ケニアのミレニアム・ビレッジ サウリ村がエコ・ツーリズム紹介サイトを開設しました!

 昨年2014年末、ケニア西部ビクトリア湖に程近いサウリのミレニアム・ビレッジ・プロジェクトが、エコ・ツーリズム振興のための準備を進めていることをお伝えしておりました(http://sdgspromise.org/archives/6922)。

ケニア:サウリエコツーリズム (2)
 そのウェブサイト「GEM SAURI ECOTOURS」が開設されましたので
ご紹介いたします。

    http://www.ecotoursgemsauri.org/

 みなさま、ぜひいちどサウリ村のエコ・ツーリズムを検討されてみませんか?
ここは、ひとと自然の調和のとれた素晴らしい場所ですよ。

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ケニア・サウリ村(ミレニアム・ビレッジ)にて地方電化パイロット事業を開始しました!

 国際協力機構(JICA)からの委託を受けた「デジタル・グリッドを活用した地方電化及び新産業創出事業準備調査(BOPビジネス連携促進)」(※)の一環として、この3月から、ケニアのミレニアム・ビレッジ-サウリ村でも日本発のデジタル・グリッド技術を活用した地方電化ビジネスのパイロット事業を開始しましたので、その導入の様子をご報告いたします。
(※デジタル・グリッド・ソリューションズ株式会社、東京大学、株式会社電通等との共同事業)

 サウリ村はニャンザ州の州都キスムから車で約1時間の距離にあるミレニアム・ビレッジです。前回2014年11月に訪問した際には、事前視察・聴取を行っており、そのときから着々とサウリにおけるパイロット事業の準備にとりかかっておりました。そして、3月にサウリ村を再訪し、パイロット事業に一緒に取り組んでくれる事業家の決定と機器設置を行ってまいりました。
 まず、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトDGS2DGS1
(MVP)サウリチームから推薦された10名の事業家候補たちに対し、デジタル・グリッド・ソリューションズ(DGS)スタッフからビジネススキームについて説明を実施しました。また、エンドユーザーとなるサウリの農民のみなさんの集会においても本サービスの説明を行いました。
 今回サウリにてパイロット事業一緒に取り組んDGS4でいく事業家はBernardさんに決定しました。太陽光パネルは、Bernardさんのアイデアで、急きょその場で木材を組んであつらえた枠にはめ込んで、屋根の上に敷設しました。持ち込まれた機器一式がみんなの力で次々と設置され、配線がつながっていきました。そして貸与された40個の電気ランタンが太陽光パネルとつながり、充電が進んでいきます。いよいよ事業の準備が整いました。
DGS5 DGSスタッフのSteveさんが、Bernardさんの子供たちに明るい光を放つランタン見せています。すると、電気の灯りとともに、子供たちの笑顔にも灯りがともりました。このランタンをつかえば、夜でも勉強することができます。
 記念すべき第一号のお客さんはBernardさんのお母さんでした。お客さんであると同時に、強力な広報担当でもあります。コミュニティーの人と人とのつながりを介して、このビジネスの裨益者が広がっていくことでしょう。

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 ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)は、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けた手法を示すことを目的としており、2006年から2015年末を期限として現地政府やコミュニティへの引き継ぎを目指しています。その後、2016年夏には外部機関による報告書も作成される予定です。
 日本発のデジタル・グリッド技術を活用したこのビジネスが、コミュニティー自立支援のモデルのひとつとなることを願っています。


アフリカからの留学生との交流会をひらきました

文化交流集合写真こんにちは!MPJユースの会、東京大学法学部三年の川溿(かわばた)晃平と申します。
ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)では3月27日~28日にかけて、ABEイニシアティブなどでアフリカから日本の国際大学(新潟県南魚沼市)に来ている留学生を東京に招いて、交流会を行いました。会を盛り上げるべく、企画から運営までMPJユースメンバーが協力して準備を行いました。
母国の紹介まず、1日目の文化交流パートをご紹介します。
文化交流では、アフリカ諸国の留学生が日本の文化を、日本の学生がアフリカを知ろうということで、まず留学生に出身国を紹介してもらいました。紹介してもらったのは、ウガンダ、シエラレオネ、ガーナ、モザンビークです。
この4か国は地理的に同じアフリカでもだいぶ離れたところにあり、書道体験文化も大きく異なるため、とても興味深かったです。僕はユースとして、昨年ウガンダに渡航した経験があったため、主食のマトケ(食用バナナ、甘くない)の写真に一種のノスタルジーのようなものを感じながら、プレゼンテーションを聞いていました。
さて、次は日本の紹介です。日本の四季と、それに因んだ行事を季節に沿って紹介し、お箸の使い方、おはぎ体験漢字の書き方を教えるレクチャーも行いました。最後には、おはぎを作って皆で食べました。アフリカでも、豆は主食としてよく食卓にあがるのですが、デザートとして甘い餡子を食べるのは少々ビックリだったかもしれません…
お互いの文化について完全な理解を得るには、3時間程度のこのパートは短すぎたでしょう。しかし、不寛容さ故に苦しみ、傷つく人々があまりに多いこの世界にひとたび目を向ければ、案外こういった機会の積み重ねこそが相互理解を促進するうえで重要な役割を果たすのかもしれないと思いました。今回少しでも留学生が日本を好きになってくれたなら、それに勝る喜びはありません。
それでは、失礼しました!

* * *

続いてはMPJユース代表、東京大学文学部4年の福谷佳苗が担当します。
私からは1日目の夜の東京湾屋形船クルーズと、2日目の浅草観光についてご紹介します。
屋形船でディナー屋形船クルーズからは残りの留学生も合流し、総勢30名で東京湾の夜景を眺めながら、もんじゃ焼きやお好み焼きを楽しみました。
屋形船では4、5人毎にテーブルに分かれ、それぞれの鉄板で自分たちで色々と焼いていくスタイルだったため、作り方を巡って各テーブル奮闘していました。
一般に日本の料理を紹介するとなると、和食や寿司といったものをまず紹介することが多いですが、今回はそれとはひと味違った日本の食文化を経験してもらえたのではないでしょうか。もんじゃ体験留学生の中では特にもんじゃ焼きが好評であったように思います。
そして2日目は浅草観光をグループに分かれ、ゲーム形式を取り入れて楽しみました。このゲームというのは、浅草のいくつかのスポットの写真が載った地図を基に、それらがどこにあるのかを探し出すというもので、ぼんやり歩いていてはなかなか気づかないようなスポットも含まれていました。
浅草を観光1グループ多くても5、6人という少人数でお昼過ぎまで観光したため、メンバーでお互いについて話す時間も長く、より親しくなれたと思います。私自身は、普段はなかなか交流する機会のないアフリカの学生たちですが、案外同じような悩みを抱えていたりすることを知り、それ程私たち日本人と異なるところばかりでもない、というようなことを感じました。

全体として、今回の交流会では、単にお互いの文化を紹介し合うだけではなく、観光や夜の屋形船の時間も含めて、個々人同士で様々な話題について語り合ったことで、「日本人」、「アフリカの人」といった枠に囚われない相互理解ができたのではないでしょうか。そして、こうした機会に恵まれた私たちユースが、今後この経験を外に向けて発信していくことの必要性も強く感じました。
この取り組みは今回が初めてでしたが、今後も定期的に開催していくことで、僅かながらも、日本とアフリカの学生間のネットワーク構築に繋げていければと思いました。
集合写真

文責
MPJユース代表  
  福谷佳苗
MPJユース副代表 
  川溿晃平


MPJユースのマラウイ研修報告(3)

 ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)・ユースの会は、3月2日から16日までアフリカのマラウイ共和国にて研修に臨んでまいりました。すでに第一弾、第二弾としてご報告してまいりました「MPJユースのマラウイ研修報告(1)」「MPJユースのマラウイ研修報告(2)」に続き、今回は第三弾完結編をご報告させていただきます。

 ユースの学生たちは、マラウイの経済・ビジネス系の最高学府 Exploits University における学生会議と英文レポート作成をもってすべての研修メニューを終え、マラウイ湖に向けて束の間の観光に出かけることができました。
 マラウイ湖はアフリカ大地溝帯の南端に位置し南北の長さ560kmに及ぶ古代湖で、その南端部の国立公園は世界遺産に指定されています。面積こそアフリカ大陸において第3位に甘んじていますが、その水深は700mに達し、水量はアフリカ最大面積のビクトリア湖の3倍近くに及びます。この湖がマラウイの漁業や水力発電を支え、観光業において大きな役割を果たし、最近ではここに生息する熱帯魚も有名です。マラウイに来たからには、やはりあの雄大なマラウイ湖を見ずして帰るわけにはいきません。
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DSC_0207 さてその間にMPJは、第一弾「MPJユースのマラウィ研修報告(1)」でもお伝えいたしました、マラウイ大洪水の調査に臨みました。限られた時間のなかでは最大の被災地にまで向かうことはできませんでしたが、首都から比較的近い被災地に実際に足を運んで視察してまいりました。
 そこはマラウイ湖へ注ぐ何本もある川のひとつの河畔で、川の氾濫で畑を流されたり、水浸しになったりしたそうです。上流においてもこのような被害があるのですから、マラウイ湖から唯一流れ出すシレ川流域での被害はさぞ大きかったにちがいないと実感いたしました。雄大なマラウイ湖は恩恵でもあDSC_0258りときに脅威にもなるのです。
 それは気候変動の影響も否めないでしょう。今年の雨季は、周辺国のモザンビークやマダガスカルに至るまで、異常な豪雨に見舞われたと聞きます。そして一転、マラウイではいま少雨に陥り主食のメイズ(白いトウモロコシ)が十分に育たず、深刻な食糧難が懸念されています。地球規模での気候変動が起きているとき、最もそのしわ寄せを食うのは、脆弱な最貧国に住むひとたちです。

 いまポストミレニアム開発目標(ポストMDGs)についての国際的議論が進み、持続可能な開発の時代が模索されています。
(ジェフリー・サックス教授も最新著”The Age of Sustainable Development”を上梓されました。)
これは、経済、社会、環境のトリプルボトムラインすべてに配慮し、先進国も開発途上国も「共通だが差異ある責任」を負っていこうとするものです。本年は9月に「国連ポスト2015サミット」、12月にフランス・パリにて「COP21・COP/MOP11(国連気候変動枠組条約締約国会議第21回会合・京都議定書締約国会議第11回会合)」が開催されます。
 来る2016年から国際社会が目指していく「持続可能な開発目標(SDGs)」に向けても、MPJは引き続き取り組んでまいります。そして、現場に足をつけた活動のひとつとして、マラウイの洪水被災者支援に向けて準備も進めております。マラウイにおける洪水被害についてMPJがまとめた出動趣意書きっかけとなって、日本のNGOも支援に乗り出そうとしています(ジャパン・プラットフォーム様のウェブサイトもご参照ください)。これにつきましては、またあたらためてご報告させていただきます。引き続き、みなさまのご支援を宜しくお願いいたします。
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MPJユースのマラウイ研修報告(2)

 ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)・ユースの会は、3月2日から16日までアフリカのマラウイ共和国にて研修に臨んでまいりました。すでに「MPJユースのマラウイ研修報告(1)」として、第一弾のご報告をさせていただきましたが、今回は第二弾をご報告させていただきます。

 ミレニアム・ビレッジMwandama村での2泊3日に渡ってのプロジェクトサイト訪問とビレッジ・ステイ体験を終え、3月9日には首都リロングウェに戻ってまいりました。
 ゆっくり休む間もなく翌10日からは、マラウイの経済・ビジネス系の最高IMG_0260
学府 Exploits University の学生との間に、3日間に及ぶ学生会議を開催しました。日本からのユースメンバー10名に対し、マラウイからは29名が参加し、熱気に溢れました。
 初日はアイスブレーク。文化交流として書道体験、折り紙、日本食体験、そしてダンスなども披露され、マラウイと日本の若者の間の距離が一気に縮まりました。
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 2日目からはいよいよ本格的な討議のはじまり。
農業、教育、外交・文化、経済・資源の4つのテーマを設定し、それぞれのグループに分かれて、マラウイと日本それぞれの国がかかえる課題について、一緒になって議論しました。

DSC_0053DSC_0075 最終日となる3日目には、それぞれのグループから課題解決に向けての発表を行いました。みなそれぞれに英知を結集した素晴らしいプレゼンテーションでした。この内容は、ユースメンバーが即日(徹夜で!)英文のレポートにまとめました。
(この学生会議を含め、マラウイ研修全体についてのユースの会による報告会は帰国後3月29日に行われました。)
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 すべての研修メニューを終え、ユースの学生たちはようやく観光らしい観光に出かけることができます。行先は、首都リロングウェ市内と、そしてなんといってもマラウイ湖です。
 マラウイ湖はアフリカ大地溝帯の南端に位置し南北の長さ560kmに及ぶ古代湖で、その南端部の国立公園は世界遺産に指定されています。マラウイに来たからには、やはりあの雄大なマラウイ湖を見ずして帰るわけにはいきませんからね。
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持続可能な開発に関するサックス教授の記事が読売新聞に掲載されました

PM Abe and Prof. Sachs去る3月26日、コロンビア大学地球研究所所長のジェフリー・サックス教授が、数時間のみご来日されました。
安倍首相を表敬訪問され、日本政府のミレニアム・ビレッジへの支援に対し謝意を示されました。
外務省ホームページご参照: ジェフリー・サックス・コロンビア大学地球研究所所長による安倍総理大臣表敬
・日本の支援については過去の記事をご参照: 「日本政府、4つのミレニアム・ビレッジに対して500万ドルの追加支援へ」

当日は、読売新聞社白石社長をはじめ、政府高官、経済界のリーダーとも面談されました。読売新聞の白石社長はサックス教授のご著書を原書でお読みになり、感銘を受けられたそうです。
また、きわめてタイトなスケジュールの中、空港までの移動の車中では読売新聞の取材も受けられ、その記事が本日4月3日付で掲載されました。
記事では、「持続可能な開発の時代」(“The Age of Sustainable Development”)と題する新著を出版されたサックス教授が、ミレニアム開発目標(MDGs)の後継の目標として今年9月に国連で採択される「持続可能な開発目標」について、中でも先進国が経済と環境保全の両立に取り組む重要性について語っています。