【復興支援】「チーム恵比寿」の弾丸バスツアーご報告

昨年暮れのこととなりますが、ミレニアム・プロミス・ジャパン復興コーディネーターの本間真理子が、「チーム恵比寿」の弾丸バスツアーに参加してまいりましたので、ご報告いたします。

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【陸前高田に到着しいよいよ活動開始】
【陸前高田に到着しいよいよ活動開始】
 
 東日本大震災の発災から1年10ヶ月以上が経ちました。歳月が経過しても復興の兆しを見い出だすことが難しい被災地では、長引く不自由な生活に、希望を失いかけている人々も少なくありません。

すでにご報告の通り、MPJはアフリカ支援に特化していた定款を変更し、被災された東北の方々に少しでも笑顔を届けるために、支援活動を行って参りました。
 
2011年の年末は、陸前高田市のクリスマス・年越しイベントの企画・実施に協力致しました。大晦日の花火の打ち上げ、元日のチャリティランには北岡会長、鈴木理事長はじめMPJのスタッフが主体となってイベントを盛り上げ、被災された方々と共に過ごしました。
 
昨年2012年は、長期化する避難生活で難しい課題が山積する被災地の変化する状況ので下、MPJは小規模でも、地道に継続され、被災者に喜ばれている活動へと支援をシフトしました。その中で実現したのが「チーム恵比寿」との連携でした。
 
「チーム恵比寿」の代表を務める加倉井昌幸さんは震災後間もなく整体師仲間と支援活動を開始。刻一刻と変化する環境に丁寧に寄り添いながら、避難所、仮設住宅をほぼ隔週おきに訪問し、整体と同時に心のケアを提供し続け、現在は整体師、美容・理容師、ネイリスト、ミュージシャン、マジシャン、バルーンアーティスト、落語家さんなど多彩なタレント150名を超すメンバーで活動しています。
 
MPJは彼らの訪問が円滑に行えるよう2012年5月以降の訪問から参加し、仮設住宅での受付業務や傾聴などを行うサポートスタッフとして活動しています。
 
1回の訪問に使える時間は30時間です。深夜12時に恵比寿に集合し、施術に使用するベッドや資機材を積み込んだ小さなマイクロバスに乗り込み、8時間近くをかけて移動。丸一日活動した後に同じバスで戻り、始発が動き出す早朝6時に恵比寿で解散します。

極限状態にある被災地で活動を継続するのは簡単ではありません。受け入れを拒否される団体も少なくない中、訪問時の細かな配慮がメンバーに徹底されているために、喜ばれ、要請を受けて訪問回数を重ねています。
 
MPJは献身的なボランティアを根気良く続けて来た彼らの熱意に敬意を表して、「2012年クリスマス陸前高田・大船渡ツアー」に大型バスのサプライズプレゼントを贈りました。

12月23日の深夜。恵比寿駅に集合したメンバーからは大きな歓声が上がりました。「活動を始めて1年9ヶ月、こんな大型バスで訪問できる日がやって来るとは想像も出来なかった。」「歴史的な日だ。夢のよう」「続けてきて良かった」バスの中には歓喜の声とともに、MPJへの感謝があふれていました。

彼らの喜びに満ちたエネルギーは施術を通じてそのまま被災地の方々へと伝達され、被災地へのクリスマスプレゼントとなったことは言うまでもありません。そして、これからもボランティア活動を継続するための励みとなりました。

【釜石でのワイン配布】
【釜石でのワイン配布】

クリスマス。もう一つのプレゼント。それはワイン発祥の地、グルジアからのワインのプレゼントです。MPJの復興支援コーディネーターを経た後、現在、私(本間真理子)はご縁を頂き、グルジアに30ヘクタールの葡萄畑を所有しています。これからワインの仕事を通じて被災地に1000人の雇用を生み出そうと頑張っています。

昨年末、自社の初めてのワインが出来ました。まず被災地の人に味わって頂きたいと願い「Wine for Two」というキャンペーンを立ち上げました。100%無添加の美味しいグルジアワインを1本お買い上げ頂く毎に被災地にもワインが1本プレゼントされるという仕組みです。この提案に最初に賛同し、個人的に参加して下さったのがMPJの北岡会長ご夫妻でした。短いキャンペーン期間にも拘らず、お蔭様で1200本のワインを釜石、大槌、陸前高田、大船渡へお届けすることが出来ました。「Wine for Two」にご賛同・ご参加下さった皆様に心から御礼申し上げます。

【大船渡中仮設でハワイアンムードいっぱいのクリスマスパーティに思わず笑顔があふれます。】
【大船渡中仮設でハワイアンムードいっぱいのクリスマスパーティに思わず笑顔があふれます。】

クリスマスにワインをお届けした仮設住宅の集会所では、心のこもったワイン会を開くことが出来ました。
 
大船渡中の仮設で会ったHさん。
「震災前は家事に加えて、家業のクリーニング点の切り盛り。人が働いているときに働き、休んでいるときにも働いた。それでも何をやっても否定される毎日だった。ストレスのために過去に3度も入院した。津波がフレームをすべて流してくれた。昔からのしがらみも権威もすべてを流してくれた。薬も流されて、初めて薬を飲まない生活をしている。もらった命だから人のために出来ることを精一杯やりたい。」

そう語るHさんは、現在は仮設を訪問するボランティアの受け入れ窓口となり、住民たちの世話を進んで引き受けています。津波で新しい命をもらったと自信をもって語る笑顔が印象的でした。
 
釜石市では継続が危ぶまれていた「石屋イルミネーション」というクリスマスイベントが、全国から寄せられた善意の支援で震災後も継続でき、地元の方々を励ましています。今年はグルジアワインのプレゼントも実現しました。渡されたボトルを抱えて、輝くイルミネーションに照らし出される皆さんの笑顔を拝見し、これからも継続して行きたいと思いました。

【間もなく解体が始まる旧陸前高田市役所前で合掌】
【間もなく解体が始まる旧陸前高田市役所前で合掌】

陸前高田では年末から旧市庁舎の解体が始まり被災の記憶の風化が危惧されています。尊い犠牲の上に学んだ数々の教訓は決して忘れてはなりません。たとえ地球上のどこであっても、不自由な生活を余儀なくされている方々がいる限り、今後も出来る限りの支援を続けていく必要があると感じています。