マラウイのバオバブオイルは日本にも輸出されています!

ここ数年、欧米を中心にスーパーフードや優れた美容オイルとして注目を集めているバオバブですが、日本における認知度はまだまだ低いように思います。

日本でも、スキンケアに様々な植物オイルを利用する人が増えてきていますが、シアバターやアルガンオイルは知っていても、バオバブオイルについては専門家以外知らないという人が大多数ではないでしょうか。

実際にインターネットで「バオバブオイル」と日本語で検索すると、検索ヒット数は数年前に比べるとかなり増え129,000件ですが、英語で「baobab oil」と検索すると、474,000件と3倍以上のヒット数になります。

当プロジェクトでは、日本に向けてもバオバブオイル・バオバブパウダーを広めるための広報活動を展開しています。

日本で売られているバオバブオイルはセネガル産のものが多いようです。でも、実はマラウイ産のバオバブオイルも日本で販売されているのです!

そこで、今回は、日本でマラウイ産のバオバブオイルを取り扱っている企業「バオバブサンライズ」さんをご紹介したいと思います。

バオバブサンライズHP: https://www.baobab-sunrise.com/

バオバブサンライズから販売されているマラウイ産バオバブオイル
バオバブサンライズから販売されているマラウイ産バオバブオイル

バオバブサンライズを立ち上げた岡田鉄太さんは、これまで25年間に渡って、アフリカやアジアなどで国際協力関係の仕事に従事されました。マラウイには、2011年から2017年まで滞在され、マラウイ全土に点在する100を超える農民組合を支援し、農民たちの生活向上を目的に、マラウイ政府が主導する日本発の一村一品運動支援に携る活動を展開されていました。

筆者も2016年のプロジェクト事前調査の際に、マラウイで岡田さんにお会いしました。岡田さんは、現地の人を尊敬し、マラウイのために真摯に活動をされている素敵な方という印象でした。

上記のような熱心な活動の中で岡田さんが出会ったのが、マラウイの農民組合によって作られていた「バオバブオイル」でした。岡田さんは帰国後もマラウイでの一村一品運動を別の形で支えたいと考え、すでにマラウイから欧米などへは輸出されていたバオバブオイルを通じて、マラウイの生産者と日本の消費者をWin-Winの関係でつなぐための架け橋になるべく、帰国後に日本にてバオバブサンライズを立ち上げて、マラウイ産バオバブオイルの販売を始めました。

マラウイで活動時代の岡田さん(右)、支援していたMaluso Cooperative Unionのスタッフたちと
マラウイで活動時代の岡田さん(右)、支援していたMaluso Cooperative Unionのスタッフたちと
マラウイでバオバブオイルを製造している組合の1つ、Home Oils Cooperative。同組合のオイルはバオバブサンライズを通じて、日本でも販売されました
マラウイでバオバブオイルを製造している組合の1つ、Home Oils Cooperative。同組合のオイルはバオバブサンライズを通じて、日本でも販売されました

岡田さんは、定期的にマラウイの農業組合から直接バオバブオイルを仕入れています。ちょうど今年の9月に当プロジェクトがバオバブオイル製造の支援している組合(Maluso Cooperative Union)に対して、バオバブサンライズからの注文が入り、50Lのバオバブオイルを日本に輸出しました。

Maluso Cooperative Unionは、2018年1月より、当プロジェクト支援のもとバオバブオイルの製造を始め、今回、初めてのマラウイ国外への販売となりました。

今回の商品輸出を行うにあたり、事前にサンプルを送り、バオバブサンライズさんの顧客モニターの皆さんにオイルをテスト使用してもらい、品質を確かめてもらいました。

これまで、私たちは現地において、オイルの品質をより良くするための支援を続けてきましたが、日本への輸出に対応できる品質のオイルを作れるまでに成長したことはMPJにとっても嬉しい限りです。

品質改善支援。オイルの搾り方を少しずつ変えながら、どの製造方法が一番良い品質のオイルを作れるかを実験調査
品質改善支援。オイルの搾り方を少しずつ変えながら、どの製造方法が一番良い品質のオイルを作れるかを実験調査
品質改善支援。出来上がったバオバブオイルの色や香りなどをチェック。
品質改善支援。出来上がったバオバブオイルの色や香りなどをチェック。

まだバオバブオイルを使ったことがないという方は、これからの乾燥シーズンに、ぜひ一度、マラウイ産バオバブオイルを試してみて下さい。バオバブサンライズのHP、またはYahooショッピングから簡単にネット注文可能です。

筆者も毎日、お風呂上りにオイルを数滴伸ばして、顔や手などに塗っています。空気が乾燥するマラウイでは、日本よりも肌や唇がカサカサになりやすく、ここでは手放せないアイテムとなっています。また、シャンプー後にバオバブオイルを髪に一滴たらしているMPJスタッフは、美容院で「髪につやがある」と初めて褒められた、と喜んでいました。

皆さんもアフリカの大地に根付く、生命の木「バオバブ」の魅力を日本で体感してみてください!


【ショッピングセンターでのバオバブ商品プロモーション】

現在、当プロジェクトはバオバブ商品を通じた農民グループの収入向上、自立支援の促進に取り組んでいますが、バオバブ商品をより多く販売して収入を増やしていくためには、市場の拡大が必要です。
しかし、マラウイの人たちはバオバブがマラウイに多く自生していることは知っていても、現在私たちが販売を勧めているバオバブパウダーやバオバブオイルの存在、そしてその効果を知っている人はまだまだ少ないのが現状です。
そこで、人が多く集まる休日のショッピングセンターにおいてプロモーションブースを出展し、現地の人たちにバオバブパウダーやバオバブオイルについて紹介し、バオバブ商品の消費者を増やすというのが今回の狙いです。

まずはバオバブ商品の持つ魅力について簡単にご紹介します。
実はバオバブオイルは欧米ではスキンケア用の美容オイルとして注目を集めています。
バオバブオイルはバオバブの種子から作られています。この種子が保湿に有効な脂肪酸、また、ビタミンEやカロテンなど、お肌の調子を整える成分も多く含まれています。バオバブパウダーはバオバブの実から作られており、ビタミンCやカルシウム、鉄分、食物繊維など多くの栄養素を含んでいるため、スーパーフードとして注目を集めています。

 

マラウイでは、女性はもちろん男性もお肌の手入れには気を遣っており、シャワーの後にはボディクリームなどを使ってスキンケアをしているという人が非常に多いのです。日本でも、最近では男性用の化粧水などが店舗に並ぶ様になってきて、若い男性たちを中心にお風呂上りにスキンケアというのも徐々に浸透してきていますが、実際にマラウイ男性の美意識に対する関心の高さには私たちも驚きました。
また、近年では健康に対する意識も高まってきており、特に富裕層のマラウイ人を中心に、ジムでのトレーニングやジョギングを日課にする人、モリンガなどの健康食品をサプリメントとして摂取する人が徐々に増えています。

そのため、バオバブ商品のもつポテンシャルはマラウイの人たちが持つスキンケアや健康に対する意識やニーズとも一致すると私たちは考えています。

 

さて、では実際にどの様にプロモーションを行ったのかをご紹介していきたいと思います。

 

【首都リロングウェ】
リロングウェでは、同県でバオバブオイルやパウダーを製造販売しているMaluso Cooperative Unionと一緒にブースを出展しました。リロングウェにはいくつかのショッピングセンターやモールがありますが、今回私たちが選んだのは、通称Game Complexと呼ばれているショッピングセンターです。バスターミナルからも近く、町の中心街に位置するため、平日休日問わず、いつも多くの買い物客で賑わっています。

Game Complexと呼ばれているショッピングセンター
Game Complexと呼ばれているショッピングセンター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、すでにMaluso Unionがバオバブオイルを卸している、コスメティックショップの前のスペースをお借りしました。隣には大きなスーパーマーケットが並んでいるため、スーパーに買い物に来たお客さんたちも取り込むことができる良い場所です。

プロモーションブース
プロモーションブース

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブースでは、バオバブオイルやパウダーの商品ポスターを設置し、日本から持ってきたお肌の水分や油分量を測ることのできるスキンチェッカーを使った、お肌の状態チェック体験と、バオバブオイルのテスターを用意しました。

土曜日ということもあり、買い物に来た多くの人たちがブースに詰めかけ、バオバブオイルを知らない人たちにその存在を知ってもらういい機会となりました。

スタッフもお揃いの「Buy Malawi, Buy Baobab」Tシャツで商品の説明をしていきます。
スタッフもお揃いの「Buy Malawi, Buy Baobab」Tシャツで商品の説明をしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特に大人気となったのが、お肌の状態チェック体験でした。マラウイではスキンチェッカーなど手に入らないため、全員が初体験ということもあり、女性はもちろん、男性も多くの人が集まりました。

男性たちも自分のお肌の状態チェックに興味津々です。
男性たちも自分のお肌の状態チェックに興味津々です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキンチェックしていると、マラウイ人のお肌はオイリー肌であるが、水分量が少ないという人が多いことが分かりました。つまり、お肌の表面には油分が多いが、内部は乾燥している人が多いのです。そんな人にこそ、バオバブオイルの出番です。バオバブオイルはお肌に自然と浸透していくため、油分を適切に調整する働きがあり、さらに保湿力の向上にも期待できます。

バオバブオイルの特性を説明し、実際にオイルを着けてもらい、使い心地を確かめてもらいました。マラウイ人はすでにボディクリームやワセリンなどのケア用品を使っている人がほとんどなので、そこにオイルを混ぜて使うなどの使用方法なども提案しました。

 

スキンチェックの効果もあってか、多くの人がバオバブオイルに興味を示し、ブースの場所を提供してくれたコスメティックショップからもバオバブオイルの新たな注文が入りました。また、ブースを訪れた、ホテルでマッサージ店を運営しているという女性から「ぜひ私の店で使いたい。」と業務用の注文を獲得することもできました。

 

【マラウイ最大の商業都市ブランタイヤ】

ブランタイヤでは、同県でバオバブオイル・パウダーの製造販売をしているHome Oils Cooperativeと一緒にブース出展しました。今回私たちが選んだ場所はブランタイヤ最大のショッピングセンターであるChichiri Shopping Centerです。

大きなスーパーマーケットやセレクトショップが立ち並ぶChichiri Shopping Center
大きなスーパーマーケットやセレクトショップが立ち並ぶChichiri Shopping Center

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、リロングウェ同様にスキンチェッカーとバオバブオイルのテスターの他に、バオバブジュースの試飲も用意しました。さらに、ブースを訪れた人たちが普段どんなスキンケア商品を使っているのか、その種類や価格帯を調べるアンケート調査も実施しました。

こちらの会場も土曜日の買い物客で賑わっており、多くの人がブースを訪れてくれました。

プロモーションブースの様子
プロモーションブースの様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回もスキンチェッカーは大人気でしたが、最も効果的な成果を上げたのはバオバブジュースの試飲でした。ブースを訪れた人の多くがバオバブの実を口にしたことはあっても、パウダーとして売られている商品を買ったことはないという人ばかりでしたが、組合が作ってきた特製バオバブミルクセーキを試飲してもらうと、「おいしい!」という声と共に、レシピを尋ねて1瓶買っていくというお客さんが続出しました。併せて、バオバブは様々な栄養素が豊富で、日常的なサプリメントとしても最適であることをアピールすることができました。

今回の主役となったバオバブジュースの試飲。
今回の主役となったバオバブジュースの試飲。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、スキンケアに対するアンケート調査では、多くの人が2,000K台(日本円で約400円)のスキンケア商品を普段購入しているということで、Home Oilsが販売しているバオバブオイルも2,000Kであったため、スキンチェックやオイルの試用後に購入してくれるお客さんもありました。ブースに参加していた組合のメンバーもプロモーションブースの効果を実感した様で、次は自分たちだけでもやってみると嬉しい意見が出ました。

 

バオバブオイルのテスターを勧め、アンケートを取っていくメンバーたち。
バオバブオイルのテスターを勧め、アンケートを取っていくメンバーたち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今後も引き続き、マラウイでのバオバブ市場開拓に向けて活動を進めていきます。

 

 

 


【マラウイのバオバブ市場をどうやって広げていくか?】

今月は、現在取り組んでいる、現地でのバオバブ商品の市場開拓の活動について紹介します。

 

バオバブは欧米などではスーパーフルーツとして認知されていますが、実際にそのバオバブが自生しているマラウイでは、バオバブの存在は知っていても、バオバブが高い栄養素を持っていることや、バオバブオイルに保湿効果があることはあまり認知されていません。

 

バオバブ商品の市場を開拓するにはまず、バオバブ製品の商品価値の認知向上も大事な要素の一つです。マラウイ政府は「Buy Malawi」をスローガンに国産品の国内消費を推進していますが、スーパーマーケットなどで売られている加工品の多くは輸入品で、特にスキンケア用品などは、UnileverやNIVEAなど日本でも良く知られている商品がシェアを占めています。

当プロジェクトでは、「Buy Malawi」を促進するために、マラウイ産のバオバブオイルを日々のスキンケアやヘアケアに使用してもらうべく、バオバブ商品の認知向上や市場を拡大すべく活動を進めています。

(Buy Malawiについて詳しく知りたい方はHPをご覧下さい。)http://www.buymalawi.mw/

 

今回は、5月から6月にかけてマラウイの2大都市・リロングウェとブランタイヤにおいて実施した「マーケティング実習」について報告します。この実習はバオバブオイルとバオバブパウダーの認知度の向上と取り扱い店舗を増やすことを目的に、マラウイ人と日本人のマーケティングの専門家を1名ずつ招いて実施しました。初めに、専門家より営業活動に関するノウハウを参加者であるMaluso Cooperative Union5名(リロングウェ)、Home Oils Cooperative8名(ブランタイヤ)に講義してもらい、その後、実際に専門家と参加者で市内の美容院や化粧品販売店、薬局など延べ約400店舗にバオバブ商品の営業活動を行うというものでした。

 

○実習1日目(事前講習会)

専門家より市場調査の目的や方法をレクチャーしてもらい、市場のニーズを把握し、そのニーズを満たすための商品作り、コンセプト作りの重要性を学びました。

 

リロングウェの支援対象組合での講習会
リロングウェの支援対象組合での講習会

 

○実習2~4日目(市場調査)

専門家、組合メンバー、MPJスタッフと共に、市内においてバオバブ商品を販売できる可能性の高い店舗を、立地や客層などを確認しながら探しました。そして、実際に営業をかける店舗をオイル、パウダーそれぞれ100店舗ずつ選定しました。バオバブオイルの営業先は、美容院や化粧品店、薬局、マッサージサロンなど、バオバブパウダーは、薬局や食料品店、スーパーマーケット、レストランなどを中心に店舗を選定しました。

 

 

6月マラウイ2
とにかく足を使って、実際の店舗の様子をチェックしていきます。
女性用の洋服店や化粧品店、美容院などが並ぶ、ブランタイヤのファッションストリート
女性用の洋服店や化粧品店、美容院などが並ぶ、ブランタイヤのファッションストリート

 

○実習5~10日目(プロモーション活動)

その後、選定した200店舗を1つずつ営業訪問し、実際にバオバブ商品のプロモーション活動を行いました。店舗のオーナーやスタッフに対してバオバブ商品の説明を行い、商品サンプルやチラシを配布して、店舗で取り扱ってもらえる様に依頼しました。

6月マラウイ4
毎朝のミーティング。商品のセールストークの内容などについて確認します。

 

化粧品店のオーナーにバオバブオイルの効果を説明する組合メンバー
化粧品店のオーナーにバオバブオイルの効果を説明する組合メンバー
個人経営のスーパーマーケットにバオバブパウダーをPRする専門家と組合メンバー
個人経営のスーパーマーケットにバオバブパウダーをPRする専門家と組合メンバー

 

○実習11日目(振り返りミーティング)

最後に、これまでの10日間の活動を振り返り、実際にプロモーション活動を通しての店舗の反応や興味の高さなどによって、今後フォローアップしていくべき店舗に優先順位を付けていきました。また、この実習で何を学んだか、今後、事業を展開していく上での課題は何かについてメンバーみんなで共有しました。

ブランタイヤの支援組合での振り返りミーティング
ブランタイヤの支援組合での振り返りミーティング

 

今回の実習による新規販売店舗の獲得目標数は1割の40店舗。これまでに9店舗の新規顧客を獲得し、現在もフォローアップ活動を継続中です。この目標は決して簡単なものではありませんが、引き続き、一歩ずつ着実にマラウイ国内におけるバオバブ商品の市場拡大を目指します。

 

 

 


第33回MPJ研究会のお知らせ マラウイ駐在員一時帰国報告会 バオバブでマラウイの農村を活性化させよう!

ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)では、2月26日(月)18:45より一時帰国中のMPJマラウイ駐在員を講師として研究会を開催いたします。

 

研究会では、マラウイにて実施中のプロジェクト「バオバブ製品の製造販売を通じた農民グループの自立支援プロジェクト」の中間報告として、活動内容はもとより、マラウイがどんな国か、バオバブから作られるオイルやパウダーの魅力についてなどなど、ざっくばらんにお話いたします。

 

堅苦しい報告会ではありませんので、ぜひお気軽にご参加ください。

 

研究会の開催要領は、下記の通りです。

 

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バオバブ製品の製造販売を通じた農民グループの自立支援プロジェクトinマラウイ

駐在員一時帰国報告会

バオバブでマラウイの農村を活性化させよう! ~バオバブが「生命の木」と呼ばれるワケ、お教えします~

 

【日時】2018年2月26日(月)18:45~20:15(18:30開場)

【場所】文京シビックセンター 5階会議室A

(地下鉄南北線・丸の内線後楽園駅直結)

【講師】青木道裕、天野桃子(MPJマラウイ駐在員)

【会費】無料

【申込方法】お名前、ご所属、ご連絡先を明記の上、mpjapan@drive.ocn.ne.jpまでメールにてお申し込みください。

【申込締切】2月22日(木)

 

 


(マラウイ農民グループ支援事業)バオバブパウダー製造に密着!

今回はバオバブの実から作られる栄養価が豊富なスーパーフード、バオバブパウダー製造の様子についてご紹介します。全ての工程を手作業で行なうため、時間と労力はかかりますが、道具さえあれば電気の通っていない村でも簡単に製造することができます。またバオバブパウダー製造後には残った種をバオバブオイルやバオバブジャムの製造にも活用することができ、農民の人々の更なる収入向上へと繋がります。

 

~準備するもの~

バオバブフルーツ、ビニールシート、臼と杵、平たいバケツⒶ、中バケツⒷ・Ⓒ、大バケツⒹ、粉振るい器Ⓔ・Ⓕ(Ⓔよりも網目の細かいもの)

バオバブフルーツ
バオバブフルーツ
臼と杵
臼と杵
粉振るい機C
粉振るい機C

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~バオバブパウダー製造の流れ~

(0) 使用する道具を布で拭いてきれいにする

(1) ビニールシートを敷き、場所を確保する

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(2) シートの上にバオバブフルーツ(バオバブの実)を広げ、殻や繊維などを取り除き、平たいバケツにまとめる

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(3) 平たいバケツから臼に適量(容量の1/3程度)のバオバブフルーツを入れ、杵で砕く image16  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(4) フルーツの中の種が見えてくる程度に砕けたら中バケツAへ移し替える

(5) 中バケツAの中身を粉振るい器Cで大バケツへ振るいかける image20

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(6) 大バケツの中身を中バケツBへ移し替える

(7) 中バケツBの中身を網目の細かい粉振るい器Dで再度振るい、大バケツへ image22

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(8) 出来上がったパウダーを詰めて完成!

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バオバブパウダーはビタミンCがレモンの3倍、カルシウムが牛乳の3倍、鉄分がほうれん草の3倍、食物繊維がバナナの50倍、ポリフェノールがアサイーの2倍含まれるなど、栄養価が非常に高い食品です。美肌効果、アンチエイジング、デトックス効果、貧血防止、ダイエット効果、腸内環境を整える、骨を健康に保つ、などの効果が期待できると言われており、スーパーフードとして欧米ではすでに注目を浴びています。 マラウイでは昔からジュースやアイスなどにしてよく食べられており、日本でもブームの兆しか感じられるよう注目の食材です!


(マラウイ農民グループ支援事業)支援対象グループのメンバーをご紹介!

 

一緒に暮らしている孫(両端)とキャサリンさん
一緒に暮らしている孫(両端)とキャサリンさん

 

今回は、マラウイでの支援対象グループのメンバーについて少し紹介したいと思います。

 

第一回目のグループメンバー紹介となる今回は、支援対象グループの一つ、Wokha Producers and Marketing Cooperative SocietyのメンバーであるCatherin Kazembe(キャサリン・カゼンベ)さんをご紹介します。

キャサリンさん
キャサリンさん

 

現在49歳のキャサリンさんは夫を10年前にHIVで亡くし、それまで仕事をせず経済的に夫に頼りきっていた彼女はとても苦労をしました。キャサリンさんにはすでに結婚し自立した3人の娘たちがいました。しかし、以前から病気を患い未亡人でもあった娘の一人が亡くなり、キャサリンさんはその子ども2人を引き取ることになりました。その子どもたちが寂しくないようにと、さらに2人の娘の子どもの中から1人ずつを引き取り、今では4人の孫と共に暮らしています。

自宅の様子
自宅の様子

 

 

 

彼女が住んでいるモンキーベイという地域は特に未亡人が多く、現在も50人以上の未亡人がいるそうです。モンキーベイにはマラウイ湖があり、マラウイの中でも娼婦が多く集まる場所です。(レイク沿いには漁師やレイクビジネスを行なっている男性、また旅行者などが多く、その男性たちをターゲットとして娼婦が多くいると言われています。)そのため男性のHIV感染者が多く、その事実を認めずに薬を拒否した男性は亡くなり、同様にその夫からHIVに感染しても薬を飲み続けた女性が生き残っているそうです。   image6 image5image4

 

 

 

 

 

 

 

2006年にモンキーベイ地区に住む35人の未亡人が集まり、知識や技術を共有し、自分たちの抱える問題を一緒に解決できるようにとこのグループを立ち上げました。現在は主にナツメジャムやナツメワインの製造販売を行なっていますが、グループ創設当初はメンバーの子どもがプライマリースクール(小学1年~中学2年)を卒業しセカンダリースクール(中学3年~高校3年)に合格すると、セカンダリースクールへ通うための資金をみんなで少しずつ出し合うこともあったそうです。

グループのメンバーとMPJスタッフの青木(左下)、天野(右)
グループのメンバーとMPJスタッフの青木(左下)、天野(右)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グループを立ち上げてから、ジャムやワインの作り方、また多くのビジネススキルを学ぶことができました。今ではグループから得た知識を活用し、マラウイ湖で採った魚を売るビジネスや家の賃貸のビジネスもしながら生計を立てており、以前よりも生活は安定することができました。自分の時間を楽しむ余裕もでき、教会の聖歌隊で大好きな歌を歌っている時間がとても好きだと話してくれました。

 

MPJのトレーニングも毎回熱心にノートを取ったりと、いつも積極的に参加してくれているキャサリンさん。今後も様々な知識を身につけて、自立し、賃貸用の大きな家を建てて毎月定期的な収入を得られるようになりたいそうです。キャサリンさんの夢がかなうように、現地の青木、天野をはじめMPJスタッフ一同、心から応援しています。

グループワークの様子(中央がキャサリンさん)
グループワークの様子(中央がキャサリンさん)
キャサリンさんが発表している様子
キャサリンさんが発表している様子

(マラウイ農民グループ支援事業)逢沢一郎議員視察の様子をご報告!

8月18日、日本・AUアフリカ連合議員連盟会長としてマラウイを訪れていた逢沢一郎衆議院議員が、在マラウイ柳沢香枝日本大使とともにMPJの支援対象グループの一つであるMadisi Agro-processing Groupを視察されました。

 

当日はMadisiグループとMPJのプロジェクト (バオバブ製品の製造販売を通した農民グループの自立支援プロジェクト)紹介、工場内やひまわり油の製造工程の見学をなさいました。

 

グループのメンバーたちは逢沢議員と柳沢大使の訪問をとても喜び、終始大いに盛り上がりました。この翌週、私たちがグループ訪問した際もまだ興奮冷めやらず、また改めてメンバーたちから感謝の言葉をいただきました。メンバーたちに非常に良い刺激となったようです。

 

 

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Madisiグループの代表者が、逢沢議員と柳沢大使へグループについての説明をしている様子。事前にきちんと資料を作成するなど、メンバーたちのやる気が伝わってきました。代表者のオースティンさんやメンバーたちは、はじめは少し緊張した様子でしたが、すぐに和やかな雰囲気で視察は始まりました。

 

 

 

 

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Madisiグループの製造商品であるひまわり油の紹介、工場内見学の様子。時折冗談も交えながら、リラックスした様子で見学されました。

 

 

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ひまわり油の製造工程を見学。ひまわりの種を搾油機に入れ、油が抽出される様子を見学されました。逢沢議員もご自身で写真を撮影され、興味深そうに見入られていました。

 

 

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MPJが実施しているビジネストレーニングについての説明をしている様子。壁には前回行なった原価計算のトレーニングが貼ってあります。

 

 

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最後に逢沢議員から激励の言葉をいただき、メンバーたちも感謝の言葉を伝えていました。

 

 

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視察後にはMadisiグループのメンバーと一緒に記念撮影を行ないました。

 

 

 

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解散後、集まってきていた子どもたちの写真を撮影する逢沢議員。とても気さくで素敵な方でした!


(マラウイ農民グループ支援事業)現地駐在員の暮らしぶりについてご紹介!

今回はマラウイに駐在しているMPJスタッフ(青木・天野)の普段の生活の様子についてご紹介したいと思います。

 

前回のブログ(2017年4月6日付)でもご紹介したように、二人とも元青年海外協力隊のマラウイ隊員¹という事で、マラウイの生活にはすぐに馴染むことができました。現地語であるチェワ語も駆使して、マラウイ人とコミュニケーションを取りながら日々暮らしています。

 

首都リロングウェにはスーパー、新鮮な野菜を売っている地元マーケット、レストランなどもあり、食事面ではあまり困りません。移動手段は日本の中古車を使用したミニバス、タクシー、トゥクトゥク²、自転車タクシーなど様々揃っていて、年々交通量も増えており渋滞するほどです。市内のほとんどの場所には電気と水道が通っていますが、停電や断水は頻繁にあります。オフィス街では現地の人々はきちんとした洋服をまとい、スマホや車を持っていたりと、“アフリカ”のイメージとは大きくかけ離れています。

 

一方で電気も水道もない村での生活は、まさに日の出と共に起き、日の入りと共に寝る、といったシンプルな生活です。村の人々は朝起きたらまずホウキで掃除をし、手洗いで洗濯をし、近所の人たちとおしゃべりをし、食事の時間になれば火を起こしてシマ(マラウイの主食で、トウモロコシの粉をお湯で練ったもの)を作り、家族揃ってシマを食べ、暗くなったら寝る。毎日「生きる」ために時間を割き、「生きている」という実感が湧きます。国として発展はしていないですが、人とのつながりであったり、今の日本には失われてしまった大切なものがマラウイにはたくさんあるように思います。

 

現在駐在員は首都に住んでいることもあり、村の生活と比べると生活レベルはぐっと上がりますが、それでも街を歩けば誰かが声をかけてくれたり、人と人との距離はとても近く、日々の生活もゆったりとした時間が流れています。

 

 

~1日の様子~

<出勤>
普段は私物の自転車にて出勤。荷物の多い日などはカバザ(自転車タクシー)にお願いしています。

駐在スタッフの天野が自転車タクシーで出勤する様子
駐在スタッフの天野が自転車タクシーで出勤する様子

 

 

<ミーティング>

フィールドワークのない日は事務所で次のワークショップについての打ち合わせや資料作成を行なっています。

ミーティングの様子:左から天野、マティアス、青木
ミーティングの様子:左から天野、マティアス、青木

 

 

<昼食>

昼食は毎日スタッフ全員でシマを食べています。少量を手で丸めながら捏ね、おかずと共に食べます。本日のおかずはウシパ(小魚)とンピル(菜っ葉)。

 

本日の昼食です!
本日の昼食です!
左から青木、天野、マティアス、カムング
左から青木、天野、マティアス、カムング

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<休憩中>

男性スタッフは昼食後、マラウイのボードゲーム“バオ”を楽しんでいます。皆とても真剣にプレーしています。バオとは二人対戦で、相手の陣地にある玉を全て取ったら勝ちとなる、日本でいう将棋のようなゲームです。

 

バオをしている様子(左からカムング、青木)
バオをしている様子(左からカムング、青木)

 

 

<帰宅>

現地スタッフは日本語にもとても興味を持っており、様々な日本語をマスターしています。最近覚えた言葉は、「じゃ、また明日!」。

 

現地スタッフのカムング(左)とマティアス(右)
現地スタッフのカムング(左)とマティアス(右)

 

(注1)青木:2012~2014年、村落開発普及員として活動

天野:2014~2016年、青少年活動隊員として活動

(注2)主に東南アジアから南アジアで普及している三輪タクシーの名称

 

 

 


(マラウイ農民グループ支援事業)ビジネストレーニングの様子をご報告!

MPJマラウイ事務所では先月より本格的に農民グループへのビジネストレーニングを始動しております。

赴任当初より垣間見ていた農民グループの経営状態は、各グループそれぞれに製造している商品の単価の計算や売上の記録などは残しているものの、会計帳簿の間違えや記入漏れがあることで帳簿がきちんと機能しておらず、また一部のメンバーのみが理解しているというのが現状でした。

 

そこで私たちは農民グループのメンバー1人ひとりが経営知識を習得できるよう、全メンバーを対象にビジネスノウハウ(ビジネスプランの作成、会計帳簿の記帳方法など)のトレーニングから始めることにしました。トレーニングは対象グループである全6グループに対し、2~3週間に一度、約3時間のトレーニングを行なっています。

 

農民グループのメンバーの中には英語が得意ではない人もいるため、トレーニングは現地語であるチェワ語で行ない、資料なども全てチェワ語で作成しています。トレーニングでは講義だけでなくグループワークも出来るだけ盛り込み、メンバー一人一人に積極的に参加してもらえるよう工夫しています。

少人数グループに分かれて実際に会計帳簿の作成をしてもらうグループワークも盛り込みました。

 

 

ビジネストレーニングの流れは、

①    ビジネスプランについての説明

②    少人数グループに分かれてのグループワーク

③    各グループの発表、意見交換

という手順で実施しています。

 

 

下記の写真は、6月度に開催したMadisiグループ(ドーワ県)、Zokomaグループ(マンゴチ県)、Wokhaグループ(マンゴチ県)でのトレーニングの様子です。

 

【6月1日、ドーワ県Madisiグループにて】

外でのグループワークの様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【6月7日、マンゴチ県Zokomaグループにて】

現地スタッフのMathiasがビジネスプランについて説明
現地スタッフのMathiasがビジネスプランについて説明

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グループワークの様子
グループワークの様子

201707054

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【6月16日、マンゴチ県Wokhaグループにて】

 

説明を聞き、メモを取っている様子
説明を聞き、メモを取っている様子
グループワークの最後に成果を発表している様子
グループワークの最後に成果を発表している様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右からChisanboさん、Mkandawireさん、Kazembeさん、Usenさん、Zuluさん
右からChisanboさん、Mkandawireさん、Kazembeさん、Usenさん、Zuluさん

 

 

ビジネスノウハウについて初めて学ぶメンバーもいますが、真剣に説明を聞きノートを取ったりするなど、とても興味深そうに参加をしていました。嬉しいことに、このトレーニングがメンバー間の口コミで広がり、参加者も徐々に増えてきています。

 

今後も引き続きビジネストレーニング(原価計算など)を行ない、その後は商品パッキングのトレーニングを行なっていく予定です。

 

 

 


マラウイ農民グループ自立支援事業・駐在スタッフより、現地スタッフのご紹介!

マラウイでのバオバブ製品を通した農民グループ自立支援プロジェクトの駐在スタッフである、青木と天野(4/6付ブログでご紹介済み)より、現地スタッフのご紹介をいただきましたので掲載いたします。

 

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MPJマラウイ事務局は4月半ばに首都リロングウェ市内(AREA3)に事務所を設置し、5月2日より現地スタッフ2名を雇用しました。いよいよ今月から本格的にフィールドワークが始まります。

今回は現地スタッフのフィールドオフィサーとドライバー兼オフィスアシスタントから意気込みを聞かせていただきました。

 

【フィールドオフィサー:Mathias Mtongaさん】

マラウイスタッフ①

 

 

 

 

 

 

略歴:一村一品運動(以下、OVOP)の石鹸グループの会長を務め、2015年にはJICAの農業組合組織強化研修で日本へ行き、ビジネストレーニングなどを受講。

 

<コメント>

I’m very happy to work with MPJ because of their aim for empowering goods to be safe reliant. It is because I am coming from those groups so I think we’ll be safe reliant after that project. And I can be very happy if this project can extend the years from 3 to 6, so that groups can know more. ”Arigatou!!”

(日本語訳)

農民の自立支援を目的としたMPJのプロジェクトで働くことが出来てとても嬉しいです。私はこれらの農民グループに所属していたので、プロジェクト終了後も農民グループが自立していけると思います。そしてプロジェクトが3年ではなく6年に延長されたら嬉しいです。そうすれば農民グループももっと多くの事を知ることができると思います。“ありがとう!!”

 

 

【ドライバー兼オフィスアシスタント:Mphatso Kamunguさん】

マラウイスタッフ②

 

 

 

 

 

 

 

略歴:JICA OVOPプロジェクトのドライバーとして勤務。

 

<コメント>

I’m very happy to work with MPJ because it is aiming to helping rural farmer’s in Malawi. And it’s my continuation of what I have doing with JICA OVOP Project which expired on 31 March 2017. “うれしいです!!”

(日本語訳)

マラウイの地方農民への手助けを目的としたMPJのプロジェクトで働くことが出来て嬉しいです。そしてこの仕事は私にとって、2017年3月31日で終了したJICA OVOPプロジェクトからの継続となります。

 

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これからマラウイ駐在スタッフ、現地スタッフ、共に協力しながら農民グループの自立支援プロジェクトを進めていきたいと思います。

 

 

<過去のマラウイ事業の活動報告はこちらからご覧いただけます>

第一回目活動報告:http://sdgspromise.org/archives/9263