サラヤ株式会社の手指消毒剤、ガーナ保健省ほかへご寄贈!

SDGs プロミス・ジャパン(SPJ)の連携NPOであるミレニアム・プロミス・アライアンス・ガーナ(Millennium Promise Alliance Ghana-MPAガーナ)が、現地にて実施している「1 million PPE(百万人の保護具)」キャンペーンへのご協力をいただき、サラヤ株式会社(代表取締役社長 更家悠介氏)の手指消毒剤(19,040本:約20万ドル相当)が、211日にガーナ保健省に届けられました。


寄付された手指消毒剤(ラベルも英語に貼り替え)

実は、サラヤ株式会社からのご寄付とガーナへの輸送は、既に2021年春に完了していましたが、現地での手続きやラベルの貼り替えなどの作業により、ご寄贈が1年近く滞っていました。ようやく先週、2022211日(金)にガーナの首都アクラにある保健省(Ghana Health ServiceGHS)本部にて、MPAガーナから保健省への授与式が行われました。

MPAガーナは、感染者のために命がけで治療や看病を行い、最前線で活躍する医療従事者の方々のために、20209月から個人用保護具(PPEPersonal Protective Equipment)を百万個届ける「1 million PPE」キャンペーンを実施していました。1 million PPEに関するサイトの詳細⇒ https://bit.ly/3HN9qcm

MPAの日本のカウンターパートであるSPJは、ガーナにおいてもCOVID-19との戦いを支援するために、サラヤ株式会社に相談させていただいたところ、快く大量の手指消毒剤のご寄付をお申し出いただいたのです。

世界の多くの国々と同様に、当時、ガーナでは防護服、安全な靴、呼吸器保護具などを含むPPEが大幅に不足していたため、感染者のほかにも多くの医療従事者が大切な命を落としていました。不足するPPEを補うために、マスクを使い回したり、防護服の代わりにゴミ袋を使用したりしていたそうです。


授与式の模様(左:GHS局長パトリック・クマ・アボアゲ博士、中央:MPACEOナサニエル・エボ・ンサルコ博士、右:JICAガーナ所長の荒木康道氏)

授与式には、ガーナ保健省局長であるパトリック・クマ・アボアゲ博士、MPAガーナCEOのナサニエル・エボ・ンサルコ博士、そしてJICAガーナ事務所長の荒木康道氏にもご参加いただきました。


サラヤ(株)の更家社長からの英文スピーチを代読する荒木氏

授与式では、サラヤ株式会社の更家社長から頂いた英文のご挨拶を荒木氏が代読してくださいました。その中で、手指消毒剤の提供を促進したSPJへの感謝の意を表してくださるとともに、ガーナの人々の健康をより良く、そしてガーナの繁栄のために、ガーナと日本間のビジネスと社会的関係をより強固なものへと築くために、大いに役立つと述べて下さいました。

手指消毒剤を受け取られたガーナ保健省局長のアボアゲ博士は、長年にわたって保健省(GHS)を継続的に支援してくれているMPAに感謝され、、今回のサラヤのご寄贈は、パンデミックと戦う最前線の医療従事者を助けるだけでなく、これらの基本的なPPEを生産するサービスの財政的負担を減らすことにも大きな貢献となる、と述べられました。さらに、アポアゲ局長からは、サラヤ、SPJMPAに対する感謝のお言葉をいただき、他のNGOや一般の人々にも国内でのCOVID-19パンデミックとの闘いを支援するよう要請されました。ガーナMPAの今回の寄付に関する特別サイトhttp://millenniumpromise.org.gh/saraya_donation/

ガーナでは、まだまだCOVID-19対策への支援が必要な状況のようですので、手指消毒剤は保健省へのご寄贈のほか、NTD(顧みられない熱帯病)センター、コミュニティ・ヘルス・ワーカー・プロジェクトにも届けていただくことになっています。

授与式の模様は、ガーナのテレビニュースでも放送されました。JICAガーナの荒木所長には、ご多用のところご協力くださり、ガーナの感染症対策を支援する日本の誠意を示していただき、感謝しております。また、更家社長をはじめサラヤ株式会社の皆様には、多大なご寄付を賜り、改めてお礼を申し上げます!

関係者一同、手指消毒剤が多くの医療関係者の方々のお役に立つことを心から祈っております。

 


ウガンダの小学校のエコキッチン、完成! 列を作る子供たち

SDGsプロミス・ジャパン(SPJ)が、昨年20212月から取り組んできたウガンダのスターリング小学校へのエコキッチン建築事業の続報をお伝えします。

スターリング小学校は、ウガンダの首都カンパネラから約59.8kmに位置するルエロ県カサナにあります。ウガンダでは、北部にて政府と神の抵抗軍(LRA)との内戦が20年に及びました。現在、LRAは勢力を失い海外に拠点を移していますが、紛争はこの地域から始まり、周辺地域の開発が遅れているということす。スターリング小学校は、貧しい地方の子供たちに質の良い教育を提供する目的で、ベネディクトさん夫婦らが3年前に設置されました。学校に通えなくなる子供たち(特に女子)が多くいる中、より良い教師や経験豊富な理事たちを迎え、この小学校は地域にとって大きな存在意義を持っています。

SPJは学校への寄付ではなく、エコキッチン建築を学校側に申し出て、SPJ独自事業として行ってきました。この度、現地の窓口となってくださっているベネディクトさんから今年20222月初旬に嬉しい知らせが届きました。

子供たちが、2年間のロックダウンを終え学校に戻ってきたそうです。そして、エコキッチンが完成し、フル稼働しているそうです。子供たちが列を作って昼食を待っている写真を送ってくれました。


エコキッチン全景


昼食を楽しみに待つ子供たち


もうすぐ順番が来るよ!

エコキッチン内部

子供たちはもちろん、その両親も近代的なエコキッチンを大変喜んでくれているそうです。

 

昨年9月にお知らせした支援概要はこちらhttp://sdgspromise.org/?p=12213

 


【開催案内】SDGsスペシャリスト稲場雅紀氏 特別講演シリーズ第2弾開催決定!2022年2月25日(金)15時~オンライン開催

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)では、ゲストに稲場雅紀氏(アフリカ日本協議会 国際保健部門ディレクター)をお招きして、ウィズコロナ・アフターコロナ時代におけるSDGs達成への課題や今後の展望などについて3回にわたりお話しいただいています。今回はの第2弾で、テーマはグローバルヘルスの課題についてです。質疑応答の時間もたっぷり含んだ2時間構成となっております。是非この機会をお見逃しなく!

【講演概要】
日時:2022225日(金)15:0017:00(日本時間)
形式:Zoomによるオンライン配信
参加登録:下記リンクより、202222318時までにお申込ください。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_VmAIjm6fTrCLTA7QgPeidg
参加費:無料 

【第2回 講演テーマ】
グローバルヘルスはどう変わるべきか:コロナの教訓から考える 

【第2回 講演内容】

2016年に開始されたSDGs(持続可能な開発目標)は、2023年に中間年を迎えます。2030年までに貧困のない持続可能な社会を、という野心的な目標は、コロナによって大幅な後退を余儀なくされ、気候変動や生物多様性の喪失といった「地球の限界」の危機は待ったなしの状況です

シリーズ第2回となる今回の講演では、『SDGs 目標3 – すべての人に健康と福祉を』に焦点を当て、新型コロナウイルスの影響で明らかになったグローバルヘルスの脆弱性がどこにあるかを探ります。ウィズコロナ・アフターコロナ時代において必要なレジリエンスを確保するためにはどのような変革が必要か、稲場氏と共に考えてみましょう。

【講師:稲場雅紀氏の略歴】
1969年生。90年代から、日本の貧困問題や労働問題、LGBTの人権やHIV/AIDSへの取り組みを経て、2002年からNPO法人アフリカ日本協議会で国際保健に関する政策提言に従事。2008年のG8洞爺湖サミットを機に、G7/G20や国連SDGsレビュープロセスなどに関する日本の市民社会のアドボカシーの調整を担う。2012年以降、SDGs策定プロセスに市民社会としてかかわり、2016年、SDGs市民社会ネットワークの設立に参画、専務理事などを歴任。同年から政府「SDGs推進円卓会議」構成員。2021年から政府「グローバルヘルス戦略有識者タスクフォース」構成員として新グローバルヘルス戦略の策定にもかかわる。共著に岩波新書「SDGs 危機の時代の羅針盤」(南博・広報外交担当日本政府代表との共著)など。


2022年1月30日(日)「世界NTDの日」開催!

先日130日(日)の「世界NTDの日」に、特定非営利法人SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)は、長崎大学熱帯医学研究所、日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGntd)、一般社団法人日本熱帯医学会学生部会(J-Trops)との共催で、ライトアップ・イベントを実施いたしました。

SPJが担当する東京タワーでは、世界に先駆けてNTDのシンボルカラーであるオレンジと紫にライトアップされました。また、1 25日から31 日の間、2 階の展示スペースにてNTDs に関するパネル展示を実施いたしました。

【「世界NTDの日」ライトアップ】
日時:令和4年1月30日
ライトアップ場所:
函館 五稜郭タワー
東京 東京タワー
長崎 稲佐山電波塔(中止)、眼鏡橋、袋橋、女神大橋
共催:特定非営利活動法人SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)、長崎大学熱帯医学研究所/日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGntd)、一般社団法人日本熱帯医学会学生部会(J-Trops)
協賛:エーザイ株式会社、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)、公益財団法人笹川保健財団
後援:外務省、厚生労働省、独立行政法人国際協力機構(JICA)、特定非営利活動法人 DNDi Japan、日本製薬工業協会、Uniting to Combat Neglected Tropical Diseases、Abu Dhabi Crown Prince’s Court
協力:株式会社TOKYO TOWER、長崎市役所、五稜郭タワー株式会社

 

当日の東京タワーの様子
東京タワー内2階の展示スペース

そのほか、以下の関連イベントも次々に開催されました。

1.1月26日(水)バーチャルイベント:「Achieving health equity to end the neglect of poverty-related diseases」

上記をテーマに、日本時間22時から世界保健機関(WHO)主催のバーチャルイベントが開催され、各国及び国際機関の代表が、パンデミックにもかかわらず、懸命に働き続けているヘルスワーカーに感謝を述べながら、すべての人に公平な保健サービスを促進するために、各種介入の強化にもっと焦点を当てるよう呼びかけました。日本からは武見参議院議員が参加しました。

詳細:https://youtu.be/l_s3NZMHztQ

2.1月27日(木)「世界NTDの日」国際ハイレベル会合(オンライン)

日本時間23時、世界300以上の団体をパートナーとして、“100% Committed”を国際的なスローガンに、各国政府や企業、財団などからNTD制圧にむけたコミットメントを確保するため、(キガリ宣言は6月ではないのでしょうか?吉岡さんによるとすでにWHOのサイトで発表されていると聞いたような気がしますが、27日のこのイベントでしたか?)国際ハイレベル会合が開催されました。日本からは安倍晋三元総理大臣及びエーザイ株式会社の内藤晴夫社長がビデオメッセージにて参加いたしました。

3.1月30日(日)国内:「世界NTDの日」ライブイベント

1月30日(日)ライトアップの当日、日本時間16時30分~18時30分に、関連団体、企業、学生が参加してNTDについて、多くを学ぶ機会を提供するイベントが開催されました。

第1部では、「日本にもある熱帯病」として、①疥癬(かいせん)、②シャーガス病、③肝蛭症(かんてつしょう)の現状が紹介されました。どれも日本では認知度が低く、診断をくだせる医療機関が少ない事、治療薬が開発されない事、世界に治療薬があっても日本では承認されていない事、など多くの問題点が認識できる内容でした。

第2部では、「NTD対策に関わる人々」の以下の対談が行われ、それぞれNTDに対する熱い取組みが紹介されました。

①GHIT Fund×シスメックス株式会社
②DNDi Japan×塩野義製薬株式会社
③笹川保健財団×ヤンセンファーマ株式会社
④JICA×エーザイ株式会社

最後には、各地のライトアップ中継をライブで見る事ができました。日本では、東京タワーの他、函館の五稜郭タワー、長崎の眼鏡橋、袋橋、女神大橋がライトアップされました。既に終了したイベントではありますが、企画につきまして以下をご覧ください:https://jagntd.org/worldntdday2022