ポストMDGs:ミレニアム・プロミスの方針

【出典】Millennium Village Project(ルワンダ)
【出典】Millennium Village Project(ルワンダ)

ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)のグローバルアライアンスであるニューヨークのミレニアム・プロミスでは、 「持続可能な開発目標(SDGs)」に沿って、2016年以降の方針を以下のように発表しています。なお、この方針は2015年9月のSDGsが採択された国連総会前に発表された内容を、ECC国際外語学校の学生の皆さまがボランティアで翻訳してくださったので、その点、どうぞご了承ください。ご協力くださった学生の皆さま、どうもありがとうございます!

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ポスト2015年計画

ミレニアム・プロミス(MP)にとって、ポスト2015年期は形式上最終監査と最終評価が終わり、最終報告書が公表される予定の2016年7月に始まり、その際、MPは焦点をミレニアム開発目標(MDGs)から持続可能な開発目標(SDGs)へと移す。 現在、MPおよびミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)チームは、どのようにSDGsを進めていくかを計画中である。2015年9月の国連サミットで、SDGsが世界の指導者たちによって採択されるかどうかが鍵となっているが、活動はいくつかの主要な柱となるものから成り、MPを含む機関がその活動の指揮を執り、支援していくだろう。 ポスト2015年計画はまさに計画途中であるが、いくつかの鍵となる要素を以下に述べる。

持続可能な開発目標

2012年のRio+20会議以来、国連は地球規模、地域、国レベルにおける持続可能な開発を加速させるための効果的な活動を方向づけるポスト2015年期の発展のためのプログラムを決定しつつある。この計画は2015年末の現行の「ミレニアム開発目標(MDGs)」に基づいて行う「持続可能な開発目標(SDGs)」を含んでいる。 SDGsは2015年9月に開催される国連サミットに参加する世界の指導者によって最終決定されて採択されれば、経済発展、環境維持、および社会的公正を実現させるための経路となるだろう。 SDGsは2030年までに達成されるべき目標として挙げられた17の優先目標に及び、それらにはすべての貧困、飢餓を根絶し、食料安全保障を達成し、全ての人の健康生活と教育を保証することが含まれる。 現在MDGsを達成するためにMVPの主催国で実行されている開発計画は、SDGsの枠組みの中で更に拡大され強化されていくだろう。MVPはパートナーと専門家との大規模ネットワークを構築したが、中でも注目すべきは農村の経済開発に関して優れた専門知識と経験を持つ集団がミレニアム・ビレッジで活動していることだ。 これらのチームが、地域レベルでの目標実行のためのモデル開発と試験を行い、SDGs計画への支援を継続的に行なっていくだろう。

持続可能な開発問題解決ネットワーク

国連事務総長の藩基文氏は2012年8月、地方、国家、地球規模レベルでの持続可能な開発問題の解決を支持して いる学会、市民社会や民間部門から科学的、技術的専門知識を集めるために、持続可能な開発問題解決ネットワーク(SDSN)を構築した。SDSNは共同学習を加速し、世界が直面している相関性のある経済、社会、環境問題に対する総合的アプローチを促進することで、技術および政策面における区画化を克服する手助けをすることを目標にしている。 すでに複数の地域レベルのSDSNが開催されており、科学に基づいた開発問題の解決を促進するため、複数の解決構想が主要な議題を中心に、世界の専門家による12のテーマ別グループが結成された。SDSNは2015年以降、MVPのいくつかの取り組みを進める上で主要な役割を果たしていくだろう。

農業とビジネス開発

リードファーマープログラム(LFP)は、ポスト2015年戦略のこの分野において、MPとその協力者にとって重要な役割を占めるであろう。2013年以降、MVPは各パイロットサイトで農業普及指導員やリードファーマー(LF:中心となる農業事業者)の専門家集団を結成してきた。LFPは普及事業を農場に届ける手段として推進されている。このプログラムは地域内で模範となる革新的なLFを選び出し、それぞれの地域に農業従事者経営管理部隊を設立し、研修を画一化し、各普及指導員とLFに明確な目標設定を行い、LFを積極的に指導することを伴う。LFが自分たちの働く地域をしっかりと代表できるようにこの過程は参加型でなくてはいけない。 LFPは小農家を組織化し、価値連鎖の当事者と連携し、農業資金の分配と農業生産物の取引を促進し、農業者に優良農業実践(GAPs)のやり方を訓練し、農業資金とサービスに対する支払いのための連帯グループとしての役割を担う。やがて、LFが指揮をとるこのような分配区域が融資を受ける基本単位になるだろう。 ポスト2015年の議題にLFPを組み入れることで、計画中のSDG1「世界のすべての形の貧困を終わらせる」こと、そしてSDG2「飢餓を根絶し、食料安全保障を達成し、栄養改善と、持続可能な農業を奨励する」という目標達成に貢献できる。MPとその協力者たちは、LFPをポスト2015年の課題として拡大しようと努力している。

健康と栄養

【出典】Millennium Village Project(ガーナ)
【出典】Millennium Village Project(ガーナ)

この分野におけるポスト2015年の焦点は、おそらく専門的な地域保健従事者(CHW)プログラムの拡大であり、これには地球研究所と他のパートナー団体の主導で行われる百万人のCHW(1mCHWs)キャンペーンが含まれる。1mCHWsキャンペーンは国家規模の専門的なCHWプログラムを支援する活動である。 2006年以来、MVPの健康プログラムの土台であるCHWたちは、出産前及び新生児の健康診断、サプリメントの支給、マラリアの診断と治療を含む基礎予防及び治療を行うようにトレーニングを受け、能力を備えた常勤地域基盤保健専門家である。CHWはまた診療所や病院への照会サービスも提供する。 CHWシステムは迅速診断検査(RDTs)や治療を生かして、健康データの管理やアルゴリズムを基盤とした判断支援の提供を行う革新的なスマートフォンベースのCommCareのようなモバイルヘルス(mHealth)ツールによって支えられている。CommCareを検診のための家庭訪問の一環として利用することにより、MVPのCHWたちは最近の地域における出産と死亡の情報や、急性栄養失調やマラリアのような疾病コスト、予防接種や妊婦管理や熟達した新生児分娩のような根本的な治療介入適用の情報を含むプログラムに関するリアルタイムの情報を提供する。 明確に文書化されたこの数十年のCHWプログラムの成功によって、国民皆保険制度の達成を加速するための組織的な取り組みの一環として、CHWへの投資を国々や国際舞台における政策議題へと急速に押し上げた。 MVPサイトで奨励されているCHWプログラムは、持続的な人材開発や州または地方政府へプログラムを分散できる強い管理体制を誇るので上記の目的に適している。そのうえ、プログラム特有の主要な操作プロセスにおける迅速なトレーニングやそれに続く支援的な監視やガイド付きの家庭訪問のためのスマートフォンベースのmHealthツールによる継続的なサポートのおかげで、プログラムの実施に要する時間は短く、プログラムのメンテナンス、現地化及び質の維持・向上に集中することができる。 CHWプログラムを拡大し続けると同時にそれを推進する戦略とシステムをより発達させることは、「年齢を問わず全員の健康的な生活を保証して福祉を促進する」という計画中のSDG3をサポートできる。

教育

【出典】Millennium Village Project(マラウイ)
【出典】Millennium Village Project(マラウイ)

ポスト2015年は、特に少女のための普通教育のさらなる普及だけでなく、教育の質や、学習成果に焦点を当てるだろう。適切な年齢での小学校への入学や、卒業の見込みに影響を与える要因としての幼児教育の重要性を認識し、幼児教育普及へ投資することが主な戦略となるだろう。サハラ砂漠以南のアフリカ地域の教育を財政的に支援するための世界教育基金を設立するための努力も進んでいる。 MP、地球研究所とエリクソンの教育パートナーシップ事業である〝 Connect To Learn″は、ポスト2015年期に継続し、拡大するであろう。ポスト2015年の焦点は初等教育と中等教育の両方のレベルで学習効果を高めることである。普通教育は初等教育だけでなく中等教育にまで拡大されるだろう。幼児教育が適切な時期での初等教育への入学やその後の卒業見込みに影響を与えていることを認識し、幼時教育の普及に投資することが主な戦略となるだろう。サハラ砂漠以南のアフリカやそれ以外の地域の新しい教育イニシアティブに、資金提供するための世界教育基金を設立する努力が進行中である。 おそらく地域教育従事者(CEW)プログラムも拡大されるだろう。地域への活発な参加は地域や学校での教育介入を強化するという前提に基づき、CEWたちは低コストながら献身的な普及指導員であり、「教育リスク」にある子供達を特定し、彼らの入学や出席を後押しするために家庭、PTA、学校や広域の地域と協力している。 CEWたちは彼らの出身地域から選ばれ、高等教育を修了していることが望ましい。彼らの主な役割は生徒とその家族に教育を継続するモチベーションを与え、退学する恐れのある生徒にカウンセリングや個別指導のサービスを提供することである。また、CEWたちは早期妊娠、収穫期、児童労働や雇用、貧困や低い学業成績などが原因であるとされている低い出席率や退学の主な理由を特定するアセスメントを実施する。 CEWプログラムとその他の教育イニシアティブは「すべての人に包括的で公正な質の高い教育を保障し、生涯学習の機会を提供する」というSDG4計画の支援に必要不可欠なものとなるであろう。

インフラとエネルギー

MVPのためのSharedSolarのような、送電線を使用しないエネルギーシステムを先駆けて開発するコロンビア大学のモディ研究所の研究を踏まえるために、これらのイノベーションを本格展開し拡大するために、公益法人が設立された。持続可能な経済ソリューション(SES)と名付けられたその公益法人は、持続的な社会的投資から資金提供を受け、アフリカ中のより多くの顧客にサービスを提供できるようになるだろう。送電線を使用しないシステムの他に、SESはMVPによって活用され、改良されたFormhubやそのほかの情報システムを促進し、保健医療制度やその他の持続可能な開発制度についての助言を行っていくだろう。

ミレニアム・ビレッジアプローチの拡大

【出典】Millennim Village Project(セネガル)
【出典】Millennim Village Project(セネガル)

その他のポスト2015年期の焦点は、ミレニアム・ビレッジアプローチの拡大や再現を試みたり、ミレニアム・ビレッジによって開発されたツールや制度やプロトコルの実行を試みる政府に対し、技術的サポートや顧問サービスを提供することである。すでに国内のより多くの地域に届くように、プロジェクトモデルの拡大に取り組んでいるギニア、ナイジェリア、ルワンダやウガンダを含むMVPの受け入れ国もある。疫病発症事例を追跡するためにCommCare制度を適応し、エボラ危機の解決を支援することを医療チームに委託したギニア政府のように、特定の問題を解決するためにプロジェクトのスタッフと共にMVPアプローチの構成要素(*MPJ事務局注:CHWプログラム)を導入している政府もある。今日までにアフリカの20以上の国が、ミレニアム・ビレッジ関連のプロジェクトを、それぞれ違う団体により主催したり、新たに始めたりしている。MVPチームは、2015年9月に世界が採択する予定であるこの新しい目標(SDGs)を達成するために、ミレニアム・ビレッジの中で過去10年内に作成、試行、改良されたツールや制度やプロトコルを各国政府が導入するのための手助けすることができるという好ポジションにいるのである。

翻訳協力:
ECC国際外語専門学校総合英語コース翻訳専攻1年
金授智さん、田城駿さん、ほか
ありがとうございました!


マラウイの一村一品運動(OVOP)

OVOPの活動 ~マラウイの地域生産品と共に成長する~  
―マラウイ現地新聞に掲載したOVOP記事広告(2015年9月10日掲載)より―
オイルを渡す西岡大使ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)は、2008年4月に設立された日本を拠点とする非営利団体で教育、食料、物質的援助そして災害の影響を受けた全世界の発展途上国の災害対応に携わっている。この組織は、長年に渡りサハラ砂漠以南のミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)を支援している。2014年から2015年にかけての雨季にマラウイで起こった洪水により、多くの家屋と穀物が押し流されるという災難がマラウイの人々に襲い掛かかった事実を受け、MPJは、日本政府から資金提供を受けている日本の組織であるジャパン・プラットフォーム(Japan Platform)と共同して、マラウイの水害被災者を支援することを決めた。MPJは、ゾンバ(マラウイ南部州に属する県)とムランジェ(マラウイ南部州に属する県)の特定の地域の水害被災者を救援物資で援助しようと考え、同時に地元で生産された製品を促進することを願った。

OVOPショップMPJは、数ある試みの中でも特に、マラウイの一村一品(OVOP)プログラムと連携した。OVOPは各地域社会において、地元で手に入る資源に価値を付加することによって、地域の農家の生活を改善しようと努めている政府のプログラムである。現在、OVOPは111の協同組合を支援しており、そのうち55以上の生活共同組合は、市場に製品を出している。生産されている製品は米、調理用油(ヒマワリとピーナッツ)、モリンガ石鹸、バオバブオイル、蜂蜜と大豆製品などである。
この役目に選ばれたOVOPグループは、ドーワのムチンジ(マラウイ中部州に属する県)と、マディシ(マラウイ中部州に属する町)の農産加工者団体と、カムウェンドとザイラセンベのクッキングオイル協同組合だった。それらの協同組合によって生産された調理用油は、より多くのビタミンを維持するコールドプレス製法を用いて生産されるので、他の調理油の製法と比べると、非常に栄養価が高い。MPJは、リロングウェ(マラウイの首都)を拠点とするサンシードオイル有限会社から調理用ヒマワリ油を調達した。この会社は、地域の原材料を使用し、マラウイの人々を1000人以上雇用している。
MPVプロジェクトは、ゾンバの水害多発地域での水害被災者を援助するだけでなく、同時にそれらの生活協同組合が拠点としている村の地域の生産者に力を与えている。生活協同組合は、ヒマワリの種を売る地元の農家にとって既存市場の役割を果たしている。MPJの水害被災者への寄付の連鎖反応はそこで終わらず、生活協同組合のメンバーがMPJに加工ヒマワリ調理用油を販売すると、彼らにお金が渡り、その後そのお金は、国内のニーズに応じるために彼らが使用するお金(例えば、子供の学費、家のトタン屋根、など)となる。このように、MPJは、マラウイの人々が支援を必要としている時に手を差し延べたので、高く賞賛されている。MPJはこの取り組みを通して、洪水被災者と地域の生産者を援助している。また、そうすることにより、地域経済の成長を促進している。「kupha mbalame ziwiri ndimwala umodzi」これはマラウイ現地の言葉であるチェワ語で、文字通り一石二鳥(一つの石が2羽の鳥をしとめる)を意味する。OVPOとして私達は、地域で手に入る資源への価値の付加と市場連携によって地域経済を促進させるために、この取り組みを強く勧めている。皆で必要なものを地域で集めよう、マラウイ人として共に成長するため互いに助け合おう!マラウイの製品を買おう!
(MPJ事務局注)マラウイの一村一品運動(OVOP)は国際協力機構(JICA)の協力によって運営されています。
写真上は、支援物資のOVOP製造調理用油を被災者に贈呈する西岡周一郎駐マラウイ日本国大使、
写真下は、OVOPショップを視察するMPJユース(2015年3月)。
【MPJ事務局より】上記の翻訳は、ECC国際外語専門学校の学生さんらのご協力をいただきました。ありがとうございました!
翻訳:
ECC国際外語専門学校総合英語コース翻訳専攻1年
小股敦貴さん、西井優佳里さん、濱渦麻里菜さん


日本政府、ケニア、ナイジェリア、ルワンダのミレニアム・ビレッジ支援に500万ドルの無償資金協力を供与へ

日本政府のミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)に対する500万ドル(5億9,600万円)の無償資金協力について、ミレニアム・プロミスおよび同プロジェクトの執行機関である国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)から発表されました。ニュースリリースを翻訳しましたのでどうぞご参照ください。
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コペンハーゲン発 2015年7月3日
当支援はケニアのサウリ村及びデルトゥ村、ナイジェリアのパンパイダ村、ルワンダのマヤンゲ村の4つのミレニアム・ビレッジ・プロジェクト支援のために活用されることになっており、日本政府はアフリカにおける平和の定着と紛争の再発防止に引き続き努めていく姿勢を示しました。
「世界には依然として、様々な理由のために開発の恩恵に預かれない人々がいます。この状況を打破するために、日本政府はODA(政府開発援助)における「人間の安全保障」の重要性を改めて確認しました。」と篠田欣二在デンマーク臨時代理大使は述べています。
さらに、「サハラ砂漠以南のアフリカ地域は21世紀に入り、めまぐるしい経済成長を遂げました。しかしながら依然として、アフリカ大陸の多くの人々が極度の貧困に苦しんでいます。日本国民と日本政府はケニア、ナイジェリア、ルワンダのミレニアム・ビレッジ・プロジェクトを支援することに大きな喜びを感じています。プロジェクトの目標を達成するためには、関係機関一同協力していく必要があります。」と篠田臨時代理大使は述べられました。
この新たな支援金は日本のこれまでのミレニアム・ビレッジ・プロジェクトへの支援を踏まえて拠出されたものです。
2006年から2011年の間、日本政府は国連開発計画(UNDP)と連携している国連人間の安全保障基金(UNTFHS)を通して2,000万ドルを超える援助を行い、9つのミレニアム・ビレッジ・プロジェクト立ち上げに極めて重要な役割を果たしました。日本政府はUNDPとの連携のもと、これまでベナン、カメルーン、マダガスカル、モザンビークに支援を拡大し、これらの国での新たなミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの立ち上げにも貢献しました。
「私たちはミレニアム・ビレッジ・プロジェクトを支える多大なる支援に対して、日本国、並びに安部総理大臣に深く感謝申し上げます。」とミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの責任者であるジェフリー・サックスは述べています。
さらにサックス教授は、「今回の支援によって、ケニア、ナイジェリア、ルワンダの村落地域は、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成を目指して行ってきた、貧困への取り組み、飢餓の削減、所得の向上、病気との闘いに関わる10年に渡る取り組みを最後までやり遂げることができるでしょう。支援を受ける3ヶ国の政府は、MDGsを変わらず支援していくことを今回示した日本に対して、深く感謝しています。日本は今回の支援によって、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国における、持続可能な開発、人間の安全保障、極度の貧困の撲滅に貢献していくグローバルリーダーとしての姿勢を、改めて示しました。」と述べています。
また国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)事務局長のグレテ・ファレモ氏(Ms. Grete Faremo)は、「ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトがサハラ砂漠以南のアフリカ諸国の模範的な役割として、各々の開発に向けての問題や、農村部での貧困の完全撲滅に対して建設的な取り組みを行っていることに対して、支援を続けることができることに誇りを感じています。日本政府による今回の支援は、その方面において次のステップへの移行に貢献するでしょう。」と話しています。

ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトは、ミレニアム・プロミスがコロンビア大学地球研究所と、主導的な執行機関であるUNOPSとともに実施しているプロジェクトです。このプロジェクトの目的は、低所得のサハラ砂漠以南のアフリカの地域において、10年という期間をかけて、国連ミレニアム・プロジェクトで推奨される予算内で低コストかつ科学的根拠に基づいた介入・実践による包括的な支援を行い、ミレニアム開発目標の達成に向けて前進することが可能であることを示すことです。日本からの今回の支援は、上記4つのプロジェクトサイトにおいて、9年目のプロジェクト事業のために活用されます。

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原文はこちらからご覧いただけます。
https://www.unops.org/english/News/Press-releases/Pages/Government-of-Japan-Grants-5-million-to-Support-Millennium-Villages-Project-in-Kenya-Nigeria-and-Rwanda.aspx
日本外務省の報道発表ページはこちら
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002267.html

翻訳:MPJユースの会 
   土屋 潔浩


ケニアのミレニアム・ビレッジ サウリ村がエコ・ツーリズム紹介サイトを開設しました!

 昨年2014年末、ケニア西部ビクトリア湖に程近いサウリのミレニアム・ビレッジ・プロジェクトが、エコ・ツーリズム振興のための準備を進めていることをお伝えしておりました(http://sdgspromise.org/archives/6922)。

ケニア:サウリエコツーリズム (2)
 そのウェブサイト「GEM SAURI ECOTOURS」が開設されましたので
ご紹介いたします。

    http://www.ecotoursgemsauri.org/

 みなさま、ぜひいちどサウリ村のエコ・ツーリズムを検討されてみませんか?
ここは、ひとと自然の調和のとれた素晴らしい場所ですよ。

sauri


日本政府、4つのミレニアム・ビレッジに対して500万ドルの追加支援へ

去る12月15日、日本政府が4つのミレニアム・ビレッジへ無償資金協力を行うことが発表されました。同報道に関するミレニアム・プロミス(ニューヨーク)発信のニュースを翻訳いたしましたので、どうぞご参照ください。

これを受け、ちょうど先週12月15日に行われたミレニアム・プロミス(ニューヨーク)の会議に出席した理事長の鈴木りえこに対し、サックス教授が日本政府とMPJに感謝の意を述べられました。
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ニューヨーク発、2014年12月15日
この度、日本政府によるミレニアム・ビレッジ・プロジェクトへ2度目となる500万ドル(訳注:外務省の発表では5億4,700万円の供与限度額とする)の無償資金供与が発表されました。来たる2015年の1月より、日本からの資金はケニアのサウリ村及びデルトゥ村、ナイジェリアのパンパイダ村、ルワンダのマヤンゲ村の4つのミレニアム・ビレッジの支援に活用され、当該地域における紛争の再発防止、平和の定着に対する日本のコミットメントを踏まえて実施されます。
当支援は、2006年から2011年の5年間に行われたミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(第1期)に対する先の日本の支援に基づいて、今年の6月30日に発表された最初の500万ドルの支援に続いて行われるものです。これまで日本政府は、国連開発計画(UNDP)と連携している国連人間の安全保障基金(UNTFHS)を通して2,000万ドルを超える援助を行い、9つのミレニアム・ビレッジ立ち上げに極めて重要な役割を果たしました。また、日本政府の援助は更に他の支援対象国(ベナン、カメルーン、マダガスカル)にも拡大し、UNDPと共同で新しいプロジェクトサイトを立ち上げるに至っています。
「日本政府の“持続可能な開発”や“人間の安全保障”、そしてサハラ砂漠以南のアフリカ諸国におけるミレニアム開発目標の達成に関するコミットメントは国際社会の模範である。」とミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの責任者であるジェフリー・サックス教授は述べています。
更に、「日本はミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの初期段階からの支援者です。この度の新しい援助ラウンドは非常に価値のあるもので、また機を得ているものであると評価しています。この日本の貢献は日本が改めて極度の貧困を終焉させるための闘いにグローバルリーダーとしての役割を果たすことを示しました。このプロジェクトを成功させようと働く全ての人を代表して、日本の多大なる支援に対して、安倍首相、日本政府、そして日本国民の皆様に深く感謝申し上げます。」
とサックス教授は述べています。
また国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)、エクゼクティブ・ディレクターのグレーテ・ファーレムー氏(Ms. Grete Faremo)は、「日本政府の支援を通してミレニアム・ビレッジ・プロジェクトはサハラ砂漠以南のアフリカ諸国が建設的に彼ら自身の開発課題に取り組むための指導的なモデルとなっています。」と話しています。
ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトは、ミレニアム・プロミスがコロンビア大学地球研究所と、主導的な執行機関であるUNOPSとともに実施しているものです。このプロジェクトの目的は、低所得のサハラ砂漠以南のアフリカの地域において、国連ミレニアム・プロジェクトで推奨される予算構造内で低コストかつ科学的根拠に基づいた介入・実践の包括的な支援を行い、10年という期間をかけてミレニアム開発目標の達成に向けて前進できると示すことです。

原文はこちらからご覧いただけます。
http://millenniumvillages.org/press-releases/japan-to-support-programs-in-the-millennium-villages-in-kenya-nigeria-and-rwanda-with-second-5-million-grant/

日本外務省の報道発表ページはこちら
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_001568.html

翻訳:MPJユースの会 
小林 祐介


【メッセージ】ジェフリー・サックス教授からのメッセージ ②

ミレニアム・プロミス・ジャパン特別顧問ジェフリー・サックス教授からメッセージが届きました!JS MasterHeadshot_low

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エボラ出血熱への対応策

ジェフリー・サックス  2014年8月11日


 ニューヨークから ― 少なからず西アフリカの4カ国(ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア)で猛威を振るうエボラ出血熱の更なる感染拡大を防止すべく、迅速な対応と世界における公衆衛生に対する基本的前提を考え直すことが求められている。私たちは、新興・再興感染症が国際ネットワークを通じて急速に広がる時代に生きている。それゆえに、その現実に見合った世界規模の感染予防体制が必要だ。幸いにも、その体制の実現は適切な処置をとれば手の届く場所にある。

 エボラ出血熱は、エイズ、SARS、H1N1型、H7N9型インフルエンザなどと共に、近年流行しているものの中で最も新興的なものである。ここに挙げた中でも、エイズは最も多くの犠牲者を出し、1981年以来3600万人に及ぶ人々の命を奪っている。

 無論、これよりも危険で突発的な感染流行が起こるとも考えられる。例えば第一次世界大戦中における1918年のスペインかぜは、(戦争そのものが奪った命の数よりも遥かに多い)5000万から1億の命を奪った。2003年のSARS大流行に対しては封じ込めが行われ、死者は1000人以下に抑えられたものの、これにより、中国経済をも含む東アジアにおける数カ国の経済は崩壊寸前にまで陥った。

 エボラ出血熱や他の流行病について必ず知っておきたいのは次の四点である。一点目は、殆どの新興感染症は動物原性感染症であることだ。つまりこれらの感染症は動物個体群に端を発し、人体に感染するものに突然変異することもあるということだ。エボラ出血熱はコウモリから伝染した可能性があり、HIV/エイズはチンパンジーから、またSARSは中国南部における動物市場にて取引されたジャコウネコに端を発した可能性が極めて高いと考えられている。さらにH1N1型やH7N9型のようなインフルエンザの菌株は野生動物および家畜動物の中における遺伝子組み換えから生じた。人類が(かつては遠く離れていた森林地域のような)新たな生態系に介入し、食品産業がより多くの遺伝子組み換えの条件を造り出し、さらには気候変動によって生物の生息地や種間の相互作用が混乱してしまえば、人類が新たな動物原性感染症に接触するのは避けられない。

 二点目は、いったん新たな感染症が現れると、空路、海路、巨大都市や動物製品の売買を通じて極めて急速に拡大する可能性があるということだ。これらの流行病は人間社会がグローバル化していることの証であり、その死の連鎖を通じて、広がりゆく人と物の行き来によってこの世界がどれほど脆弱になってしまったかを露わにする。

 三点目は、被害を最初に受け、最もひどい影響を受けるのは貧困層だということである。田舎地域の貧しい人々は感染力を持った動物に一番近いところに住んでいる。その地域の人々は狩りを行なって野生動物の食用肉を食べることが多いので、ウイルスに感染しやすくなっているのだ。貧しい人々は概して文字の読み書きが不自由で、どのようにして感染症 ―特に馴染みのない病― が広まるのかを総じて知らない。そのために自らへの感染および他人への伝染の可能性が高まってしまう。その上、栄養が乏しく基礎的な医療サービスを利用できないので、彼らの免疫システムは、栄養状態が大変良く、適切に処置を受けられる人であれば凌ぐことのできる感染症に対しても簡単に屈してしまうのである。また、流行病に対する適切な公衆衛生的対応(感染した人の隔離、接触者の特定、監視など)を確実に実施できる医療従事者がいたとしてもその数がごく少数であるという脱医療化現象のせいで、最初の大流行がより深刻なものとなってしまう。

 最後の点は、必要とされる医療器具、有効な薬品およびワクチンをも含む医療対応が、新興感染症よりも遅れをとるのが避けられないということだ。いずれにせよ、そのような道具は継続的に補給されなければならない。そのためには、最先端の生物工学、免疫学、そして最終的には何百万人分ものワクチンや広範囲の流行に備えた薬品等の大規模な産業的な対応が必要である。

 例えば、エイズ危機により、何百億ドルもの資金が研究と開発に費やされ、産業界は救命用抗レトロウイルス薬を国際的規模で生産することに多大なる努力をした。しかしながら、進展を果たすごとに病原菌の突然変異は避けられないので、治療法が有効でなくなるのである。完全な勝利など存在しない。存在するのは、人類と病原体との間のせめぎ合いのみである。

 果たして、エボラ出血熱や新興の致命的なインフルエンザや、病の転移を早めるHIVウイルスの突然変異種、あるいはマラリアや他の病原菌の新たな多剤耐性菌への進化に対して、世界は準備ができているのだろうか。
答えは「NO」である。

 公衆衛生への投資が2000年以後に顕著に増加して、エイズ、結核、マラリアとの闘いにおいて注目に値するような成功につながったにも関わらず、近年では必要量に対する公衆衛生にへの支出は国際的に著しく不足している。ドナー国は、新たに発生し今も続く困難を予期して十分に対応できなかったために、WHO(世界保健機関)に予算規模の大幅な縮小を強いることになった。一方で、エイズ・結核・マラリア対策世界基金のための資金も、これらの病に対する闘いに勝利するために必要な額に全く届いていない。

 ここに緊急に行なわなければならないことを明記しておこう。一点目は、アメリカ、欧州連合(EU)、湾岸諸国、東アジア諸国が、WHOの先導下で、当面の間、さらなる拡大に対して備える中で、おおよそ5000万から1億ドルという額の初期段階で現在のエボラ出血熱の流行に柔軟に立ち向かえる基金を設立すべきだということである。これにより目下の困難に対処できるほどの迅速な公衆衛生的対応が可能となるであろう。

 二点目は、グローバルファンドを低歳入国家のための国際保健基金とするために、ドナー国は国際基金の予算と権限の双方を迅速に拡大させる必要があるということである。その主たる目的は最貧国が基礎的な医療制度をスラム街や田舎の全コミュニティーに成立させるのを助けること、つまりユニバーサル・ヘルス・カバレージ(UHC)の構築であろう。最も緊急を要する事態はサハラ以南のアフリカと南アジアに存在し、これらの地域では衛生状態や貧困が最悪の状況下にあり、予防かつ制御可能な病が未だはびこり続けている。

 とりわけ、これらの地域では病気の症状の把握と監視を行ない、診断および適切な処置を実行できる医療従事者がコミュニティー内で新たに養成され配置されるべきである。年間たった50億ドルの投資で全てのアフリカのコミュニティーに十分に訓練を積んだ医療従事者が配置され、人命救助的な介入を行い、エボラ出血熱のような衛生に関する緊急事態に有効に対応できるようになるだろう。

 最後の点は、高歳入国家は国際的な疾病監視、WHOによる普及活動能力、そして20世紀を通して人類に一貫して大いなる利益をもたらしてきた人命救助につながる生体医学研究へ継続して十分な投資をしていかなければならないということである。国家予算が緊縮しているが、財政を理由に、私たちの生命そのものを危険にさらすのは無謀なことであろう。



www.jeffsach.org
www.earth.columbia.edu/mpv




この英文は学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校様のご協力により、学生の方に翻訳していただきました。
[翻訳ボランティア] 
学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校
国際ビジネス学科 総合英語コース<翻訳専攻> 1年
増田果穂様、山内勇樹様
ありがとうございました!




【メッセージ】ジェフリー・サックス教授からのメッセージ ①

ミレニアム・プロミス・ジャパン特別顧問ジェフリー・サックス教授からメッセージが届きました!JS MasterHeadshot_low

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忘れられたミレニアム目標である初等教育の普及

ジェフリー・サックス  2014年6月22日


 極度の貧困との闘いの中、私たちは難題に直面している。2000年に国連ミレニアム開発目標が制定された際、これには保健および教育的目標が含まれていた。保健目標に関しては金銭的な意味も含め勢力的に行われ、成功を収めた。一方で基本教育に関しては失敗に終わった。アメリカ政府や各国政府は考えるまでもない課題を途中で放棄したのだ。

 目標を制定した際、私は前国連事務総長コフィー・アナンと共に世界エイズ・結核・マラリア対策基金の設立支援に取り組んだ。皮肉を言う人の中にはよくあるワンパターンな反対をする者もいたが、その世界基金もアメリカの新たなプログラムでもあった大統領エイズ救済緊急計画(PEPFER)や大統領マラリア・イニシアチブも数十億ドルを集めた。15年程が経過し、これらのプログラムは強固に機能しており、援助は期待通り機能し、疾病は抑制されている。

 一方で教育における類似の基金の設立は不可能であった。教育の普及を推進するという考えは政策的に孤立し、疾病抑制の時と同等のレベルの投資家の関心を集めることは出来なかった。もちろんわずかな援助でも数百万人の子どもたちが学校に通えるようにはなったが、資金不足により学校では教育用具や経験を積んだ教師、安全な水さえも足りないことが度々あった。そして依然として数百万人の子どもは学校に通えていない。

 なぜ違いが生まれたのか。私は10年間困惑してきた。このようなことになったのは、健康の危機、生きるか死ぬかといったようなことの方が教育よりドラマティックであるからなのか。製薬業界が健康への関心を広めるのに一役買った一方で、民間セクターがグローバル教育に関心を示さなかったからなのか。あるいは世界の指導者たちが単に必要な努力をしなかっただけなのか。

 それにしても、赤面してしまう程の資金不足のせいで、多くは紛争地域に住んでいる何千万の子どもたちが学校に通えないというのは不条理で、とても深刻なことである。今、貧しい子どもたちを教育しなければ、数十億ドルを費やしてボコ・ハラムやアルカイダの一員となった彼らと再会するということもありえるのだ。

 来る6月26日の木曜日(訳注:2014年6月22日執筆時点)、私たちはこういった現状を変え始めることができる。政府や団体がブリュッセルに集まり、世界における最貧困層の子どもたちへの初等教育に対する財政的コミットメントを再確認する。主要な支持グループ、「教育のためのグローバルパートナーシップ(GPE)」は世界が一歩踏み出して援助をしなければ、読み書きが出来ず、数字が分かるようにならない子どもたちを支援する。GPEは現在、増資交渉において4年間に渡り35億ドルを求めている。これは概算で先進国の1人につき1ドルを出資するのに相当する。これ以上優良な投資を考えるのは難しい。

 この案は朝飯前のはずなのだが、そうはいかない。現在のところアメリカが2年で2.5億ドルの寄与要請に応じる保証はない。そもそも、アメリカ国防省が2時間で使ってしまう1.25億ドルを1年毎にワシントンに懇願する必要があるのだろうか。公衆衛生のように、教育関係の寄付も用品や教員研修や教員配置、教室や水道や衛生システムなどのインフラ設備といったように財源から使用までをたどるのが容易い。GPEは被援助国に対して計画と数値的、および段階的目標を定めるよう求めているが、それは子供たちの利益となる健全で妥当な管理であり、難しいことではない。

 しかし、本交渉ではより高みを目指すべきで、まさに21世紀にふさわしい教育実現への国境を越えた尽力が必要となる。現在私たちはおよそ6000万人の子供たちに初等教育を提供することに取り組んでいるが、それだけでなく、教育の機会を持たない数億人の子どもたちへの中等教育の保障も目指すべきである。

 また特に女性教育に力を注ぎ、少女たちが10代で結婚を強いられるのではなく、中等教育を修了し、労働力となり得るような技術を習得できる、あらゆる機会の確保に尽力するべきである。女性を教育することは地域コミュニティーを変え、その恵みは次の世代、母から子へと継承されていく。

 仲間たちと私は、通信会社の第一線を行くエリクソン社と共同でConnect To Learnと呼ばれる、まさにそのようなプロジェクトをすすめている。目標はアフリカの貧しい村々にいる少女たちが高校を修了できるよう、通信技術を使うことだ。これらの地域の学校には本はほとんどないが、Connect To Learn教室はオンライン教材を備え、少女たちはそこから多くの情報を得ることが出来る。携帯電話での支払を可能にし、銀行システムという段階を飛び越えた村落のように、貧しい村々のコミュニティーも通信技術を用いて教育面で飛躍を遂げるかもしれない。

 もちろんConnect To Learn、そして関連するイニシアチブを桁違いに拡大して、数百数千ではなく数億人もの子どもたちに届くようにしなければならない。そのためには、通信やSNSの大手企業、国家、個人の寄付、その他多くの協力が必要である。それらの財源を柔軟かつ創造的な教育基金に投資してもらうこと。以上が今週(訳注:2014年6月22日執筆時点)ブリュッセルで我々が目指す目標である。


www.jeffsachs.org
www.earth.columbia.edu/mvp



この英文は学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校様のご協力により、学生の方に翻訳していただきました。
[翻訳ボランティア]
学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校
国際ビジネス学科 総合英語コース<通訳専攻・翻訳専攻>1年
川原愛美様、菅原和華奈様、友長理良様、吉田葵様
ありがとうございました!




ミレニアム・ビレッジからレポートが届きました! ②

~ミレニアム・ビレッジでの読み書き向上ワークショップ~
Alia Karim からの報告


3

















 9月下旬、ニューヨーク、マラウイ、ルワンダ、タンザニア、ケニアからミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(以下MVP)のメンバーがマラウイのムワンダマで行われたMVPのワークショップに参加し、子どもたちに基本的な読み書きの知識を教えていく方法について、意見交換を行った。このワークショップには、地区教育部長とセイント・アンソニーとナマディ地帯の初等教育アドバイザー2名や地元の提携機関であるSave the Children とRTI(訳注:米国の非営利研究機関)の低学年向きの読書活動推進オフィスなどのゾンバ地方の子供たちに読み書きを教えることに焦点を当てている現地の機関の代表者も参加した。

 認知心理学者で世界銀行の識字専門家であるヘレン・アバジ氏は基本的な読み書きを現地の言葉で教える彼女の方法の基となる科学的研究を発表したが、この彼女の方法に基づいて村の学習センター(以下VLC)のパイロットが2014年6月に開始したのである。ワークショップ参加者たちは基本的な読み書き教育の方針について議論し、自らの経験から学んだ教訓を共有し、考えを出し合った。基本的な読み書きを教える教育において、文字の名前より文字の発音に焦点を置き、流暢さをもたせるために文字を解読し、読むという練習にもっと力をいれるべきだということに参加者全員が合意した。


4 ワークショップ参加者たちはムワンダマを訪れ、Community Education Workersと呼ばれるボランティアたちが上記の方針に基づき、彼らのVLCで読み書きを教えた経験について、彼らと共に話し合った。(左写真を参照)
 ワークショップ二日目では、参加者全員がVLCを訪れ、実際の授業の様子を見学し、この活動の長所と、また、現在、ムワンダマで行われている読み書きの指導の改善すべき点について詳細に議論を交わした。またマラウイチーム(訳注:ムワンダマMVPを担当している現地組織)は、1単元に1つの文章が紹介され、リーディングの練習のための追加の文章や、データ収集方法、プログラムを実施するにあたってのガイドラインも掲載する教科書作成の具体的な詳細ついても発表した。MVPの教育部門が教育の質を高めることや学校に通っている生徒たちが基本的な読み書きのスキルを身につけていけるよう保障することにより一層の焦点を当てていくに従って、ゆくゆくは小学校低学年から国語(キニアルワンダ語、スワヒリ語)政策が取り入れられている、ルワンダ、タンザニア、ケニアなどの地域でのMVPにおいても、このリーディング力を向上させるための取り組みは採用されていく可能性があるだろう。



この英文は学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校様のご協力により、学生の方に翻訳していただきました。
[翻訳ボランティア]
学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校
国際ビジネス学科 総合英語コース<通訳専攻・翻訳専攻>1年
張平欣様、築山杏奈様、長尾友莉子様
ありがとうございました!




ミレニアム・ビレッジからレポートが届きました! ①

~ガーナのミレニアム・ビレッジにおける地域密着型の教育サポート~
Sarayu Adeniからの報告


1


















 子供を育てること、そして学校を建設することは地域全体の協力が必要である。ガーナのBonsaaso村における教育のイニシアティブは主としてミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)によって行なわれているが、いくつかの地域は独自の方法でこの事業を支援している。


 それらの地域による貢献で最も一般的なものは、教室や教師の宿舎、管理事務所、キッチンなど、学校施設の建設である。PTAは自治会の会議で会費を集めたり、寄付を受け入れたり、その地域の金鉱山会社から使用料を請求したりすることで、資金を工面した。資金を使い切る前に事業を終えることが出来なかった地域もあるが、学校建設を優先させ、それを統制することができた地域もあった。MVPはそれらの地域と共に未完成の建設事業のための解決策の模索と資金提供を続けている。


 ある地域では、他の地域から危険な道を通り学校へ通っていた生徒や教師を受け入れるため、二部屋ある幼稚園が建設された。また別の地域では、進みの遅い教室拡大事業の屋根や床の工事を終わらせるために、MVPは現物支給を申し出た。


2

 Bonsaaso村屈指のココアやプランテンの収穫率を誇るApenimadi学校農場の外でMVPの教育責任者はそこの教師と話をした。
 Bonsaaso村の学校にとって、農場と農園はもう一つの収入源である。保護者、地域の人々、そして生徒たちは学校の所有地の中の小さな区画を耕すために時間を費やしている。ココアなどの換金作物は学校備品を購入する資金を捻出するために売却される一方で、プランテンや他の特産物が学校での食料支援の一助となっている。


 全体的にみれば、学校のまわりの地域住民は食料支援委員会とともに、学校農場の収穫を手伝い、生徒の食事を作り、またはゆっくりだが確実に自分たちの子供が初等教育以上の教育が受けられるように資金を集めることで、自分たちを組織化する努力を行ってきている。


 低所得者には鉱山業と農業において経済活動を行う機会があるので、MVPの学校への参加を続けることは難しい。しかしこれらの小さな成功は、地域参加の教育への可能性を見せている。




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Sarayu Adeniはコロンビア大学国際公共政策大学院の開発行政修士生。彼女は2014年の夏に、ガーナのBonsaaso村で行われているMVPの教育部門で活動した。




この英文は学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校様のご協力により、学生の方に翻訳していただきました。
[翻訳ボランティア] 
学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校
国際ビジネス学科 総合英語コース<通訳専攻・翻訳専攻> 1年
黒住友愛様、杉野碧様、築山夏子様、野々原知賢様
ありがとうございました!




日本政府、ケニア・ナイジェリア・ルワンダのミレニアム・ビレッジを支援へ

日本政府のミレニアム・ビレッジへの支援に関するミレニアム・プロミス(ニューヨーク)発信のニュースを翻訳いたしました。
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ニューヨーク発、2014年7月7日安倍総理とサックス教授
ミレニアム・プロミス(ニューヨーク)は、日本政府から500万ドルの資金が新しくケニア、ナイジェリア、ルワンダのミレニアム・ビレッジ・プロジェクトに提供されることを発表しました。この資金は、サウリとデルトゥ(ケニア)、パンパイダ(ナイジェリア)、そしてマヤンゲ(ルワンダ)の4つのミレニアム・ビレッジの支援に使われる予定で、これらの地域に対する日本の紛争予防・平和構築支援の一環として提供されます。

日本はこれまでもミレニアム・ビレッジ・プロジェクトへの支援を行ってきました。2006~2011年の間に、日本は国連開発計画(UNDP)と連携している国連人間の安全保障基金(UNTFHS)を通して、2000万ドル以上を拠出し、9つのミレニアム・ビレッジ・プロジェクト立ち上げに重要な役割を果たしてきました。日本政府はその後、支援対象国を4か国(ベナン、カメルーン、マダガスカル、モザンビーク)増やし、UNDPとともに新しいプロジェクト地での開始をサポートしました。

ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトのディレクターであるジェフリー・サックス教授は、「この新しい援助資金は、安倍首相の、持続的な開発、人間の安全保障、そしてサハラ砂漠以南のサブサハラ・アフリカ地域でのミレニアム開発目標達成に対する支援継続を表明するものです。我々は日本政府に対し、その長年にわたる支援と、サブサハラ・アフリカ諸国の極度の貧困削減への試みへのサポートに関して、リーダーシップをとってくれていることに、非常に感謝しています」と述べています。

また国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)のヴィタリー・ヴァンシェルボイン氏(Mr. VitalyVanshelboim)は、「我々は、サブサハラ・アフリカの国々が開発に関わる問題に対処し、貧困を根絶するにあたって主導的なモデルとなる、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトを支援できることを誇りに思っています」と話しています。

ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトは、ミレニアム・プロミスがコロンビア大学地球研究所と、主導的な執行機関であるUNOPSとともに実施しているものです。このプロジェクトの目的は、低所得のサブサハラ・アフリカの地域において、国連ミレニアム・プロジェクトで推奨される予算構造内で低コストかつ科学的根拠に基づいた介入・実践の包括的な支援を行うことで、10年という期間をかけてミレニアム開発目標の達成に向けて前進できると示すことです。この日本からの援助資金は4つの地域においてプロジェクト9年目の支援に用いられる予定です。

原文はこちらからご覧いただけます。

http://millenniumvillages.org/field-notes/japan-to-further-support-the-millennium-villages-in-kenya-nigeria-and-rwanda/

翻訳:佐野 由梨

写真は、安倍総理大臣とジェフリー・サックス教授。
第5回アフリカ開発会議にて(2013年6月3日)