ガーナの職業訓練校建設開始式典にガーナ政府・教育大臣なども参加

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)では、すでにお伝えしていますように、2023年3月に外務省NGO連携無償資金協力(N連)の採択を得て、ガーナのアシャンテ(Ashanti)州アマンシエ・ウエスト(Amansie West)のマンソ・ンクワンタ(Manso Nkwanta)にて、職業訓練校建設運営支援事業を開始しました。

このたび、事業開始を祝う式典(Sod-Cutting Ceremony: 日本のいわゆる「鍬入れ式」のようなもの)が事業地で開催され、SPJ理事長・鈴木りえこが参加しましたので、概要を簡単にご報告いたします。

鈴木理事長は、まず首都アクラで駐ガーナ日本大使館・望月寿信大使、ガーナ政府の教育大臣Dr. Yaw Osei Adutwum氏、JICAガーナ事務所の鈴木桃子所長などを表敬訪問しました。そのほかにも、日本企業を数社訪問し、当事業概要をご説明させていただき、皆様へご指導、ご協力をお願いしました。

鈴木理事長は、マンソ・ンクワンタの事業地に到着後、オマンヘネを表敬訪問、週末にはMPA Ghana(Millennium Promise Alliance Ghana:SPJの連携NGO)所有のラジオ局(Promise Radio 105.1)にて、現地の人々へ職業訓練校の計画を説明するため、生放送でインタビューを受けました。インタビューは現地事業統括者スタンが現地語(Twi)に通訳し、MPA Ghanaジェネラル・マネージャーのエリック氏も補足の説明を行いました。その後、視聴者から寄せられた質問(対象の年齢ほか)にも答えました。

この地域はアシャンテ州の州都クマシから車で3時間ほどにある貧しい地域のため、失業率が高く、金の違法採掘に関わる若者も少なくないため(15歳から35歳の若者の約30%)、現地の人々の間では職業訓練校に関する関心が高いようでした。

式典には、地元の人々約300人が参加し、地元の伝統的指導者オマンヘネ(Nana Bi Kusi Appiah/ナナ・ビー・クシ・アピア2世)、前述のガーナの教育大臣、地元選出の国会議員・George Takyi/ジョージ・タチ氏、DCE (District Chief Executive:地域役所代表)・Nii Lareth Ollenu/ニー・ランテ・オレヌ氏に鈴木理事長も加わり、それぞれ挨拶を述べ、多くのメディで報道されました。

鈴木理事長は、2005年以降、この地域(旧ミレニアム・ビレッジ:Bonsaaso)には5回ほど訪れていますが、前回の訪問(2022年6月)から1年余りで地域が急速に発展していることに驚き、非常に喜んでいます。

アクラでは、ガーナの職業訓練校を統括するDr. Fred Kyei Asamoah(Director General, Commission for Technical and Vocational Education and Training-CTVET)ともご面談させていただき、将来的には職業訓練校の国有化を目指し、持続可能な状態を確保するためのご協力をお約束いただきました。

● これまでの関連ブログ
2023.4.27: 隈研吾氏 とSDGs・プロミス・ジャパン: ガーナにおける職業訓練校建設・運営支援事業に着手
2023.3.27: ガーナにおける職業訓練校建設・運営事業に関して、外務省のNGO連携無償資金協力(N連)を締結
2022.8.31: 隈研吾氏、「アフリカの魅力とインパクトを語る」 ~アフリカへの想いと建築への原点もお伺いしました!~
2022.7.13: ガーナを訪問しました!


ウガンダの支援女児OGから、手紙が届きました!

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)は、2009年から10年にわたり、才能がありながら経済的理由により進学が困難な貧困家庭の女の子を支援するため、中等教育(中学・高校)6年間の奨学金を支援しました。対象は、アフリカのウガンダ、ルヒーラ・ミレニアム・ビレッジ出身の21名 の女の子でした。

これまで、何回も御礼のお手紙や進路報告などをいただきました。(※末尾参照)

2023年5月29日に、支援を受けたお一人、チョシャビレ・メアリー・グロリア(KYOSHABIRE MARY GLORIA)さんから、SPJ・鈴木理事長宛てに大変嬉しいお手紙が届きました。

● 原文英文はこちら ● 和訳はこちら

2023年5月現在のグロリアさん

手紙には、グロリアさんがウガンダの首都カンパラにある「Tenna and Pharma Laboratories」という民間研究所で臨床検査技師として昨年9月から働き始め、新型コロナウイルスのパンデミック中は、優れた診断スキルでコロナウイルスの監視活動も行ったことが書かれていました。今後のキャリア目標として、グローバルな生物医学研究者になり、感染症やワクチン開発の研究を行い、感染症、顧みられない熱帯病、伝染病を予防および制御するための持続可能な基盤の開発に寄与したいとのことです。

※【これまでの支援に関する記事】
2018年1月5日公開
ウガンダ女児就学支援事業・支援する女の子たちからお手紙が届きました。

2017年7月13日公開
ウガンダ女児就学支援事業・女児8名からお手紙が届きました。
代表2名からの手紙
全員からの手紙

2013年3月18日公開
ウガンダの奨学生から御礼の手紙が届きました!
この当時、計20名の女子生徒への支援を行い、そのうち3名が中学校から高校へ進学し、3名が看護学校へ、14名が中学校へ進みました。
20名の手紙全部の一覧


MPJ Youth、東大・5月祭で「ケニア研修」報告会実施

2023年5月13日(土)・14日(日)に東京大学の学園祭である五月祭(以下、「五月祭」で、SDGsプロミス・ジャパン(SPJ)の学生関連組織であるMPJ Youth※のメンバーが、2日間にわたって「ケニア研修」報告会を開催しました。

ケニアの手書き地図を展示するなど、学園祭に来場した方々に興味を持っていただく工夫を凝らしたそうです。

MPJ Youth 報告会告知サイト

2023年五月祭の様子は、MPJ Youthのサイトに当日の報告会のYouTubeリンクと一緒に公開されます。そちらも、ぜひご覧ください。

MPJ Youth 5月祭報告サイト

MPJ Youthのメンバーの活動を頼もしく思うとともに、今後の彼らの更なる活躍をSPJも願っています。

関連ブログ記事
MPJ Youth、「ケニア研修」報告書完成!

※MPJ Youth(NPO法人ミレニアム・プロミス・ジャパン・ユースの会)は、アフリカの貧困削減を支援し、日本におけるアフリカの広報につとめるSPJ(当初「ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)」)の活動に賛同する東大の学生たちによって立ち上げられた学生サークルです。MPJ Youthは2009年3月アフリカ・モザンビークに派遣された学生を中心に結成され、2023年で14周年を迎えました。「アフリカを学び、発信する」ことをコンセプトに、今では東大と東京外語大学を中心として様々な大学から、約150名の学生が集まっています。
詳細はこちら(MPJ Youthサイト)


MPJ Youthの「ケニア研修」報告書完成!

今年(2023年)3月、SDGsプロミス・ジャパン(SPJ)の学生関連組織であるMPJ Youth※のメンバーが「ケニア研修」を行った報告書が完成しました。

全64頁の大作で、ナイロビ大学学生との交流や10カ所余りの訪問場所での体験、そして各メンバーがテーマを決めて学んできた内容の報告など、大変興味深い内容です。

報告書には、例えばケニアには40を超える言語・民族が存在すること、2017年から導入されたCBC(Competency Based Curriculum)という体育や音楽、プログラミングなどといった実技の授業を取り入れた教育システムの紹介と課題、またアフリカで3番目に多く日本人が住んでいるなどなどが紹介されています。

報告書はこちら

今回の報告書とそれぞれの研究テーマが、少しでも今後の日本・ケニア関係の向上への一助になればと願っています。

関連ブログ記事はこちら
コロナ後初の現地訪問、MPJ Youthメンバーのケニア研修
MPJ Youthメンバー、SPJ理事長とケニア大使館を訪問!

※MPJ Youth(NPO法人ミレニアム・プロミス・ジャパン・ユースの会)は、アフリカの貧困削減を支援し、日本におけるアフリカの広報につとめるSPJ(当初「ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)」)の活動に賛同する東大の学生たちによって立ち上げられた学生サークルです。MPJ Youthは2009年3月アフリカ・モザンビークに派遣された学生を中心に結成され、2023年で14周年を迎えました。「アフリカを学び、発信する」ことをコンセプトに、今では東大と東京外語大学を中心として様々な大学から、約150名の学生が集まっています。
詳細はこちら(MPJ Youthサイト


「顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟」第7回会合を開催

2023年4月5日に「顧みられない熱帯病(NTDs)の根絶を目指す議員連盟」(以下、「NTDs議連」)第7回会合が、衆議院第一議員会館で開催されました。

国光あやの衆議院議員・総務大臣政務官が司会進行役を務め、会長の松本剛明衆議院議員・ 総務大臣からの挨拶後、以下のヒアリングが行われました。

【NTDsへの取り組みについて】
 (1) エーザイ株式会社(製薬企業の立場から)
    執行役コーポレイトコミュニケーション担当(兼)ESG担当 
   佐々木 小夜子氏
 (2) レメディ・アンド・カンパニー株式会社
  (アフリカ等で臨床試験を担う企業の立場から)
     営業本部本部長(兼)執行役員 国吉 央起氏
【デング熱について】
 (3) 株式会社ビー・エム・エル顧問/元国立感染症研究所/前神奈川県衛生研究所長
      高崎 智彦氏
【アフリカ等での民間企業支援】
  (4) 国際協力機構(JICA)人間開発部 保健1グループ 2チーム 保健医療専門役
   上田 直子氏

ヒアリング後、以下3つの提言案が提示され出席議員からの賛成が得られました。長崎でのG7サミット保健大臣会合などでも表明できるようにとのことでした。
① グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)の増資
② NTDsに対する日本の貢献、プレゼンスの向上(国際機関や国際協力機構(JICA)を通じた支援の強化)
③ アフリカ等における民間企業のネットワーク形成・支援の強化

※顧みられない熱帯病 (Neglected Tropical Diseases: NTDs)とは、世界保健機関(WHOが定める20の疾患の総称のことで、発展途上国地域の149の国々に暮らす中低所得者層を中心に約10億人もの人々が苦しんでいると報告されている病気です。NTDsは貧困による劣悪な衛生環境などが主な原因となって蔓延し、これらの疾患にかかると、重度の身体障害が残る場合もあり、生涯にわたる身体的、精神的影響を及ぼし、経済成長の妨げにもなっています。そのため、適切な時期に適切な治療を受ければ治癒が可能なのにも関わらず、貧困のためにそれができず、病気のためにさらなる貧困に陥るという負のスパイラルが発生しています。