ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)・ユースの会は、3月2日から16日までアフリカのマラウイ共和国にて研修に臨んでまいりました。すでに第一弾、第二弾としてご報告してまいりました「MPJユースのマラウイ研修報告(1)」「MPJユースのマラウイ研修報告(2)」に続き、今回は第三弾完結編をご報告させていただきます。
ユースの学生たちは、マラウイの経済・ビジネス系の最高学府 Exploits University における学生会議と英文レポート作成をもってすべての研修メニューを終え、マラウイ湖に向けて束の間の観光に出かけることができました。
マラウイ湖はアフリカ大地溝帯の南端に位置し南北の長さ560kmに及ぶ古代湖で、その南端部の国立公園は世界遺産に指定されています。面積こそアフリカ大陸において第3位に甘んじていますが、その水深は700mに達し、水量はアフリカ最大面積のビクトリア湖の3倍近くに及びます。この湖がマラウイの漁業や水力発電を支え、観光業において大きな役割を果たし、最近ではここに生息する熱帯魚も有名です。マラウイに来たからには、やはりあの雄大なマラウイ湖を見ずして帰るわけにはいきません。
さてその間にMPJは、第一弾「MPJユースのマラウィ研修報告(1)」でもお伝えいたしました、マラウイ大洪水の調査に臨みました。限られた時間のなかでは最大の被災地にまで向かうことはできませんでしたが、首都から比較的近い被災地に実際に足を運んで視察してまいりました。
そこはマラウイ湖へ注ぐ何本もある川のひとつの河畔で、川の氾濫で畑を流されたり、水浸しになったりしたそうです。上流においてもこのような被害があるのですから、マラウイ湖から唯一流れ出すシレ川流域での被害はさぞ大きかったにちがいないと実感いたしました。雄大なマラウイ湖は恩恵でもありときに脅威にもなるのです。
それは気候変動の影響も否めないでしょう。今年の雨季は、周辺国のモザンビークやマダガスカルに至るまで、異常な豪雨に見舞われたと聞きます。そして一転、マラウイではいま少雨に陥り主食のメイズ(白いトウモロコシ)が十分に育たず、深刻な食糧難が懸念されています。地球規模での気候変動が起きているとき、最もそのしわ寄せを食うのは、脆弱な最貧国に住むひとたちです。
いまポストミレニアム開発目標(ポストMDGs)についての国際的議論が進み、持続可能な開発の時代が模索されています。
(ジェフリー・サックス教授も最新著”The Age of Sustainable Development”を上梓されました。)
これは、経済、社会、環境のトリプルボトムラインすべてに配慮し、先進国も開発途上国も「共通だが差異ある責任」を負っていこうとするものです。本年は9月に「国連ポスト2015サミット」、12月にフランス・パリにて「COP21・COP/MOP11(国連気候変動枠組条約締約国会議第21回会合・京都議定書締約国会議第11回会合)」が開催されます。
来る2016年から国際社会が目指していく「持続可能な開発目標(SDGs)」に向けても、MPJは引き続き取り組んでまいります。そして、現場に足をつけた活動のひとつとして、マラウイの洪水被災者支援に向けて準備も進めております。マラウイにおける洪水被害についてMPJがまとめた出動趣意書きっかけとなって、日本のNGOも支援に乗り出そうとしています(ジャパン・プラットフォーム様のウェブサイトもご参照ください)。これにつきましては、またあたらためてご報告させていただきます。引き続き、みなさまのご支援を宜しくお願いいたします。