ理事長、鈴木りえことMPJ Youthメンバーはヴェッキオ氏のセミナー後は、懇親会でもさらにお二人のお話を伺いました。

集合写真
後列中央:ヴェッキオ氏、左隣:ドゥルソ氏、前列右2番目:鈴木SPJ理事長

2025年7月からSPJインターンに加わり、当日も参加された東京外国語大学2年生の坂口叶夢(かのん)さんがまとめてくれた学生からの感想を一部ご紹介します。
・ これまで建築家に対しておしゃれな建物を設計する人というイメージを抱いていたが、途上国で苦しむ人を救うための道具としての側面があるということを初めて知った。
・外部から押し付けるだけの‘‘help’’ではなく、真の意味で協働できる‘‘help’’を成し遂げ、地域の問題の解決に近づいていけるのだ、という言葉から建物の設計だけにとどまらない建築の重要な意義を感じた。
・ Architectureがtoolであるという言葉から、想像支援は求められておらず、あくまでも現地に生きる人がこれまでどう生きてきて、どう生きていくことを望んでいるのか考える必要があるのか考える必要があると思った。
・物質的に豊かになることも勿論必要なことではあるが、人間性や、そのコミュニティとしての豊かさも守って育むような開発が求められているのだと強く感じた。

ヴェッキオ氏講演
ヴェッキオ氏の講演に聴き入るMPJ Youthメンバー

短い日本滞在中にMPJ Youthのために時間を割いてくださったラウル・ヴェッキオ氏には、心より感謝申し上げます。

今回参加されたMPJ Youthのメンバーはもちろん、他のメンバーも今後引き続き、セネガルをはじめアフリカへの関心を持ち続き、国際協力分野で活躍されることを願っています。

Raoul Vecchio(ラウル・ヴェッキオ)氏について】
ラウル・ヴェッキオ氏は1985年、イタリアのカターニア生まれ(現在40歳)、2014年にカターニア大学の建築工学部を卒業。2014年に人道支援団体「Balouo Salo」を設立、その会長を務めています。2015年にセネガルの小さな村のセネガル人の家族に養子縁組され、地元の住民となり、セネガルとイタリアを行き来しながら暮らし、井戸、学校、医療センターを建設しました。2015年以来、セネガル南部の85の農村にて25,000人以上の住民の意識を高め、訓練を行い、セネガルの18,000人以上の学童に教育支援を提供してきました。2015年に「フェデリコ2世連帯国際賞」と「ジョヴァンニ・ロレンツィン賞」を受賞。
http://www.raoulvecchio.com/

Kaira Looro(カイラ・ロロ)建築コンペティション
人道支援団体「Balouo Salo」が開催する「カイラ・ロロ」は発展途上国の生活条件を改善するための世界で最も重要かつ影響力のある建築コンペティションです。若手の建築家や建築家を発掘し、コンペティションの結果から慈善プロジェクトに資金を提供し、社会と環境の発展を目指した人道的建築の研究を進めることを目的としています。このコンペティションでは、持続可能な技術を使用する建築の創造的なモデルを見つけることを目的とし、応募作品は世界最高の建築家で構成される国際審査員によって審査されます。隈研吾先生も審査員長としてコンペに携わっていらっしゃり、入賞チームのインターンシップ先の一つとして、隈研吾建築都市設計事務所が参画しています。https://www.kairalooro.com/competition_culturalcenter/giuria.html (国際審査員一覧)

*MPJ Youth(ミレニアム・プロミス・ジャパン・ユースの会)は、SPJ(当初の名称:ミレニアム・プロミス・ジャパン: MPJ)の活動に賛同する東京大学の学生たちによって、「アフリカを学び、発信する」ことをコンセプトに立ち上げられた学生サークルです。 MPJ Youthは、2025年で16周年を迎え、今では東京大学と東京外国語大学を中心として様々な大学から、約160名(25年度)の学生が集り、毎年アフリカで研修を行っています。
詳細はこちら⇒ MPJ Youthサイト