【活動報告】MPJユースの会 ガーナ研修 2020年2月

 

2020214日~31日、SPJ関連団体「MPJユースの会」メンバー13(研修代表・小牧将吾さん)が、アフリカ研修としてガーナを訪問しました!

 

 写真:2019年度ガーナ研修参加メンバーとSPJ理事長鈴木りえこ

  SPJ理事長の鈴木りえこも学生らとミレニアム・ビレッジを訪問し、女子大生と村のゲストハウスに2泊しました。すでに何度も訪問している村ですが、訪れるたびに活気にあふれている様子です。

  宿泊は、コロンビア大学の大学院生らも夏休み研修の際、2か月間宿泊するゲストハウスをご紹介いただきました。

 冷房も効き(男子学生の部屋の一部は冷房が壊れていたそうですが)、女子大生の部屋は78人分のお湯がでるシャワーもあり、料理教師の資格を持つ方が毎晩現地料理を作ってくださいました。お陰様で皆、楽しく過ごしました。 写真:宿泊先のゲストハウス前にて

  週末でしたが、村の中のカカオ農園や学校、日曜日の教会ミサにも参加させていただき、教師の話を聞いたり、家庭料理の様子を見せていただいたり、教会では信者の皆さんと一緒にダンスを踊ったり、子供たちと交流する素晴らしい機会をいただきました。 写真:ミサのためにおめかしをした教会の子ども達

  その後、村はずれの象皮病(顧みられない熱帯病の一つ)の患者さんを訪問させていただきました。周囲の人々も象皮病が感染しないものと認めていて、彼女は村の人々への調理サービスなどにも参加しているそうです。パートナーと義理のお母さまも彼女ができることを認めて、温かく見守ってくださっているようでした。 

写真:象皮病の患者さん

  ミレニアム・ビレッジは、ミレニアム開発目標時代(2000年~2015年)に、国連や民間企業、国際NGOによる10年以上の介入の経験を経て、社会・経済的にも周辺地域に比べて進んでいるようでした。

 

  「アフリカを全身で体感する」というコンセプトの元で毎年実施されるアフリカ研修。

今年の研修も、上述した内容に加えて、ガーナ大学に通う現地の学生との文化交流・学生会議、現地機関(在ガーナ日本大使館, 在ガーナJICA事務所など)の訪問なども盛り込まれた、コンセプトに沿った濃密な2週間となりました。

写真:ガーナ大学の学生たちとの文化交流会にて

 写真:野口記念医学研究所にてアブラハム・アナン所長と

 
写真:エクムフィ地域にあるパイナップル農園にて農家の方々と

  半年間の準備期間を経て実施された今回のガーナ研修。その詳細は、ガーナ研修の報告書(ページ下部)よりご覧いただけます!報告書を読むだけでも、きっとアフリカを今よりも近くに感じられるはずです!

 2019年度ガーナ研修報告書より抜粋~
 アフリカが援助の対象ではなく、ビジネスの場としても少しずつ着目されてきております。しかしながら、現地の事情について多少なりとも知っている人たちは少ないように思われます。そうした状況の中で、現地に赴いた我々が、今後のMPJユースでの活動や、これからの日々の生活の中で皆様に自分たちの経験を伝えていくことで、「アフリカ」と一括りにはできない、ガーナのような個々の国々の真の姿を知ってもらい興味を持っていただければ、それが我々のゴールなのではと考えております。

 ぜひ、研修参加メンバーの思いが詰まった報告書をご覧ください!
MPJユースの会 2019年度ガーナ研修報告書

MPJユースの会」 オフィシャルウェブサイトはこちらhttp://mpjyouth.official.jp/

 


杉並区立和田中学校にて講演会を実施しました!

2020年11月14日(土)、杉並区立和田中学校(校長:田口克敏先生)にて、全校生徒約200名を対象に、SPJ理事長・鈴木りえこと、SPJの関連団体『MPJユースの会(学生組織)』代表&副代表が「持続可能な開発目標(SDGs)について考える」というテーマで、講演いたしました。

本講演会は「東京都オリンピック・パラリンピック教育推進支援事業」の一環として、これからの時代を担う子供たちに必要とされる資質・能力(ボランティアマインド, 豊かな国際感覚等)の育成を図るという目的で開催されました。

先ず講演の初めに、鈴木は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に関するクイズを出題。海洋プラスチック問題、食品ロス問題、男女格差問題など、日本国内でも問題視されている事柄について、中学生の皆さんが関心を持ちやすいようにクイズ形式で紹介しました。

 

その後、SDGsの前身である「ミレニアム開発目標(MDGs)」の概要やその経験で得られた課題・反省点を踏まえてSDGsが出来上がったこと、SDGsの達成に向けてこれまでSPJが行ってきた様々な事業などについてお話しました。

後半は、MPJユース 代表・青山洋祐さん(東京大学2年)と副代表・山川綾菜さん(東京大学2年)が「アフリカ渡航体験談」と「中学生からできる国際貢献」をテーマに講演。

 

普段なかなか知ることのできないアフリカの様子やその魅力について、今年2月に実施された「ガーナ研修」で撮影した写真を沢山使いながら紹介しました。また、SDGsの共通理念である「誰一人取り残さない」社会の形成に向けて、中学生からできる国際貢献や、周りの人・世界の人に関心を持ち続けることの大切さを伝えました。

ちなみに和田中学校は、公立中学校の中で最初に民間の校長先生(藤原和博氏)が就任して、教育改革を進め話題になった学校です。

質疑応答では、「なぜ2030年がSDGsの目標達成年として設定されているのか?」といった鋭い質問が1年生からも投げかけられ、和田中学校の学生の皆さんのレベルの高さが垣間見れました。また、日本は世界の中でもジェンダー格差が大きい理由について、授業後もわざわざ尋ねに来てくれる男子生徒さんもいて、心強かったです。

和田中学校の校内には至るところにSDGsについてのポスターやサインが貼ってあり、講演中も学生の皆さんが一生懸命メモを取り、真剣な表情で聞き入っている姿がとても印象的でした。

 「誰一人取り残さない」世界の実現に向け、学生の皆さん一人一人が「自分にできること」について考え、行動を起こすきっかけ作りのお手伝いとなっていれば幸いです。

 

杉並区立和田中学校の田口校長先生はじめ関係者の皆様、生徒の皆さん、ありがとうございました!

田口校長先生(中央)、阿部圭祐先生(右)と校門前にて

 


【日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGNtd)連続ウェビナーのご案内】

 

日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGNtd)では、連続ウェビナー「顧みられない熱帯病対策:世界の潮流と日本の経験」を開催しています。

顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)とは、主に途上国の貧困層を苦しめる寄生虫症やウィルス感染症などの総称です。世界で10億人以上が少なくともひとつのNTDに感染していると言われ、国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)では、ターゲット3.3として、「2030年までにNTDsの流行に終止符を打つ」と明記されています。

NTDs対策が重要な政策目標として世界的に認識されつつある一方、対策現場では、適切な医薬品の欠如、途上国の脆弱な保健システム、近代医療への不信など様々な困難を抱え続けています。また、世界保健機関(World Health Organization: WHO)が、2012年に策定したNTD対策指針(通称ロードマップ)の後継版を発表予定でしたが、新型コロナウィルスの影響で後継版ロードマップの承認作業が遅れ、202011月現在、後継版のドラフトのみが先行公開されています。

本連続ウェビナー(全6回)は、日本でNTDsに関心のある方々を対象に、ウィズ・コロナ時代のNTDs対策について、WHOがロードマップで示す2030年までの目標や課題を紹介したのち、日本との関係が深いNTDs対策や技術開発事業のレポートを交え、NTDs対策の実情に迫ります。ご興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。

使用言語:日本語

参加費:無料

主催:日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGntd

後援:グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund

 

1回 「NTDs総論&リンパ系フィラリア症」

日時 20201125日(水)15:30-17:00

参加登録 https://zoom.us/webinar/register/WN_YaXoTgpvQfO-6y_-jq6akw

スピーカー

矢島綾氏 〈世界保健機関西太平洋地域事務所 顧みられない熱帯病専門官〉
多田功氏 〈九州大学名誉教授〉
關原誠氏 〈JICA「大洋州広域フィラリア対策プロジェクト」専門家〉

 

2回以降の予定(日程やスピーカーは確定次第お知らせいたします)

2回「皮膚NTDs202012

3回「住血吸虫症」20211

4回「シャーガス病」20212

5回「ハンセン病」20212

6回「マイセトーマ」20213

 


【開催案内】2020年12月9日(水)SPJオンライン・セミナー・シリーズ 第6回 詫摩佳代氏〈東京都立大学法学部教授〉

 

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)では、オンライン・セミナー・シリーズ「ウィズ・コロナ時代のグローバルヘルスを考える:感染症と人間の安全保障」を開催しています(過去セミナーYouTube公開中)。

 次回 2020129()は、シリーズ第6回目として「新型コロナで見えた国際保健協力の課題」と題し、東京都立大学法学部教授 詫摩佳代氏をお迎えします!

 グローバルヘルス・ガバナンス、国際政治学、国際機構論を専門として活躍されている詫摩氏は、この分野で今最も注目されている研究者のお一人です!

 ご著書『人類と病国際政治から見る感染症と健康格差』にて、「第42 サントリー学芸賞」(政治・経済部門)を受賞されました(1116日発表)!

 新型コロナウイルスの感染拡大によって明らかとなるグローバルヘルス、国際協力における課題とは何なのか?詫摩氏のお話をじっくり聞いて、直接質問も投げかけられる貴重な機会です!ぜひご参加ください!

日程:2020129日(水)18:30-19:3060分間)

対象:社会人、大学生(ユース)、グローバルヘルス・国際協力関係者など

開催方法:Zoomビデオウェビナー

こちらのリンクから事前にお申し込みください。

https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_1l3u1HIsTjWN0MjUqUyC7A

 

お申込みいただいた方には、参加用のZoom URLを送付致します。

【過去セミナー第1~4回 YouTube公開中】

▼SPJ公式YouTubeチャンネル登録はこちらからhttps://www.youtube.com/channel/UCsSlgpB_XUrW7CLKkhF0P9Q


顧みられない熱帯病(NTDs)制圧対策の新たなロードマップが発表されました!

2020年11月12日付、オンライン会議で再開された 世界保健機関(WHO)の第73回世界保健総会(WHA)にて、顧みられない熱帯病(NTDs)制圧対策の新たなロードマップ(2021-2030)が正式に発表されました。これは2012年に発布されたNTDs Road Map (2012-2020)の後継版になるもので、今後10年間のNTDs対策の道筋を示しています。

新ロードマップ「Ending the neglect to attain the Sustainable Development Goals: A road map for neglected tropical diseases 2021-2030」 は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標3 「全ての人に健康と福祉を」の達成に向けて、SDGsを実現するための17のゴール全てを対象に、分野横断的な方法を使い、世界各国や関係団体は、どのようにNTDs対策に取り組むべきかを示しています。

新ロードマップには3つの特徴があります。
1.NTDs対策のオーナーシップはNTDs蔓延国にあること。
2.疾患毎の対策から複数のNTDs疾患を合わせて保健分野に限らず他の分野との連携プログラム対策にあること。
3.NTDs対策活動の評価方法は人々やコミュニティに実際に与えるインパクトで評価すること。

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)は、2018年11月より国内外にて、NTDs制圧のためのアドボカシー活動に取り組んでいます。新たなNTDsロードマップの発表を受け、今後も引き続き、日本政府への働きかけ、民間企業、社会人や学生の方々へのアドボカシー活動に取り組んで参ります。

 

 

 注記:顧みられない熱帯病 (NTDs: Neglected Tropical Diseases)とは、熱帯地域の貧困層を中心に蔓延している寄生虫、細菌感染症 (WHOは20の疾患群を定めています)のことで、世界中で10億人以上が顧みられない熱帯病で苦しんでいます。


【YouTube公開中】SPJオンライン・セミナー・シリーズ 第4回

 

4回「コロナ対策の死角と人間の安全保障」

戸田隆夫氏〈独立行政法人 JICA(国際協力機構) 理事長特別補佐〉

▼YouTube公開中▼
https://youtu.be/GTDBIS8tWNM

SPJオンライン・セミナー・シリーズ「ウィズ・コロナ時代のグローバルヘルスを考える:感染症と人間の安全保障」第4回は、 JICA(国際協力機構) 理事長特別補佐の戸田隆夫氏をお招きし、開催いたしました!

人間の安全保障の視点から明かされる世界の新型コロナウイルス対策の死角
生まれた国や家庭によって「命」や「尊厳」の守られ方が左右されない『新しい世界』の構築に向けて私たち一人一人が出来ることなど熱く解説していただきました。

●国内でも感染拡大が続く中、国際協力に投資を行うことは日本にどのようなメリットをもたらすのか?

●パンデミック含む地球規模の課題解決において、日本に期待される役割とは?

●自国中心主義が高まる中で、国際協力を推進するにはどうしたらよいのか?

 当日は上記のような質問が多数寄せられ、オンラインでありながらインタラクティブなセミナーとなりました。

平和構築・グローバルヘルス分野の第一線で活躍されてきた戸田氏の経験談が詰まっている勇気と希望が与えられるセッションとなっています。ぜひご覧ください!

▼SPJ Online Seminar | セッション 4: 戸田 隆夫氏 (JICA(国際協力機構) 理事長特別補佐)
https://youtu.be/GTDBIS8tWNM

【過去セミナー動画はこちらから】

SPJ公式Youtubeチャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCsSlgpB_XUrW7CLKkhF0P9Q