シンポジウム報告書を公開

昨年(2021年)11月に開催された第36回日本国際保健医療学会学術大会にて、Japan alliance on Global NTDs JAGntd)が主催したシンポジウム【顧みられない熱帯病に関するキガリ宣言と日本の対応】の報告書が公開されました。

これは、長崎大学熱帯医学グローバルヘルス研究科の平山謙二教授とともに、SDGsプロミス・ジャパン(SPJ)の顧問でもある長崎大学熱帯医学研究所の吉岡浩太准教授が共同座長を務めたプログラムです。SPJもこのセミナーに関しましては後援をさせていただきました。

顧みられない熱帯病(以下「NTDs」:Neglected Tropical Diseases)は、まだまだ日本でも認知度が低い現状で、またウィズ・コロナ時代には、優先課題として維持し続けるのは難しいことなどが議論されました。 

このたびの報告書をきっかけに、少しでも政府、企業、市民社会団体などと連携を深められる事を、SPJも切に望んでいます。

報告書はこちらから=> https://bit.ly/3Kg88GJ

日本国際保健医療学会学術大会の開催案内はこちら
=> http://sdgspromise.org/?p=12415

SPJのフィリピン・リマサワ島へのスーパー台風オデット 災害支援事業 2

324日にご報告した、昨年12月にフィリピンを襲った大型台風ライ(現地名:オデット)で被害にあったレイテ島南沖に浮かぶ直径約10キロメートルの孤島、リマサワ島の人々への支援事業の続報をお伝えします。

資材はすべて揃い、すぐにでも運搬出来る状態なっていました。

用意された資材の一部
4/12(火)に現地Coast Guard(沿岸警備隊)の船によってリマサワ島へ資材輸送をする予定で、まさに運搬を開始していました。
レイテ島からリマサワ島に運ぶ寸前の資材

ところが熱帯低気圧、Agaton(アガトン)の影響で中止に! 
これは、日本では台風2号の発生かもしれないと伝えられたものですが、フィリピンには再度、多大な被害をもたらしました。

Coast Guardも被災者の救助活動に入っているため、輸送の代替スケジュールを立てられずいましたが、ようやく4月20日にリマサワ島に資材が届きました。資材自体は被災していなかったのは幸いでした。

夜に到着した資材を運ぶ業者たち

これまでも輸送スケジュールの遅延が続いていましたが、今回のアガトンの影響も含め、プロジェクト自体が当初の完了目安(531日)より遅れる可能性もあるかもしれません。

前回の報告でお伝えしたように、SPJ201312月のスーパー台風ハイエンの際に、支援事業に携わった赤坂友紀さん(当時SPJ国際派遣スタッフ)を通じて株式会社ココウェルに今回の事業を委ねております。そのココウェルの現地プロジェクト推進者として、フランシス夫妻などが協力してくれています。フランシス夫妻が住むレイテ島のBayBay Cityは地滑りや洪水などで最も被災した場所で、死傷者が出て大変な状況だそうです。

 アガトン被災前に打合せをするフランシス夫妻と業者(右) 
今回のプロジェクトのシンボルTシャツを着る業者

それにも拘わらず、BayBayの行方不明の近所の方の捜索や避難所でボランティアをしながら、リマサワ島の支援の準備も「バヤニハン(相互扶助)」の精神で活動を推進する準備を行ってくれています。

※バヤニハン:フィリピン社会でみられる伝統的相互扶助慣行のこと。村落内の道路・橋・水路作りなど住民の共同利益,共通課題解決のための無償労働提供から,農作業における労働力の互助交換,家屋の建築・移動,出産,結婚,葬儀など生活面での助け合いまですべてこの概念の中に入ります。今回、最初は大工を雇い2〜3軒サンプルハウスの作り方をデモンストレーションし、残りは「バヤニハン(相互扶助)」のスキームで受益者たちが助け合いながら建築を完成させます。

一刻も早くリマサワ島の人々に屋根のある家を提供できることを願っています。

 前回の報告はこちら=> http://sdgspromise.org/?page_id=12527