ルワンダ共和国・ジェノサイド17周年記念イベントのご報告

ジェノサイド.jpg 2011年4月7日、ルワンダ共和国主催のジェノサイド17周年追悼イベント、“Commemorating the Genocide against Tutsi: Upholding the Truth; Preserving our Dignity(真実のために立ち上がり、ルワンダ人の威厳を守る)”が、フルゴスペル東京教会(新宿)で開催されました。
夏井さん.jpg3月にルワンダにてルワンダ国立大学の学生たちと国際学生会議を開催後、ミレニアム・ビレッジや虐殺記念館を視察したミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)ユースの会のメンバー夏井悠妃さんが、若者の視点から英語のスピーチを行いました。
夏井さんは、ルワンダの人々は1994年の虐殺の教訓から学び、その辛苦を克服し、自国のイメージを回復するために努力しながら、アフリカを代表する急速な成長を遂げていること、学生たちは真剣に世界における自分の役割を考えていること、成功の鍵は強い政治的リーダシップであることなど、短い訪問の中で得た印象について、ビデオも交えて25分間にわたり話をしました。


MPJ名古屋事務所主催:第3回研究会のご報告

第三回名古屋研究会.jpg 去る3月27日、なごや地球ひろばにおいて、ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)名古屋事務所主催の第3回研究会を開催しました。

【写真右】研究会の様子


山本恵子理事.jpgテーマは「ウガンダ女児就学支援の成果と今後について」として、MPJが2010年以来、ウガンダのミレニアム・ビレッジ、ルヒーラ村で行っている女児の中等教育就学支援について、その経緯、成果について、理事長の鈴木りえこが報告いたしました。女児支援の詳細については、以下をご一読ください。
http://millenniumpromise.sblo.jp/article/44430942.html

【写真】司会をするMPJ理事(名古屋事務所長)の山本恵子


週末にもかかわらず、名古屋の中学・高校の教員、学生、PTAら教育関係の方々が多く参加してくださいました。研究会後、中学生たちに印象を聞きましたところ、「勉強したくてもできない環境」などをはじめ、自分たちの環境との違いに驚かれ、遠いアフリカに住む貧しい子どもたちへの関心が高まったようでした。


MPJユースのルワンダ視察

図2.pngミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)「ユース」のメンバー12名(プロジェクト代表:夏井悠妃さん、副代表:大澤信利さん)が、3月初旬から2週間にわたり、ルワンダ共和国を訪問しました。東京大学の奨学金を得て、ルワンダ国立大学の学生たち約30名と国際学生会議を開くことが主たる目的でした。MPJ会長の北岡伸一(東京大学教授)、理事長・鈴木りえこ、MPJプロボノの有志3名(栗山浩延さん、友田時雄さん、宮川政憲さん)のほか、今年発足したばかりの「関西ユース」の代表(山中学さん)も合流しました。

【写真】ルワンダ国立大学にて


「ユース」の会では、事前に数回ルワンダに関する研究会を開催し、会議のための準備を重ねました。首都キガリから車で3時間ほどの地方都市ブタレにあるルワンダ国立大学にて、3日間、政治、経済、医療、社会などの分科会、その後、全体統括を行い文化交流会などを経て、学生同士の交流を深めました。日本側では、韓国の学生たちが来日し日本に残った「ユース」のメンバーらとともに、スカイプを通じてこの国際会議に参加しました。
ルワンダを訪問した「ユース」のメンバーは、駐ルワンダ日本大使の畑中邦夫氏からお話を伺ったり、中央銀行総裁François Kanimva氏やルワンダ財界のトップらとも面談、そのほか外務省や国連開発計画(UNDP)、JICAオフィスを訪問するなど、非常に充実した内容のスケジュールを元気にこなしました。
中学校PC教室.jpgDSC_0280.JPGMayange Village (Rwanda).jpg
【写真】左から:ソニーから寄贈いただいたVAIOも使った中学校のパソコン教室、小学生たち、Mayangeのクラスター・オフィスにて
なかでもハイライトの一つは、ミレニアム・ビレッジMayangeを訪問したことです。キガリからほど近いクラスター・オフィスでチームリーダーのドナルドから説明を受けた後、村の小・中学校、クリニック、インターネットができるKIOSK, 意欲的にマンゴやパイナップルを栽培に取り組むモデル農家、キャッサバ工場、村の女性たちがつくる民芸品ショップなども尋ねました。短い時間でしたが、小学校での子どもたちとの触れ合いが、とりわけ印象に残ったようです。
一方、MPJ会長・北岡伸一は、ルワンダ国立大学にて学生を対象に「世界史における日本」というタイトルで講義を行いました。また、元・外務大臣で現・教育大臣のCharles Murigande博士や、元・国連大使で現・環境国土大臣のStanislas Kamanzi氏らとも面談し、ルワンダと日本の将来のための貴重なディスカッションを行いました。
詳細は「ユース」のルワンダ視察報告をご一読ください。
Rwanda report.pdf
ルワンダ中央銀行総裁と.jpgDSC_0265.JPGDonald ルワンダ.JPG
【写真】左から:中央銀行総裁を囲んで、気仙沼中学校から寄贈された文房具を届けました、Mayangeクラスター・オフィスの看板の前にて(北岡伸一とドナルド)


MPグローバル理事会とセネガルのミレニアム・ビレッジ視察

DSC05644.JPG去る2月10日から13日まで、セネガル共和国の首都ダカールにて、ミレニアム・プロミスのグローバル理事会が開催されました。ニューヨークのミレニアム・プロミスのグローバル・アライアンスであるミレニアム・プロミス・イギリス、ミレニアム・プロミス・オランダ、ミレニアム・プロミス・ジャパンから約40名の理事が顔を合わせ、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの今後の戦略について熱心に討議しました。日本からは、鈴木りえこ理事長、岩瀬大輔理事のほか、特別ゲストとして勝間和代さんも参加してくださいました。
【写真】駐セネガル日本大使の深田博史氏を囲む勝間和代氏と鈴木理事長
また、理事一行はセネガルのミレニアム・ビレッジPotouも訪れ、2006年からのプロジェクト第一期5年間の成果を確認いたしました。Potouでは、理事たちが訪れた日に村のラジオ局が開局され、サックス教授と西アフリカのミレニアム・ビレッジを統括するDr Amadou Niangのスピーチが村人に向けて放送されました。また、コミュニティ・ヘルス・ワーカーたちがお揃いの淡いオレンジ系ユニフォームで出迎え、その自信に満ちた笑顔からそれぞれが仕事に誇りを持っている様子が伺われました。一方、村の広場では、村人や子供たちが各自晴れ着を着て理事たちを歓迎し、村長など村の代表者のスピーチも行われました。
村では、ハイブリッドの乳牛も作りあげ、一頭当たりのミルク量が一日20Lと、地元の伝統的な乳牛の数倍に増えています。また、この地方ではセネガルの玉ねぎ全体の半分以上を生産しているそうです。YAMAHAの灌漑ポンプを農業組合が買い上げ、農夫に3年間のマイクロクレジットで譲り渡しています。昨年夏に訪れた時は一面に不毛に見えた畑地でしたが、半年後の今回は緑豊かな農地となり、その変貌にも大いに感動しました。
グローバル理事会の様子.jpgMPグローバル会議で挨拶する.jpgサックスご夫妻.jpg歓迎する女性達.jpg歓迎する子供達2.jpgレオナ・ラジオ局.jpg>玉ねぎ畑2.jpgコミュニティヘルスワーカー.jpgサックス教授と勝間さん.jpg【写真】上段:ダカールで開催されたMPグローバル理事会(サック教授)、理事会全体の様子、Potouを訪問するサックス教授ご夫妻、
中段:理事会一行を歓迎する村人たち、出迎える子どもたち、レオナのラジオ局の開局
下段:青々とした玉ねぎ畑,誇り高き村のコミュニティ・ヘルス・ワーカーたち、サックス教授と勝間和代さん、


ウガンダ・ルヒーラ村視察と女児への公開インタビューほか

IMG_0529.JPG110128女児インタビュー⑦.jpg110128女児インタビュー②.jpgPatience8.JPG20110131Ryamiyonga小学校_20.jpg110129Peninahの卒業祝賀会④.JPG
【写真】上段:JICA地球ひろば@広尾で放映されたウガンダ女児への公開インタビュー、ウガンダ・MbararaにあるMVPクラスター・オフィスにて日本からのインタビューを受ける4人の女児たち(中央、右の2枚)
下段:ルヒーラ村の小学生に絵本『どうぶつたち』を手渡すMPJスタッフ杉江真理子、Patienceの家でインタビューを行う杉江とナオミさん(MPJインターン)、Peninahの卒業祝賀会に参加しました!

去る1月末、MPJスタッフ杉江真理子とMPJインターンのナオミ・ウィリアムさんが、ウガンダのミレニアム・ビレッジ、ルヒーラ村へ出かけて、昨年からMPJが支援している女児たちとこれから支援しようとする女児たちへのインタビューを実施しました。このインタビューの模様は、JICA地球ひろば@広尾・東京の研修室を借り、一般向けに公開され日本からも参加者たちが、ウガンダの女児たちに対して直接質問することもできました。
MPJでは、2010年2月(ウガンダの新学期)から、ルヒーラ村の女児11名に対して、寄宿舎付きの中等学校で勉強するための奨学金を提供しています。選抜の基準は、(1)優秀であること、(2)家が貧しくて奨学金なしでは中等学校へ行くことができないこと、(3)女の子であること、の3項目です。女の子だけを選ぶ理由は、サハラ砂漠以南の貧しい村落では、もともと進学率が非常に低いうえ男の子の進学が優先され、女の子は学校へ行けず家事を手伝い低年齢で結婚する可能性が高いためです。
2010年2月の時点では、すでに国連開発計画(UNDP)がルヒーラ村の女児支援を行っていたため、MPJではその中の10名中8名を引き継ぎ、新たに3名を新規で支援しています。
20110201Kanywamaizi Primary School_4.JPGPrimary Leaving Exam(PLE-小学校卒業認定試験)と呼ばれる全国試験では、「村で初めて女の子が全国トップクラス(Devision 1)で合格した、しかも一挙に3人も!」と教育担当者が喜んでいました。昨年は、MPJインターンのナオミさんが現地へ出向き、女の子たちの家を一軒一軒訪ねたり、本人やご家族のインタビューを行ったり、中学校へも視察にでかけました。そのような地道な活動も成果をあげたこと、また女の子たちも「努力をすれば未来が開ける」ことを実感したことなどから、今年1月の試験では全国トップクラスで卒業した女の子がさらに10名以上でました。そのため、MPJでは今年、新たに6名の支援を開始し、その数は合計17名となりました。
20110202Ruhiira風景_5.jpg1月28日に、生まれて初めて村を離れてMbararaというミレニアム・ビレッジ・プロジェクトのオフィスがある地方都市へ出かけ、日本への公開インタビューに応じてくれた女の子4名は、かなり興奮ぎみだったようです。それでもインタビュー前にはナオミさんたちと体操してリラックスし、「将来は弁護士になりたい」「医者になって村の役に立ちたい」といった目標とともに、村のコミュニティに貢献することを約束してくれました。参加して下さった日本の聴衆の皆さまのご意見も大好評でした。


マリ視察のご報告

ミルクの調査.jpg 2011年2月初旬に多田自然農場代表の多田克彦氏とMPJ理事長・鈴木りえこが、マリのミレニアム・ビレッジ、Tibyを視察いたしました。
 視察の目的は、MPJのグローバル・アライアンスであるニューヨークのミレニアム・プロミスの依頼により、「Tibyで捨てているミルクを有効活用するため、どのような支援が可能か調査する」というものでした。
 現地では、TibyのチームリーダであるBocary Kaya博士のご案内で、Tibyの農業組合に加盟する農夫の方々とディスカッションし、現地のミルクセンターや農場、シアバター工場などを視察しました。地元の農夫の方々からは、多田氏に対して多くの真剣な質問がなされ、彼らの熱意を実感いたしました。
 西アフリカのミレニアム・ビレッジを統括するMDGsセンター@バマコのトップであるAmadou Niang博士から、「マリ、セネガル、ナイジェリアのミレニアム・ビレッジの農夫たちを日本の多田自然農場へ招聘して技術を教えて欲しい」という依頼を受け、今年中にその方向で検討中です。
【写真】セグー州にあるミルクセンターで農夫が持ち込んだミルクを分析する担当者
MVP看板.jpgMVPオフィス2.jpgセグー州の知事室.jpgミレニアムビレッジ・Segou.jpg多田さんと農夫たち.JPGKaya博士とビレッジ.jpg5人の軍人さん.jpg市場.jpgバマコの新婦.jpg
【写真】上段:左から、ミレニアム・ビレッジ・オフィスの看板、オフィスビル、セグー州知事室
    中段:左から、ミレニアム・ビレッジ Tibyの風景、農業組合の方々と討論、Kaya博士と酪農家と多田氏、
    下段:左から、セグー州で警護にあたってくれた軍人さん、バマコの市場、バマコの花嫁

川田大使ご夫妻.jpg また、マリでは駐マリ共和国日本大使である川田正博大使ご夫妻、JICAコーディネータ加藤さまに非常に親切にしていただきました。マリにおける今後の活動に関して、さまざまなご助言をいただき、改めてお礼を申し上げます。一方、JICA海外青年協力隊員の皆さまとも意見交換の場を設けていただき、多田氏から若い協力隊員の方々へ実践的なアドバイスが行われました。

【写真】川田大使ご夫妻と