【マラウイバオバブ事業】プロジェクトの事業成果調査を実施しました

 2年9カ月に渡って実施されてきた「バオバブ製品の製造販売を通じた農民グループの自立支援プロジェクト」もいよいよ終わりに近づきました。プロジェクト終了に伴い、今月はプロジェクトの対象となっていた農民グループに対し、事業成果調査を実施しました。

 この調査では、プロジェクトの直接的な裨益者合計1,373人の内、無作為抽出した約300人に対して、主に以下の3つについて調査しました。

①プロジェクトを通して何を学んだのか?さらにその修得したノウハウを活用して、組合の活動を促進することができたのか?

②組合活動における組合員の収入はどのぐらい向上したのか?

③組合活動を通して得た収入を活用して、どのように生活が改善されたのか?

 マラウイでは、世界銀行が定める貧困ラインである、1日1.90米ドル以下で生活する人の割合は50.7%にのぼり、国民の80%以上が農業により生計を立てています。その農業も1年に約4カ月間ある雨季の時期にのみ行うことができ、それ以外は仕事や収入がなくなる農家も多くいます。

 今回のプロジェクトを通し、製造業ビジネスに必要なノウハウとして、会計帳簿のつけ方や、衛生管理・在庫管理の方法、商品マーケティングの仕方、新商品開発の方法など、様々なトレーニングから新しい知識や技術を身につけることができた農民グループのメンバーの中には、組合活動だけでなく、組合活動で得た収益を元手に小規模な個人事業(販売用の米や野菜の栽培、販売用家畜の飼育、パンや揚げドーナツの製造販売など)に投資して、その収益を増やしている人も多くいました。

 事業を開始したこの約2年半で、バオバブ製品の販売市場は大きく拡大し、支援グループにおけるバオバブ製品の売り上げは約2.5倍増となりました。その結果、生活が改善されたと回答した人が90%を超え、実際にどの様に生活が変わったのかを嬉しそうに話す組合員の姿に、私たちも思わず目頭が熱くなり、自分たちがやってきたことがきちんと成果となって表れていることを実感でき、本当に嬉しく思いました。

ここで、実際に組合員の声を紹介したいと思います。

「これまでは、半年に一回、5人の子供の学費を支払う際には、親族たちからお金を借りなければ準備できなかったけれど、今では誰からも借りることなく子供たちの学費を払える様になったわ。(50代・女性)」

「今まで、組合のある工場まで来るのに片道1時間半を歩いて来ていたけれど、自転車を買えたことで、工場へ通うのが本当に楽になったよ。(40代・男性)」

「これまでは御座に布を敷いて寝ていたけど、初めてマットレスを買って、その気持ち良さに驚いたの。いつもなら日が明けると自然と目が覚めていたのに、あまりの気持ち良さに初めて寝過ごしたわ。身体も楽だし、本当に快適に寝れるって幸せね。(30代・女性)」

他にも、食卓に肉や魚が出る回数が増えた、新しい携帯電話やラジオを買った、家の屋根を藁葺からトタン屋根に変えたなど、皆さん着実に自分たちの生活の質を向上させていました。

今回の事業成果調査ではマラウイの北から南まで多くの農民グループを訪問しましたが、グループに到着すると、その多くが私たちをアカペラの歌とダンスで歓迎してくれたり、帰りには自分たちのグループで作った商品をお土産として持たせてくれたりと、“Warm Heart of Africa”と呼ばれるマラウイ人の温かさや陽気さを感じる機会が多くありました。彼らが当プロジェクトを受け入れ、感謝の気持ちを持ってくれていたことが、私たちSPJとしても本当に嬉しく、改めて開発支援の重要性や意義を感じました。

このプロジェクトは農民グループの自立を目的としており、今後は彼らの自助努力でグループ活動が運営されることが求められます。プロジェクトが終了しても、彼ら自身の力で、より一層グループが発展していくことを期待する一方で、こんなにも温かくて陽気な人たちともう時間を共にすることができないと思うと、少し寂しい気持ちにもなりました。これからも彼らの活躍に期待をしたいと思います。

組合に対して最後の挨拶を行う駐在員・青木(右)
アンケート調査用紙を記入する組合員たち