2024年9月19日に、SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)は、Bridges to DevelopmentとUniting to Combat NTDsとともに、国際セミナー『日本の顧みられない熱帯病(NTDs)への貢献を祝う会』を開催いたしました。このセミナーの主旨は、NTDs(※)に対する日本の政府や民間組織の貢献によって得られた成果を祝すとともに、今後の支援や協力について考えるというものでした。
当日は内外からの関係者約60名が参加し、同時通訳ブースも設けました。
【開催概要】
開催日時:2024(令和6)年 9月19日 午後13時15分~15時00分
開催場所:衆議院第二議員会館 第4会議室
主催:
Bridges to Development※1
Uniting to Combat NTDs※2
特定非営利活動法人 SDGs ・プロミス・ジャパン(SPJ)
※1. アメリカとスイスに拠点を持つ,持続的な開発における健康と教育の改善に取り組む非営利団体
※2. NTDs撲滅を目指し、WHOのNTDsロードマップや持続可能な開発目標(SDGs)を支援するために資源を動員するグローバル団体
後援:
長崎大学(JAGntd)
グローバルヘルスイノベーション技術ファンド(GHIT)
エーザイ株式会社
セミナーでは、矢島 綾博士(世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局テクニカルオフィサー)にコーディネーターを務めていただき、鈴木秀生グローバルヘルス大使からのご挨拶、Dr. Julie Jacobson (Bridges to Development)によるPINEプロジェクト(後述)の紹介、厚生労働省の井上肇国際保健・福祉交渉官からのコメントに引き続き、「日本のNTDs撲滅への役割」というタイトルでのパネルディスカッションが行われました。
また、「NTDsの根絶を目指す議員連盟」の会長・松本剛明衆議院議員・ 総務大臣(当時)にもご多忙な中ご出席いただき、ご挨拶を頂戴しました。松本総務大臣(当時)は、「父親が昔 中央省庁の官僚で、その頃はむしろ世界から援助を受けて日本の復旧・復興に携っていた。自分も日本が世界で応援できる力があればしっかり世界へ活かしていくべきだと考えてきた」という趣旨の発言をされ、さらに「世界に貢献することは、日本のためにもなるということを日本国民の皆さんにもご理解いただき、議員団としてNTDsに対しこれからもしっかり応援していきたい」との力強い言葉をいただきました。
本イベントでは、特に「PINEプロジェクト」(武田薬品工業の全社員が投票で決定したグローバルCSRプログラム)が、パプアニューギニアやバヌアツで実施したリンパ系フィラリアの治療報告も行われ、JICAの現地専門員や両国政府の関係者、アラブ首長国連邦、オーストラリア、コンゴ共和国、フィリピンなどからも専門家が参加されました。
※顧みられない熱帯病 (Neglected Tropical Diseases: NTDs)とは、世界保健機関(WHO)が定める21の疾患の総称のことで、熱帯途上国地域の149の国々に暮らす中低所得者層を中心に約10億人もの人々が苦しんでいると報告されている病気です。NTDsは貧困による劣悪な衛生環境などが主な原因となって蔓延し、これらの疾患にかかると、重度の身体障害が残る場合もあり、生涯にわたる身体的、精神的影響を及ぼし、経済成長の妨げにもなっています。そのため、適切な時期に適切な治療を受ければ治癒が可能なのにも関わらず、貧困のためにそれができず、病気のためにさらなる貧困に陥るという負のスパイラルが発生しています。