【開催報告】「世界NTDの日」ウェビナー開催 ~『学生コンテスト』A部門最優秀賞は「西郷隆盛から覗くNTDs」~

2024年1月30日「世界NTDの日(World NTD Day)」には、日本で標題のウェビナーが開催されました。主催は「世界NTDの日・日本準備委員会」で、SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)も準備委員会の一員として協力させていだきました。

司会、ご登壇者、学生コンテスト参加者の一部

司会はイベント幹事団体である「一般社団法人NTDs Youthの会」代表理事の轟木亮太氏でした。

そして以下の方々はNTDsの現状、課題解決のためのこれまでの取組みや今後の展望についてメッセージを頂戴しました。
・上野裕明氏(日本製薬工業協会 会長)
・國井修氏(GHIT Fund CEO)
・井谷哲也氏(厚生労働省 大臣官房国際課 国際保健室長)
お三方からNTDsの現状、課題解決のためのこれまでの取組みや今後の展望についてメッセージを頂戴しました。

さらに、『第一回顧みられない熱帯病学生コンテスト』表彰式では、以下の方々が表彰され、各賞の授与者から受賞理由が述べられました。
・最優秀賞(A部門)牧功大さん(大分大学医学部医学科)
・最優秀賞(B部門)涌井謙佑さん(大阪市立大学医学部医学科)
・日本製薬工業協会賞 廣野彗香さん(東京学芸大学付属国際中等教育学校)
・GHIT賞 磯妃葵さん他3名(千葉県立幕張総合高等学校)
・U-18特別賞(A部門)山本莉子さん他3名(千葉県立幕張総合高等学校)
・U-18特別賞(B部門)久我彩乃さん他1名(福岡県立修猷館高等学校)

A部門最優秀賞の大分大学医学部の牧さんのプレゼンのテーマは、『西郷隆盛から覗くNTDs 顧みられない熱帯病』。西郷隆盛が、 リンパ系フィラリア症によって馬に乗れなくなった、というよく知られた話から始まるユニークなプレゼンです。ぜひ、以下サイトからご覧ください。
https://youtu.be/CfBwVTZKtrM


最後のセッション、『教えて!國井先生』 では、以下の方々から若者に対してわかりやすくご説明いただきました。
・國井修氏(GHIT Fund CEO)
そもそもNTDsとは何か?なぜ顧みられないか。
・飛弾隆之氏(日本製薬工業協会/エーザイ株式会社)
日本の製薬企業のNTDsへの取組みについて教えていただきました。
・牧野由佳氏(WHOアフリカ地域事務局)
 昨年末にWHOのNTDリストに加わった『水癌(NOMA)』について教えていただきました。
・中谷香氏(DNDi Japan)
非営利組織のNTDsへの治療薬の開発や制圧についての取り組み。
・吉岡浩太氏(長崎大学/JAGntd)
日本にはNTDsはないのか?。

最後には、國井氏がマザーテレサの言葉『愛の反対は憎しみではなく無関心である。』を引用し、世界中で数多くの苦しみや悲しみを持つ人々が存在することに対して無関心であってはならないと結びました。

当日、ご視聴いただいた方には誠にありがとうございました。セミナー全体の動画は以下に公開されています。
多くの皆さまにご視聴いただけれる事を関係者一同望んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=T0FbJUsjUls

このようなウェビナーにより、 皆さまがNTDsについて少しでも関心をお持ちいただけいただけましたら嬉しく存じます。


「顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟」の第6回会合が開催されました。

「顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟」(以下、「NTDs議連」)は、2019年5月に、元厚生労働大臣・衆議院議員(当時)の塩崎恭久氏と、秋野公造氏(参議院議員)が呼びかけ人となって設立されました。NTDs議連の第6回会合が2023年3月6日に開催されましたので、簡単にご報告いたします。

今回の会議では、国光あやの衆議院議員・総務大臣政務官がNTDs議連・事務局長代理として司会進行役を務められ、会長には前会長の塩崎恭久氏の後任として松本剛明衆議院議員・ 総務大臣 が選出されました。

左から 秋野公造参議院議員・財務副大臣、 松本剛明衆議院議員・総務大臣、 塩崎恭久氏、 国光あやの衆議院議員・総務大臣政務官

この日、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)CEOの國井修先生、長崎大学熱帯医学研究所 ケニアプロジェクト拠点 教授・拠点長の金子聰先生、長崎大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授・研究科長 北 潔先生、長崎大学プラネタリーヘルス学環 副学環長 平山謙二先生ほか、厚生労働省、外務省、国際協力機構(JICA)の各担当の方々から、NTDsに関する現状、そしてそれぞれの取組みなどに関するプレゼンもありました。

日本はこれまで感染症に関するグローバル・リーダーとしての役割を果たしてきました。会議中に話題となったように広島G7サミットでもNTDsの問題と支援状況についての理解が促進され、コロナ禍でますます顧みられなくなったNTDs対策への支援がさらに進むことを願っています。

※ 顧みられない熱帯病 (Neglected Tropical Diseases: NTDs)とは、世界保健機関(WHO)が定める20の疾患の総称のことで、発展途上国地域の149の国々に暮らす中低所得者層を中心に約10億人もの人々が苦しんでいると報告されている病気です。NTDsは貧困による劣悪な衛生環境などが主な原因となって蔓延し、これらの疾患にかかると、重度の身体障害が残る場合もあり、生涯にわたる身体的、精神的影響を及ぼし、経済成長の妨げにもなっています。そのため、適切な時期に適切な治療を受ければ治癒が可能なのにも関わらず、貧困のためにそれができず、病気のためにさらなる貧困に陥るという負のスパイラルが発生しています。


2022年1月30日(日)「世界NTDの日」開催!

先日130日(日)の「世界NTDの日」に、特定非営利法人SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)は、長崎大学熱帯医学研究所、日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGntd)、一般社団法人日本熱帯医学会学生部会(J-Trops)との共催で、ライトアップ・イベントを実施いたしました。

SPJが担当する東京タワーでは、世界に先駆けてNTDのシンボルカラーであるオレンジと紫にライトアップされました。また、1 25日から31 日の間、2 階の展示スペースにてNTDs に関するパネル展示を実施いたしました。

【「世界NTDの日」ライトアップ】
日時:令和4年1月30日
ライトアップ場所:
函館 五稜郭タワー
東京 東京タワー
長崎 稲佐山電波塔(中止)、眼鏡橋、袋橋、女神大橋
共催:特定非営利活動法人SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)、長崎大学熱帯医学研究所/日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGntd)、一般社団法人日本熱帯医学会学生部会(J-Trops)
協賛:エーザイ株式会社、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)、公益財団法人笹川保健財団
後援:外務省、厚生労働省、独立行政法人国際協力機構(JICA)、特定非営利活動法人 DNDi Japan、日本製薬工業協会、Uniting to Combat Neglected Tropical Diseases、Abu Dhabi Crown Prince’s Court
協力:株式会社TOKYO TOWER、長崎市役所、五稜郭タワー株式会社

 

当日の東京タワーの様子
東京タワー内2階の展示スペース

そのほか、以下の関連イベントも次々に開催されました。

1.1月26日(水)バーチャルイベント:「Achieving health equity to end the neglect of poverty-related diseases」

上記をテーマに、日本時間22時から世界保健機関(WHO)主催のバーチャルイベントが開催され、各国及び国際機関の代表が、パンデミックにもかかわらず、懸命に働き続けているヘルスワーカーに感謝を述べながら、すべての人に公平な保健サービスを促進するために、各種介入の強化にもっと焦点を当てるよう呼びかけました。日本からは武見参議院議員が参加しました。

詳細:https://youtu.be/l_s3NZMHztQ

2.1月27日(木)「世界NTDの日」国際ハイレベル会合(オンライン)

日本時間23時、世界300以上の団体をパートナーとして、“100% Committed”を国際的なスローガンに、各国政府や企業、財団などからNTD制圧にむけたコミットメントを確保するため、(キガリ宣言は6月ではないのでしょうか?吉岡さんによるとすでにWHOのサイトで発表されていると聞いたような気がしますが、27日のこのイベントでしたか?)国際ハイレベル会合が開催されました。日本からは安倍晋三元総理大臣及びエーザイ株式会社の内藤晴夫社長がビデオメッセージにて参加いたしました。

3.1月30日(日)国内:「世界NTDの日」ライブイベント

1月30日(日)ライトアップの当日、日本時間16時30分~18時30分に、関連団体、企業、学生が参加してNTDについて、多くを学ぶ機会を提供するイベントが開催されました。

第1部では、「日本にもある熱帯病」として、①疥癬(かいせん)、②シャーガス病、③肝蛭症(かんてつしょう)の現状が紹介されました。どれも日本では認知度が低く、診断をくだせる医療機関が少ない事、治療薬が開発されない事、世界に治療薬があっても日本では承認されていない事、など多くの問題点が認識できる内容でした。

第2部では、「NTD対策に関わる人々」の以下の対談が行われ、それぞれNTDに対する熱い取組みが紹介されました。

①GHIT Fund×シスメックス株式会社
②DNDi Japan×塩野義製薬株式会社
③笹川保健財団×ヤンセンファーマ株式会社
④JICA×エーザイ株式会社

最後には、各地のライトアップ中継をライブで見る事ができました。日本では、東京タワーの他、函館の五稜郭タワー、長崎の眼鏡橋、袋橋、女神大橋がライトアップされました。既に終了したイベントではありますが、企画につきまして以下をご覧ください:https://jagntd.org/worldntdday2022

 


【開催案内】SDGsのスペシャリスト:稲場雅紀氏 特別講演シリーズ第1回開催決定!2022年1月14日(金)15時~開催

このたび、2022114日(金)15:0017:00、 ゲストにSDGsのスペシャリスト:稲場雅紀氏(アフリカ日本協議会 国際保健部門ディレクター)をお招きして、ウィズコロナ・アフターコロナ時代におけるSDGs達成への課題や今後の展望などについてお話しいただきます。質疑応答の時間もたっぷり含んだ2時間構成となっております。是非この機会をお見逃しなく!

【講演概要】
日時:2022114日(金)15:0017:00(日本時間)
形式:Zoomによるオンライン配信
参加登録:下記リンクより、202211218時までにお申込ください。
https://forms.gle/dhUUTE6KVoKBKSiE9
参加費:無料

【講演テーマ】
コロナ・パンデミックからSDGs中間年へ=SDGs達成へ避けられない態勢の立て直し= 

【講演内容】
2016年に開始されたSDGs(持続可能な開発目標)は、2023年に中間年を迎えます。2030年までに貧困のない持続可能な社会を、という野心的な目標は、コロナによって大幅な後退を余儀なくされ、気候変動や生物多様性の喪失といった「地球の限界」の危機は待ったなしの状況。一方、巨大新興国の台頭による世界のリバランスという「地政学的転換にかかわる危機」、さらに新規科学技術の急速な投入が社会・経済・文化総体を激変させる「科学技術イノベーションにかかわる危機」があいまって、世界が抱えるリスクはSDGs開始当時よりも格段に大きくなっています。おりしも、2023年は日本がG7の議長国を務める年であり、国連UHCハイレベル会合もあります。SDGs中間年に向けて、私たちは何を準備する必要があるでしょうか。

【講師:稲場雅紀氏の略歴】
1969年生。90年代から、日本の貧困問題や労働問題、LGBTの人権やHIV/AIDSへの取り組みを経て、2002年からNPO法人アフリカ日本協議会で国際保健に関する政策提言に従事。2008年のG8洞爺湖サミットを機に、G7/G20や国連SDGsレビュープロセスなどに関する日本の市民社会のアドボカシーの調整を担う。2012年以降、SDGs策定プロセスに市民社会としてかかわり、2016年、SDGs市民社会ネットワークの設立に参画、専務理事などを歴任。同年から政府「SDGs推進円卓会議」構成員。2021年から政府「グローバルヘルス戦略有識者タスクフォース」構成員として新グローバルヘルス戦略の策定にもかかわる。共著に岩波新書「SDGs 危機の時代の羅針盤」(南博・広報外交担当日本政府代表との共著)など。


『Global Health Ideathon 2021』が開催されました

2021年9月4日(土)から9月25日(土)の約3週間にわたり、SPJの学生部「MPJ Youth(ミレニアム・プロミス・ジャパン「ユースの会」)」主催で国内外の学生を対象とした国際オンラインイベント『Global Health Ideathon 2021』が開催されました。今回のイベントは、MPJ Youthと、アフリカを拠点とする Youth Combating NTDs のメンバーらを中心に、世界中(主にはアジア・アフリカ)から200名以上の学生が応募しました。選考の結果、100人以上の学生がパンデミック時に重要となる、「サーベイランス」・「医療アクセス」・「新薬開発」・「リスクコミュニケーション」・「経済対策」・「ガバナンス」といったサブテーマ・グループに分かれ、①現状を調べ・理解し、②課題・問題点を抽出し、③それらへの解決策を考案して発表し合いました。

 

 

イベント最終日には、3名の特別審査員をゲストとしてお招きし、全6チームによるプレゼンテーションが行われました。最優秀賞には、「医療アクセス」をテーマに取り組んだBグループが選ばれました。Bグループは解決策として、シンプルなデザインの高齢者向け遠隔医療アプリと、医療従事者やボランティアが地域に密着した基本的な医療サービスを提供する「在宅医療サービス」を提案しました。

 

若き MPJ Youth メンバーたちの、今後の活動にこれからもご期待ください。

 

 


開催案内:2021年7月15日(木) SPJオンライン・セミナー・シリーズ 第11回 飯尾 潤先生「感染症対策で明らかになった日本政治・行政の問題点」

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)では、オンライン・セミナー・シリーズ「ウィズ・コロナ時代のグローバルヘルスを考える:感染症と人間の安全保障」を開催しています(過去セミナーYouTube公開中)。


シリーズ第11回目は、2021年7月15日(木)に「
感染症対策で明らかになった日本政治・行政の問題点」と題し、政策研究大学院大学教授の飯尾潤先生を講師にお迎えします!


【飯尾先生のプロフィール】
1962年6月29日 神戸市生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学大学院・博士課程修了、博士(法学)。埼玉大学・助教授、政策研究大学院大学・助教授などを経て、2000年より政策研究大学院大学・教授(現在に至る)。ハーバード大学客員研究員、政策研究大学院大学副学長、政府の東日本震災復興構想会議検討部会長、復興推進委員なども歴任。放送大学客員教授を兼任。

著書:『改訂版 現代日本の政治』(放送大学教育振興会、2019年)、『現代日本の政策体系:模倣から創造へ』(ちくま新書、2013年、日本公共政策学会著作賞受賞)、『日本の統治構造:官僚内閣制から議院内閣制へ』(中公新書、2007年、サントリー学芸賞および読売・吉野作造賞受賞)、ほか多数。

現代日本政治論の権威で、中堅官僚を主たる対象として政策過程論などを講義・指導されてきている飯尾先生に、日本の行政組織や政権の行政運営について、直接ご質問いただける貴重な機会です!ぜひご参加ください。

当日は国際協力機構(JICA)北岡伸一理事長(SPJ名誉会長)にご挨拶をいただく予定です。

【セミナー概要】

日程:2021年7月15日(木)18:30-19:30

対象:社会人、大学生(ユース)、グローバルヘルス・国際協力関係者など

開催方法:Zoomビデオウェビナー


▼こちらのリンクから事前にお申し込みください。

https://bit.ly/3heyJaT

※お申込みいただいた方には、参加用のZoomURLを送付致します。

【過去セミナーもYouTube公開中です】

▼SPJ公式Youtubeチャンネル登録はこちらからhttps://www.youtube.com/channel/UCsSlgpB_XUrW7CLKkhF0P9Q

 


町田市立つくし野中学校にて講演会を実施しました!

202135日(金)、町田市立つくし野中学校にて、全校生徒

約730名の皆さんを対象に、SPJ理事長・鈴木りえこと、SPJ

の関連団体「MPJユースの会(学生組織)」代表・青山洋祐さん及び

副代表・山川綾菜さんが、「持続可能な開発目標(SDGs)」をテーマ

に、講演させていただきました。

 

つくし野中学校の生徒の皆さんは、この1年間、SDGsについて熱心に

学んでこられたそうです。この授業は、「東京都オリンピック・パラリン

ピック教育推進支援事業」の一環として、これからの時代を担う子どもさん

たちに必要とされる資質・能力(ボランティアマインド、豊かな国際感覚等)

の育成を図る目的で行われており、今回のSPJの講演が、1年間のSDGs

学習の集大成という、SPJにとっては、光栄で責任重大なイベントとなりま

した。

 

当初の予定では、全校生徒さんの前で対面式にお話させていただく

予定でしたが、残念ながら緊急事態宣言が延長されたため、密をさけて、

講演者は視聴室から映像を通じて生徒のみなさんに向かってお話しました。

講演内容は、まず、鈴木が、SDGsの前身となった「ミレニアム開発

目標(MDGs)」を紹介し、アフリカの貧困層の生活、教育やジェンダー

による格差、プラスチックごみによる生態系への影響など、クイズを交え

ながら説明。SPJの活動としては、「誰一人取り残さない」社会を目指す

SDGsの目標に向かって、「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に

関する啓発活動や、ウガンダでの南スーダン難民支援事業などについて

説明しました。

 

MPJユースの学生2名は、ユーモアを交えながら、アフリカでの研修経験

を語り、最後に、中学生として、世界に目を向け、SDGsに貢献できる

ことを、わかりやすく熱意をもって語りました。

 

生徒の皆さんからは、「文化としての男女の違いがあるが、それを平等に

するためには何をどうすればいいか」「アフリカに支援している国は

多いと思うが、日本の支援は諸外国の支援と比べ不足はないのか」など、

オンラインを通じて鋭い質問が投げかけられました。

また、講演後、生徒の皆さんが各教室で今回の講演についての感想や、

これから自分ができることなどをレポートされている様子を拝見して

廻り、Q&Aにも応じました。

 

今回の講演が、つくし野中学校の生徒さんの「SDGsの達成に向けて

自分だからできること」を考え、行動するための一助になることができ

ましたら、非常に嬉しく思います。

 

つくし野中学校の校長先生、皆様、貴重な機会をいただき、本当にありが

とうございました!

 


本日1月30日は、世界NTDデーです!

NTDsとは、顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases)の略称で、世界保健機関(WHO)が定めた20疾患の総称です。全世界で10億人以上が被害を受けています。

 NTDsの特徴は、中低所得国における極端な貧困層に患者が集中していることです。これらの疾患にかかると、重度の身体障害が後遺症として残ってしまう可能性が高く、生涯、身体的・精神的な影響を及ぼします。これにより、周囲からの偏見や自身が物理的に働けない状態に陥り、経済成長の妨げにもなります。また、NTDsは死亡率が低い上、世界の特定の場所及び経済層に集中する疾患であるため、治療薬開発等が遅れ、対策が軽視されてきました。そのような中、NTDsに対して立ち向かうため、2012年にNTDsに対するロンドン宣言が発表されました。これは、世界で初めて、世界中のパートナーによる2020年までのNTDs(10疾患を対象)の制圧支援を表明した宣言です。

さらに、今年2020年6月25日にルワンダの首都キガリにおいて開催されるマラリア及びNTDsに関するサミットでは、ロンドン宣言の後継として、NTDs制圧に向けた各界のコミットメントを示すキガリ宣言が打ち出されます。

SPJは、パートナー団体と共に、今後もNTDの制圧に向けて全力で取組んでいきます。


東京国際大学の授業にて講義を行いました!!

SDGs・プロミス・ジャパンは、11月29日(金)、東京国際大学にてSPJの活動に関する講義を行いました。本講義はSocial Businessをテーマに9月からスタートし、国際戦略研究所の取出恭彦教授が週二回の授業を行い、現在後半を迎えています。70~80名程度の留学生が授業を履修しており、本講義についても英語で授業が行われました。

まず初めに取出教授からNGO,NPOの活動についてのイントロダクションが行われました。

イントロダクションを行う取出教授

その後SPJ理事長・鈴木より、旧名称(ミレニアム・プロミス・ジャパン)時代の活動を紹介するビデオを放映し、現在のウガンダでの難民支援、マラウイでのバオバブ製品の製造販売を通した農民の自立支援、サイクロン被災者への食糧・リカバリー物資配布支援の紹介、顧みられない熱帯病撲滅のためのキャンペーンについて話をしました。最後にウガンダでの南スーダン難民のメンタルヘルスケア支援に関する現地の活動の様子を映像化したビデオを見てもらいました。

学生を前にSPJの活動内容について講義するSPJ理事長・鈴木
講義の様子

講義の終わりには、留学生の方々によるビジネスアイデアを発表するプレゼンテーションの時間が設けられ、二つのグループがそれぞれプラスチックごみの回収、昆虫食に関するアイディアを発表しました。私たちも学生の皆様と一緒に新鮮な視点を学ぶことが出来ました。

今回は大学の授業の一環で講義をさせて頂くという貴重な経験をさせて頂きました。取出先生、学生の皆様、誠にありがとうございました!!

東京国際大学正門前にて。取出先生との一枚

「顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟」の第2回目の会議が2019年10月29日に開催されました。

元厚生労働大臣の塩崎恭久衆議院議員(自民党)と秋野公造参議院議員(公明党)が呼びかけ人となり、今年5月に設立された「顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟」の第2回目会議が開催されました。議員関係者、政府系機関、大学、企業、市民社会等から約100名が参加し、前回に引き続いて盛会となりました。

会場の様子

同会議では、事務局長である秋野公造参議院議員が司会進行役を務め、会長の塩崎恭久衆議院議員の挨拶の後、鷲見学外務省国際保健政策室長からTICAD7についての報告がありました。報告では、NTDs関連のイベントがいくつか開催されたこと、また、首脳宣言である「横浜宣言2019」の中の「行動計画」において、NTDsに関する行動主体及び周知目標が示され、「TICAD7における日本の取り組み」の中の我が国支援の方向性においても、NTDsが記載されたこと等について説明がなされました。続いて、一盛和世長崎大学客員教授が、NTDsの概要、制圧に向けたWHOによるロードマップの状況、オンコセルカ症を例としたNTDs対策の現状について説明されました。

NTDsの対策等を説明する長崎大学一盛和世客員教授

次に、佐原康之厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)からは、GHIT(グローバルヘルス技術振興基金)を通じた住血吸虫症及びマイセトーマといったNTDsの治療薬開発支援、WHOアフリカ地域事務局のNTDs制圧に向けた拡大特別プロジェクトであるESPENへの支援とその必要性についての報告がありました。その後、参加された議員のなかから、自見はなこ参議院議員、国光あやの衆議院議員、古屋範子衆議院議員、逢沢一郎衆議院議員が、NTDs治療薬の開発の現状、ESPENへの支援等に関する活発な質疑やコメントをいただきました。

自見はなこ 参議院議員
国光あやの 衆議院議員
古屋範子 衆議院議員
逢沢一郎 衆議院議員

最後に事務局長の秋野公造参議院議員より「顧みられない熱帯病に係る対策の推進に関する決議」案の説明、そして議員連盟による決議がなされました。決議案で示された実施要請内容は、

1) アフリカにおいてNTD蔓延による健康被害が甚大であることを認識し、我が国としてNTDに対する支援を積極的に行っていくことを再確認すること、

2) GHITを通じた、NTD対策に必要な医薬品等の研究開発に引き続き積極的な支援を行っていくこと、

3) アフリカのNTD対策へ向け、医薬品の研究や開発のみではなく、医薬品の流通を促進する保健システムの強化に対しても積極的な支援を行っていくこと、

4)令和元年度補正予算が編成される場合には、TICAD7及び日本企業のアフリカ進出のために一刻の猶予も許さないことを踏まえ、ESPENに対して必要額の予算を確保し、その後も継続的な支援を行うこと、

の4つでした。

会長 塩崎恭久衆議院議員
事務局長 秋野公造参議院議員

持続可能な開発目標(SDGs)では、ゴール3.3 にNTDsの流行を終わらせ、「顧みられない熱帯病に対する治療介入を必要としている人々の数(SDGs 3.3.5)」を減らすことが明記されています。SDGsの達成のための支援活動の1つとしてNTDsのアドボカシー活動を行っているSDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)では、今回の会議によって、NTDsの問題と支援状況についての理解が促進され、議員連盟による決議により我が国による新たなNTDs対策への支援の道筋ができたことをしっかりと確認することができ、非常に心強く思っています。

*:ESPEN(Expanded Special Project for Elimination of Neglected Tropical Diseases)は、WHOアフリカ地域事務所(AFRO)による2016年から5年間のプロジェクト。5つのNTDs(オンコセルカ症、フィラリア症、住血吸虫症、土壌伝播寄生虫症、トラコーマ)に対する医療サービスのアクセスを改善することで、制圧と排除を加速することを目的に、AFRO加盟国のNTDsプログラムに技術的支援及び資金調達の支援を提供するもの。