2025年8月20日に、第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)のテーマ別イベントとして、SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)が開催したセミナー「UHCの促進とNTDs制圧における日本のリーダーシップとパートナーシップ」のご報告をいたします。このセミナーは、アフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)、Uniting to Combat NTDsとDNDiとの共催で開催しました。
開催案内⇒ https://sdgspromise.org/archives/16925

司会はUniting to Combat NTDs理事会副議長で、フランシスカ・ムタビ教授(Tackling Infections to Benefit Africa:TIBA副所長、エディンバラ大学グローバルヘルス共同ディレクター)にお願いし、最初に顧みられない熱帯病(NTDs)を紹介する動画が紹介されました。

続いて、衆議院議員で顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟事務局長・国光あやの先生よりご挨拶を頂戴しました。


国光先生は長崎大学医学部を卒業され、学生時代から長崎大学熱帯医学研究所のアフリカなどでの活動に参加、病気による苦しみとその背景にある格差や貧困の現実を目の当たりにされたそうです。そのご経験が現在の政策と政治の力で課題に挑むという信念を形づくれた事を語ってくださいました。また、NTDs議員連盟の事務局長として、日本政府によるGHIT Fundへのプレッジ及びNTDsの制圧のための拡大特別プロジェクト(ESPEN)への支援を後押しし、世界の関係者との対話や協力を進めることを述べて頂きました。
続いて、アフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)のアフリカ医薬品規制調和プログラム 主任プログラム担当官、チムウェムウェ・チャムディンバ氏から基調演説がなされました。チャムディンバ氏はアフリカが保健主権と持続可能な医療体制を確立するために、日本とのパートナーシップを通じてNTDs対策や地域主導のヘルスエコノミー構築に取り組む重要性についてお話されました。特に、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現に向けて、日本の支援と連携の継続を呼びかけられました。

その後、SPJ名誉会長で東京大学名誉教授・JICA(国際協力機構)前理事長・現特別顧問の北岡伸一教授から「残念ながら認知度が低いNTDs に関して広報・支援活動を行っている関係者の皆さんに敬意を表する」という挨拶がなされました。


座席順にパネリストは以下の方々です。
・ルイス・ピサロ医師:アフリカ睡眠病(ヒト・アフリカ・トリパノソーマ症)に対する新規治療薬の開発と提供における功績が評価され、日本政府から第5回(2025年)「野口英世アフリカ賞(医療活動部門)」を受賞したDNDiの代表
・エリザベス・ジュマ博士:世界保健機関(WHO)「顧みられない黄熱病の制圧のための拡大特別プロジェクト (ESPEN)」チームリーダー
・国井修博士:グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)CEO
・ナナティ・ジェマル・アリエ博士:エチオピア若者のNTDs対策代表兼国際一次、医療研究所 (IIPHC)アドボカシー担当官
・鈴木秀生氏:内閣府健康・医療戦略推進事務局 健康・医療戦略ディレクター・グローバルヘルス大使





各パネリストからの発表の後、司会のフランシスカ・ムタビ教授がさらに質問を重ね、NTDsやUHC(Universal Health Coverage)に関するそれぞれの立場からの意見交換がされました。

最後に、Uniting to Combat NTDs代表で前ガンビア共和国副大統領イサトゥ・トゥレイ博士閣下が閉会の挨拶をされ、改めてNTDs制圧への決意を表明されました。


なお、セミナーが行われた横浜パシフィコ展示ホールDのブースには、SPJのガーナ共和国における職業訓練校建設・支援事業をご紹介するブースを設けました。
猛暑にも関わらずセミナーに参加してくださった皆さま、ブースに立ち寄ってくださった皆さま、ありがとうございました。