南スーダン難民への心理社会的ワークショップを始めました。

SDGs・プロミス・ジャパン(SPJ)では2019年11月27日から2020年3月7日まで、ウガンダ北部ユンベ県のビディビディ難民居住区にてジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成の下、「ウガンダ北部における南スーダン難民への心理社会的支援強化事業」を実施しています。

こんにちは。現地駐在員の濱田と飯田です。

私たちは、昨年の12月にウガンダに着任し、首都カンパラにて事業開始の準備を行い、今年の1月から本格的に事業地のユンベ県で教員及びコミュニティリーダー向け心理社会的ワークショップ及び現地のローカルNGOであるTPO Ugandaと提携した難民コミュニティ向けメンタルヘルスセミナーを開始しました。

今回の記事は、教員及びコミュニティリーダー向け心理社会的ワークショップを中心に報告します。

ウガンダ北部のユンベ県にあるビディビディ難民居住区には、現在でも80万人以上もの南スーダン難民が生活しており、祖国の紛争から逃れてきた難民が現地で過酷な生活を強いられています。南スーダン難民の間では、紛争によるフラストレーションや失業、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、アルコールの乱用などが深刻化しています。また、紛争で心理的な傷を負った児童が数多くいます。SPJでは過去の事業においてそんな児童の心のトラウマの問題を解決するためのワークショップを行ってきました。今回の事業ではSPJは児童の周囲を支える大人たちの心理社会的支援への理解と知識を深めるために、「ウガンダ北部における南スーダン難民への心理社会的支援強化事業」を開始しました。

1月から本格的に開始された教員向け心理社会的ワークショップには、教員20名が参加し合計で7回のワークショップが行われました。

教員向け心理社会的ワークショップでは、描画から粘土細工制作、針金の人生制作、そして過去の辛い体験及び未来への希望という2つのテーマで歌詞作成を行い、心理社会的ケアの段階を踏んでワークショップを実施しました。参加者(教員)が作った描画や粘土細工には、南スーダンの紛争で家族が殺されたり、家が破壊されたりといった辛い記憶が色濃く反映されていました。今でこそ、ウガンダで平穏な日々を送っている彼らですが、南スーダンでの辛い体験は、私たちの想像を絶するレベルのものです。参加者の描画や粘土細工、針金の人生制作などの作品を見るにつれ、大変な生活をされてきたのだと痛感しました。

音楽セッションでは、過去の辛い体験及び未来への希望という2つのテーマで歌詞を作成しました。さすがは学校の先生だけあって、合唱が大変上手で、楽しく歌っている様子は印象的でした。また音楽セッションには、日本からお越しいただいた心理社会的ケアの専門家である桑山紀彦医師にも参加して頂き、心理社会的ワークショップのファシリテーターとして参加している現地スタッフに指導して頂きました。最終回のワークショップには、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)やTPO Ugandaなどのオブザーバーを招いて、これまでのワークショップの成果発表会を開催しました。成果発表会では、参加者が描画から粘土細工、針金の人生、そして過去の辛い体験及び未来への希望という2つのテーマで歌詞を順次発表しました。また成果発表会では、ワークショップに参加された教員から「自分の学校でも心理社会的ワークショップの手法を取り入れて、子供たちの心のケアを行いたい。しかし、そのためには学校(校長先生)や教育関係者の心理社会的ワークショップへの理解が不可欠なので、教員だけでなく、校長先生や教育関係者も集めて同様のワークショップを開催してはどうか」など、ワークショップ参加者と活発な議論ができました。

成果発表会が終わり、ワークショップに参加された先生方が自分の作品を持って帰りましたが、特に先生の間では針金の人生が好評のようでした。子供たちへのワークショップとして、針金の人生は取り組みやすいようです。

描画セッションの様子。 描いた描画についてグループで討論する参加者
粘土セッションの様子。 南スーダンの紛争での辛い経験を作品にする参加者
針金セッションの様子。 制作した針金の人生について、参加者が皆の前でそれぞれ発表した
音楽セッションの様子。 グループに分かれた参加者が協力して、
南スーダンでの体験に基づいた歌詞を制作した
UNHCR(中央)とTPO Uganda(左)のオブザーバーから参加者に
ワークショップの修了証書が手渡された

今回は教員だけではなく、各難民コミュニティの取りまとめ役となっているコミュニティリーダーへも心理社会的ワークショップを行っています。各コミュニティに所属する児童が抱える心理的問題にコミュニティの代表者である彼らが気づけるようにし、適切な対処が出来るようにするというのが目的となります。

コミュニティリーダー向け心理社会的ワークショップも、描画から粘土細工、ジオラマ制作、過去の辛い体験及び未来への希望という2つのテーマで歌詞作成と、徐々に段階を踏みながら、ワークショップを開催しています(合計で12回、ワークショップを開催予定)。参加されているコミュニティリーダーによると、コミュニティ内でもPTSDやトラウマなどの精神的なトラブルを抱えた難民が生活していて、彼らへの対応が課題になっているとのことです。実際にUNHCRからビディビディ難民居住区内で自殺者が最近増えているとの報告が出ており、自殺と難民の精神的な問題の関係性が疑われています。

また、コミュニティリーダーに対しても、桑山医師に心理社会的ケアの重要性や意義について講義して頂きました。講義後には、参加者のコミュニティリーダーの皆さんと桑山医師との間で、活発な意見交換の場があり、コミュニティリーダーの心理社会的ケアへの関心の高さが伺えました。コミュニティリーダーの中には、南スーダンの紛争で自分の住んでいた村が戦闘機で爆撃されて村人200人が死亡し、生き乗った村人3人のうちの1人が自分であると語ってくれた方がいました。また、自分一人、ウガンダに逃げてきたものの、兄弟姉妹は南スーダンに残ってしまい、紛争で家族が射殺されてしまった方もいました。こういった心の奥底にあるネガティブな感情も全て作品に投影されており、粘土細工や歌詞制作はリアリティを帯びたものになりました。

うれしいことに、コミュニティリーダーの中には「ぜひ、自分の村でも心理社会的ワークショップで学んだ手法を用いて、村人のトラウマやPTSDに向き合ってみたい」と仰ってくれた方もいました。まずは手始めに、自分の家族の心のケアにチャレンジするそうです。

なお、コミュニティリーダー向け心理社会的ワークショップの参加者は30名に上ることから、現在、2つのグループに分けて実施しています。2月中旬に、コミュニティリーダー向けの成果発表会を実施予定です。

ジオラマセッションの様子。
グループに分かれて参加者が「住みたい街」をテーマにジオラマを制作した
音楽セッションの様子。 グループに分かれた参加者が協力して、
南スーダンでの体験に基づいた歌詞を作った
音楽セッションの様子。 成果発表会に向けて、歌のリハーサルを行った
ワークショップ参加者との1枚。SPJ理事長鈴木もワークショップ終盤時期に視察を行った

裨益者への食糧・支援物資の配布及び事業モニタリングが終了しました。【マラウイ・サイクロン被災支援(第二期目)】

SPJでは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成の下、8月9日から11月8日まで「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への食糧・リカバリー物資配布事業」を実施中です。

こんにちは。現地駐在員の濱田と飯田です。

 9月27日(金)から10月7日(月)にかけて、ゾンバ県内のT/A (地区)MwamboとT/A Nkapitaの2地区を対象に、サイクロン洪水被災者に食料・支援物資を配布しました。具体的には、T/A Mwambo の550世帯に対してターポリン(サイクロンで半倒壊した家屋の補修材)と毛布を配布すると共に、T/A Nkapita の1,060世帯に対して、メイズ25kg及び米10kg、豆5kg(約1カ月分の食糧)を配布しました。今回は2期目のサイクロン被災支援事業ということあり、私たちや現地スタッフも仕事の段取りが分かっているので(2期目も1期目の事業で雇用した現地スタッフを同じく採用)、食糧・支援物資の配布前の準備(裨益者リストの作成など)や配布日当日の対応などをスムーズに行うことができました。

T/A Nkapita GVH (群)Mbukwiteでの食糧物資配布の様子
T/A Nkapita GVH Masaulaでの食糧物資配布の様子
T/A Nkapita GVH Fikilaでの食糧物資配布の様子
T/A Mwambo GVH Makawaでの集合写真
T/A Mwambo GVH Mbaluでのターポリン及びブランケット配布の様子

事業モニタリングは10月8日(火)から10月22日(火)にかけて実施し、T/A MwamboとT/A Nkapitaの裨益者から現地で直接ヒアリング調査しました。結果として、モニタリングを299件(T/A MwamboのMakawa28件+Mbalu31件及びT/A NkapitaのMbukwite49件+Fikila16件+Masaula29件+Balamanja35件+Nkasala15件+Mwangata45件+Kapalasa51件)実施することででき、JPFへの事業申請時のモニタリング目標総数250件を大幅に上回ることができました。

 裨益者からは「(配布された食糧が)生活の糧になっており、大変感謝している」や「早速、ターポリンを屋根に設置した。大変役立っている」などのサイクロン被災支援事業に対する良い評価を頂きました。一方で、裨益者から「(裨益者の扶養家族数が多いため、配布された)メイズ及び米、豆を既に食べ尽くしてしまった(もっと食糧が欲しかった)」や「この辺りの土地は痩せており、(食糧に加えて)肥料が欲しかった。また家畜(ヤギ)があれば、繁殖して現金収入が見込める」などの意見もあり、依然としてゾンバ県内のサイクロン被災者の生活環境は厳しく、引き続き支援が必要だと感じました。

事業モニタリングの様子(T/A Nkapita)
事業モニタリングの様子(T/A Mwambo) 裨益者が配布されたターポリンを自宅の屋根に
設置しているところ
事業モニタリングの様子(T/A Mwambo)ターポリンが設置された裨益者宅
裨益者宅(写真8)を内部から撮影。 ターポリンがどのように使用されているのかがよく分かる

マラウイはちょうど今暑い時期で、朝から晩まで事業モニタリングで裨益者宅を一軒一軒訪問するのは大変な作業でした。現地スタッフの体調管理が気になったので、毎日、エネルギー補給と水分補給を兼ねて現地スタッフにコカ・コーラなどの清涼飲料水を持たせました。また写真10は、事業モニタリング中に撮影しました。型典型的な栄養失調の子供たちです。私は途上国での生活が長く、多くの子供たちと遊んできましたが、こんなにお腹がポッコリと出ている子供はあまり見かけません。先日、空腹の子供たちが道端に捨てられたお菓子(ポテトチップスやビスケットなど)の入っていたビニール袋を拾って、袋の内側を舐め回している姿を見かけました。食に飢えるのは本当につらいことです。ゾンバ県での継続的な食糧援助の必要性を強く感じました。 今後は事業地のゾンバ県からリロングウェに戻り、活動報告書を作成したり、関係機関に事業終了の報告をしたりと、帰国に向けて準備します。

マラウイの栄養失調の子供たち

【マラウイバオバブ事業】リロングウェ市内ショッピングモールでの商品プロモーション・ブース出展

今回は、9月7日(土)から8日(日)の2日間に渡り、マラウイの首都リロングウェのショッピングモールで実施した、バオバブ製品販売促進のためのブース出展についてご紹介します。

SPJではバオバブ製品の製造サポートや衛生管理指導の他、プロジェクト終了後も製造組合の自助努力でビジネスが継続できる様に、販路開拓や営業活動のサポートも行なっています。今回はその営業活動の一環として、商品のプロモーションと販路拡大を目的に、ショッピングモール入口にブースを出展しました。

マラウイにもショッピングモールと呼ばれる施設がいくつかありますが、私たち日本人が想像するような大規模な施設ではありません。今回ブースを出展したGateway Mallは、リロングウェに2014年12月にできたマラウイで一番大きなショッピングモールです。

このモールには衣料品、電化製品、家具、日用雑貨を販売する店舗や、銀行、美容室、レストラン、バー、そして南アフリカ資本のスーパーマーケットなど、大小約30の店舗が軒を連ねており、休日になると多くの人で賑わいます。

ブース出展を行なったGateway Mall

今回、モールに訪れた買い物客が必ず通るモール入り口の開けたスペースにおいて、SPJで支援をしているバオバブパウダーやバオバブオイルに加え、2017年までJICAのプロジェクトで支援されていたOVOP(一村一品)商品を展示、販売しました。

ブース準備中のMaluso UnionのメンバーとSPJスタッフ
今回展示販売されたバオバブ商品とOVOP(一村一品)商品

バオバブフルーツはマラウイで一般的なフルーツとして親しまれており、市場に行くとバオバブジュースと呼ばれる水に溶かした物や、それを凍らせてアイスキャンディのようにしたものが1つ7円程で売られています。

バオバブフルーツ(白い部分がラクガンのような粉末状になっており、酸味があっておいしい)

しかしバオバブフルーツを粉末状にしたバオバブパウダーは、まだ一般にあまり馴染みがありません。興味はあっても使用用途がわからないという声も良く聞かれるため、今回バオバブミルクシェイクとしての新しい使い方を提案するため、ブースにミルクシェイクの試飲コーナーを設けました。ブースを訪れてくれた多くの方がミルクシェイクの試飲を通し、バオバブパウダーを購入してくれました。

バオバブミルクシェイクを試飲中のお客さんと商品を説明するMaluso Unionのメンバー

今回のブース出展は、商品営業・セールストーク研鑽のトレーニングも兼ねており、参加したメンバーは、どのように商品を展示し、どのように商品の特徴や使い方を説明すれば良いのかなど、戦略を持って考える必要がありました。初めは椅子に座り、ブースに来るお客さんを待っていただけのメンバーも、徐々に自信が付くにつれ、自らお客さんを呼び込み、積極的に営業する姿が見られました。

多くのお客さんで賑わうブース

この2日間、ブースを訪れてくれた方々からの反応や売り上げもよく、参加したメンバーからは毎日でもやりたいとの声や、次回はOVOPアンテナショップのチラシや、営業用の名刺も準備したいとの案が出てくるなど、学びの多い2日間となりました。


【マラウイバオバブ事業】Malawi International Trade Fair

今回は8月に実施されたInternational Trade Fairについてご紹介します。今年で31回目となる同フェアですが、昨年に引き続き、今年もSPJはブースを出展しました。期間は8月6日から15日までの10日間で海外から招かれた団体や、マラウイ国内の民間企業、現地NGOや国際NGOなど約190の団体がブースを出展しました。会場は室内と野外に分かれており、SPJ弊団体は野外ブースにて出展しました。

会場へのメインゲート
室内会場の様子
SPJのプロジェクトブース(外観)

今回、フェアに参加する目的は、組合商品の広報と販売促進、及び新たなビジネス取引の創出です。ブース内では、商品の展示販売を行い、ブースを訪れる人たちにバオバブ商品をはじめ、モリンガやハイビスカス、はちみつなどを紹介していきました。今回のフェア用に各商品の広報ツールや、サンプル配布用のバオバブパウダーを用意し、当ブースに足を運んでもらえるように工夫しました。

テーブルの上にディスプレイされるバオバブ商品

また、今回のフェア参加におけるもう一つのテーマとして、支援組合メンバーの商品セールストークの研鑽がありました。実際のフェア会場において、自分たちの商品について的確に説明し、他の類似商品と何が違うのか、何が特徴なのかを説明できる様になることは、とても重要です。

当プロジェクトでは2年次から、マラウイ国内におけるバオバブ商品の市場開拓の活動を進めていますが、2年次に実施した400件の店舗プロモーション実習の成果もあり、ブース訪問者からの質問にも、きちんと答えられるようになってきました。実際の成果例を以下にご紹介します。

ブース来場者:バオバブ石鹸は何にいいの?

ブーススタッフ:この石鹸はオリーブオイルの約12倍のビタミンEとカロテン、そして保湿効果のある脂肪酸を多く含むバオバブオイル100%で作られています。ビタミンEとカロテンは保湿効果のある脂肪酸も多く含んでいるので、お肌をしっとりと健康な状態に保つことが期待できます。

ブース来場者:バオバブオイルとモリンガオイルの違いは?

ブーススタッフ:どちらもビタミンや複数の脂肪酸など様々な栄養素を含んだオイルですが、一番の違いはオイルの質感です。バオバブオイルは塗った後、肌内に浸透していきますが、モリンガオイルはバオバブオイルよりも少し粘着性が強く、塗った後に肌上に残る感じです。メイク前の下地に使うならバオバブオイル、マッサージなどを目的に使う場合にはモリンガの方が使いやすいかもしれません。

1年半前には、バオバブオイルについて、皮膚がんが治る、アトピーが消えるなど、根拠のない過大宣伝をしがちな状況でしたが、今ではビタミンの豊富さや保湿力が高い理由をきちんとデータや証拠と共に説明できるようになり、確実な成長を確認することができました。

バオバブ石鹸の特徴について説明するメンバー
来場者をきちんと確認して、バオバブオイルのコアターゲットである、おしゃれや美容に敏感な
若者女性にバオバブオイルを勧めています。
多くの人が当ブースに足を止めてくれました。

今回、マラウイ大統領選挙後のデモの影響により、昨年と比べてフェアへの来場者数が少なかったという課題はありましたが、ブース訪問者1人1人にきちんと声をかけて、丁寧に商品広報をするメンバーの姿が確認できました。自分たちのビジネスに対してプライドを持って対応できるようになってきたことを大変嬉しく思いました。


マラウイサイクロン被災支援(第二期目)が始まりました!

SPJでは8月9日から11月8日まで「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への食糧・リカバリー物資配布事業」を実施中です。

こんにちは。現地駐在員の濱田と飯田です。

前回事業の「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への緊急物資配布事業」(5月17日から7月22日まで実施)に引き続き、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成の下、「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への食糧・リカバリー物資配布事業」を実施しています。

今回の事業では、マラウイ南部を襲ったサイクロンで被災度が大きくまだ十分に支援が行き届いていないゾンバ県内のT/A (地区)MwamboとT/A Nkapitaの2地区を対象に洪水被災者に食料・支援物資を配布します。具体的にはT/A Mwambo の550世帯に対してターポリン(サイクロンで半倒壊した家屋の補修材)と毛布を配布すると共に、T/A Nkapita の1,000世帯(配布世帯数を増やす方向で検討中)に対しては、メイズ及び米、豆(約1カ月分)を配布します。

 もう既にT/A MwamboとT/A Nkapitaの関係者への事業概要説明(8月27日から9月2日まで実施)が終わり、9月4日から9月12日にかけてT/A MwamboとT/A Nkapitaの各GVH(群)で裨益者選定会議を開催しました。裨益者選定会議では、各GVHの村長と住民を集めた全体会議を開催し事業概要を説明した後に、村ごとに分かれて村会議を開催してもらい、食糧・支援物資の配布対象となる候補者リストを村ごとに作成してもらいました。各村から回収しました候補者リストを基に、こちらで候補者の中から裨益者を選定します。

T/A Nkapitaでの事業概要説明会の様子。

また、T/A MwamboとT/A Nkapitaはサイクロンで大きな被害を受けたため、国際機関のWorld Food ProgrammeやMalawi Red Crossなどから既に食糧・支援物資が配布されています。そこで、現在、各村から回収しました候補者リストの中にWorld Food ProgrammeやMalawi Red Crossから食糧・支援物資が配布された裨益者が含まれていないかどうか確認しているところです(既に食料・支援物資が配布された裨益者については、今回の事業の裨益者から除外)。

T/A Nkapitaでの事業概要説明会の様子

現在、T/A MwamboとT/A Nkapitaの洪水被災者への食糧・支援物資の配布に向けて裨益者リストを急ピッチで作成しています。しかし、マラウイ人の名前は私たち日本人には馴染みのないものが多く、例えば名前の最初のスペルがNやMで始まったり(Nhkomaなど)、人によって名前の表記が違ったりして、裨益者リストを作るのに苦労しています。特に、各村から回収しました候補者リストの中からWorld Food ProgrammeやMalawi Red Crossからこれまでに食糧・支援物資が配布された裨益者を除外する作業と、実際に裨益者を一人ずつ裨益者リストに記入する作業に時間がかかっていますが、活動スケジュールに沿って期限までに裨益者リストを仕上げる予定です。

T/A Mwamboでの裨益者選定会議(全体会議)の様子。
T/A Mwamboでの裨益者選定会議(村会議)の様子。

 今回は2期目の事業ということもあり、仕事の傍ら、これまでにマラウイで見聞きしている不思議な事や疑問点を、事業が終わるまでに自分なりに解決できるように努めています。一例を挙げると、ゾンバ県で裨益者選定会議を開催した時に、貧しい村では有り得ないほど立派なイスラム教のモスク(礼拝所)が建設されていました。そのモスクを詳しく調べてみたところ、中東のカタールからの援助によってモスクが建設されたことが分かりました。マラウイではキリスト教の信者数が最も多いようですが、イスラム教などの他宗教も見受けられます。イスラム圏の中東諸国の潤沢なオイルマネーがイスラム教を維持・拡大するために、このような形で途上国に入流していることに驚きます。

裨益者選定会議への参加者の一人。 マラウイではハンドルの近くにペダルが付いている自転車に
乗る人もいる。腕力に自信があれば乗りこなせる。
]裨益者選定会議の会場近くで牛飼いと遭遇。 マラウイの物価は安く、農家の話によると、
牛1頭約1万円で購入できるそうだ。

今後も裨益者の選定作業を進める共に、支援物資の一つであるターポリンの活用方法について知らせるため、ターポリンを配布する550世帯を対象としたワークショップを開催します。食料・支援物資の裨益者への配布に向けて一層の努力をしようと思います。


【フラッグシップ店舗の獲得】

今月は、7月に実施したフラッグシップ店舗獲得に向けたプロモーション活動についてご紹介します。

まず初めに、フラッグシップ店舗とは、アパレル関係の企業を思い浮かべてもらうと分かりやすいと思いますが、全国に支店を持つ企業が、自社の商品コンセプトなどを消費者に浸透させるために特に力を入れてプロモーションなどを行う店舗のことで、UNIQLOを例に挙げると、都市部の駅前にある大規模な店舗などがフラッグシップ店舗と言えるかと思います。ショッピングモールや町中にある通常の店舗に比べて、フロアが広く、商品の取り揃え具合もダントツといった具合ですね。

当プロジェクトの場合は、自分たち独自の支店を持っているというわけではないですが、マラウイ国内において、バオバブ商品のコア・ターゲット層(外国人や中高所得者マラウイ人)が集まるカフェや美容室、マッサージスパなどにアプローチして、商品を店舗内での営業用に使用してもらい、バオバブ商品の存在をもっと国内に広めていくことができるお店のことを「フラッグシップ店舗」と呼んでいます。

最も分かりやすい例としてカフェを取り上げますが、バオバブパウダーを使ったオリジナルドリンク(スムージーやシェイクなど)を店舗側と協力して開発し、店舗のメニューに載せて販売してもらいます。もちろん、その際に使うパウダーは支援団体が販売しているものを使います。SPJはレシピの提案の他に、ポスター、メニュースタンドの作成など広報支援を行い、カフェに来る人にバオバブの存在を知ってもらい、積極的に試してもらえる様にサポートします。さらに、同店舗においてバオバブパウダーを購入できる様に置いてもらうなどが、SPJが提案するフラッグシップのコンセプトです。

実は、この活動は6月から取り組んでいるのですが、2ヶ月間かけてようやく形になりました。最初は、首都リロングウェと国内最大商業都市のブランタイヤにおいて、フラッグシップ店舗になりうる様な場所をそれぞれ10か所程度選定し、コンセプトを紹介してパートナーシップを組めるように提案しました。その中から興味を示してくれた店舗に絞って、さらに協議を進め、レシピの開発や広報ツールの作成などを進めてきました。

リロングウェ市内のカフェにおいて、フラッグシップ店舗のコンセプトを説明(営業)する
Maluso UnionのメンバーとSPJスタッフ
新メニューの試作を行う関係者たち(店舗マネージャー、SPJスタッフ、
Home Oils Cooperativeのメンバー)

結果として、7月末までの時点で、リロングウェにおいて2店舗、ブランタイヤにおいて3店舗のお店と、フラッグシップ店舗としてのパートナーシップを獲得することに成功しました。

それでは、1つずつ紹介していきましょう!

【リロングウェ】

①カフェ(Café RaS)

スーパーマーケットや個人商店が集まる、リロングウェ市内の中心地(Area3)にある韓国人経営のカフェ。外国人が集まるオシャレな場所です。このお店は現地NGOと提携してマラウイの製造組合の作った商品(チテンジ:アフリカ布を使ったバックや小物など)も展示販売しています。

今回、カフェのメニューに新たにバオバブを使ったオリジナルメニュー(バオバブハチミツシェイクとバオバブバナナシェイク)を加えてもらえることになりました。また、同店舗内において、バオバブオイルとパウダー、さらにはハチミツやハイビスカスティーなどMaluso Unionが取り扱う商品を展示販売してもらうことになりました。

今回、新たにメニューに加わったオリジナルのバオバブドリング
店内で販売される、バオバブほか、OVOP(一村一品)の商品

②カフェ(Warm Heart Coffee House Café)

外国人やマラウイ人の富裕層が多く住む、リロングウェ市内の住宅地(Area10)の中にあるカフェです。お庭が広くて、とても気持ちの良いお店です。こちらのお店はカフェとギフトショップが併設されています。

今回、こちらのお店でも、新たにバオバブドリンクを開発してもらい(何と3種類も)、販売を開始してもらいました。また、併設されているギフトショップにてバオバブオイルとパウダーの販売も開始しました。

SPJが作成した、商品ポスター
併設するギフトショップ

【ブランタイヤ】

③理髪店(Executive Barber Shop)

ブランタイヤの市内にある、主に男性に人気の理髪店。マラウイ人の男性は坊主頭にする人が多く、月に2回ぐらいは散髪しているため、いつも多くの人で賑わっています。店の外には順番待ちする人の姿も見えます。

今回、こちらの店舗では、髭剃り後のアフターローションとして、バオバブオイルを店内で使ってもらうことになりました。また、店舗内でもバオバブオイルの販売を開始し、早速、徐々に売れ行きが伸びてきています。

店内に掲示されているSPJ作成のポスター

④美容室(Africana Beauty Parlour)

ブランタイヤ市内のサロンが集中している地区の一画にあるサロン。ヘアカットや髪の編み込み、トリートメント、マッサージなどもやっています。

そして、このお店が特別なのは、美容師になりたい、自分のお見せを持ちたいという人向けに講習会を実施しているのです。ここのオーナーがバオバブオイルをとても気に入って下さり、営業用や店舗内での販売用にバオバブオイルを取り扱ってくれるようになったのですが、さらに、講習会に参加する生徒にも奨めてくれています。実際に卒業生が在宅ビジネスとしてマッサージサロンを開業し、バオバブオイルを使ってくれているなどの成果が表れているいます。

髪の編み込みを練習する生徒たち

⑤カフェ(Kwaharaba)

ブランタイヤ市内にある、外国人に人気のおしゃれなアートカフェです。店内にはアーティストが作成した絵画やクラフトなどが並んでいます。

今回、こちらのお店でもオリジナルのドリンクメニューを開発してもらい、バオバブとビーツなどを使った、健康にも良いおしゃれなスムージーが販売されました。

SPJが作成した新商品の店内ポスター

オリジナル感たっぷりで、ドリンクの名前も「家の中の巨人:Giant in the House」と巨大な木であるバオバブらしさが出ています。また、同店舗内にてバオバブオイルの販売も開始されました。

以上、現時点で獲得したフラッグシップ店舗を紹介させて頂きました。もちろん、この活動はまだまだ続行中ですので、新たなパートナーシップ獲得に向けて頑張って行きたいと思います。


マラウイサイクロン被災支援が終了しました!

現地駐在員の濱田と飯田です。 SPJではジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成の下、5月17日~7月22日までの期間において「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への緊急物資配布事業」を実施しました!

事業地のゾンバ県において、T/A(地区)MwamboとT/A Ngweleroの11GVH(群)の洪水被災者約3,000世帯を対象に、食糧・支援物資を配布しました。この緊急物資配布事業では、現地で住民に事業について説明したり、協同組合から食糧・支援物資を調達したりと、食糧・支援物資を配布し終えるまでに色々と苦労しましたが、何とかプロジェクトを終えることができました。

裨益者に食糧・支援物資を配布していて興味深かったのは、約40キログラムもある食糧を入れた重い縄袋を裨益者が家族や友人などと協力して、村まで持って帰っていることでした。裨益者の中には、村から食糧・支援物資の配布場所まで、片道約1時間かけて歩いてくる人もいます。そういう状況の中で、例えば、昔ながらの自転車を村人から借りて、自転車の荷台に縄袋2つ(約80キログラム)を積んで村まで支援物資を持って帰った裨益者や、高齢の裨益者は、村に住む家族や友人・知人に支援物資を運んでもらっている様子が見受けられました。日本でも昔当たり前のように見受けられた「共助」の仕組みが、各村にまだ根付いていることを改めて確認できました。また、どこの村にも面倒見のよい世話好きのおばさんがいるものです。そういった人たちは、裨益者に食糧・支援物資を配布していると、こちらから頼んでもないのに、ニコニコと楽しそうに食糧・支援物資の配布を手伝ってくれました。

配布受付に並ぶ人々と受付を終え待機する人々

また、食糧・支援物資の配布自体は、黙々と進める作業でしかないのですが、時折、支援物資を渡した裨益者から「神のご加護がありますように」と言われハッとします。裨益者の各村を巡回していると、イスラム教の礼拝所(モスク)やキリスト教の教会をよく見かけます。以前に『聖書』やイスラム教の聖典『コーラン』を読んだことがありますが、それらの経典の中で他者を助けることについて教示されていることは、村人の共助の実践にもつながっているようです。

食糧・支援物資の配布の様子
食糧・支援物資の配布の様子

食糧・支援物資を被災者に配布後、現地の村々を回って、実際に食糧・支援物資が使用されているかどうか、確認して回りました。事業のモニタリングです。配布されたメイズや米、豆などの日々の食卓に並ぶ食糧や食材の多くが既に消費されており、またモリンガパウダーも人気のようで使い切ってしまった世帯が多かったです。

洪水の被害で、裨益者の家は半倒壊しており、家に屋根がなかったり、家の壁が崩れたりしています。そんな防犯上問題のある家で、一体どうやって食糧・支援物資を保管しているのだろうかと疑問に思っていました。ある裨益者宅では、家の屋根が全くなかったのですが、屋根のない部屋には、ゴミが大量に散乱しており、そのゴミにカモフラージュさせるかのようにして、食糧・支援物資を保管していました。「支援物資はここにあるよ」と裨益者が説明して、ゴミの中から支援物資を取り出すまでは、支援物資のありかに気づきませんでした。厳しい状況の中でも、色々と工夫しているようです。  

裨益者の村と村との距離は遠く、村から別の村に移動するのに、徒歩で片道約1時間、往復で約2時間かかるところもありました。村に行く途中、炎天下の影響もあり、私たちも現地スタッフも体力が削られていきます。村に続くあぜ道では、マラウイ人の牛飼いやヤギ飼いと彼らが持つたくさんの牛やヤギたちに、私たちは追い抜かれていきました。結局、約2時間歩いても、たった5件の裨益者のモニタリングしかできませんでした。このように事業モニタリングは非常に難しいことがわかりました。この反省点は次期事業で活かしていきたいと考えています 。

モニタリングの様子
モニタリングの様子

食糧・支援物資の配布に伴い、T/A Ngweleroで在マラウイ日本国大使館の職員やDistrict CouncilのCommissionerなどをお招きし、食糧・支援物資の引渡し式(式典)を開催しました。式典当日、裨益者の皆さんが大使館職員などの参加者を歓迎するために、歌や踊りを披露して下さり、深く印象に残りました。感謝の気持ちを表現するために、歌や踊りを披露することは、多くのアフリカやアジアの国々で見受けられます。

引渡し式(式典)の様子

今回の被災者支援では私たちにとって初めての緊急支援だったため、様々な過程で困難がありました。しかしながら約3,000世帯もの被災者へ食糧を配布したことは私たちにとって大きな糧となりました。次の事業でも引き続きこのマラウイの被災者支援を行いますのでご支援ご協力の程お願い致します!


【OVOPショップの改装】

今月は、6月に実施したOVOPショップの改装についてご紹介します。

まず初めに「OVOP」って何?という人のために、簡単にOVOPについてご説明します。

私たちは現在、5つの農業組合に対してバオバブを使った農産品ビジネスの促進を支援していますが、その全ての組合はOVOPプロジェクト(One Village One Product Programme:一村一品プロジェクト)によって作られた約100の組合の中から選ばれています。OVOPプロジェクトとは、日本の大分県が発祥の「一村一品運動」をモデルとした農村開発のプロジェクトで、マラウイ政府の産業貿易観光省が2003年から実施しており、JICAも2017年まで技術支援をしていました。

具体的には、各農村地域などで取れる特産物を活かして、市域振興につなげようという事業です。例えば、バナナがたくさん取れる地域において、ただバナナを販売していくだけでなく、売りさばけずに傷んだり、捨てられてしまったりするバナナをバナナワインに加工して販売するなど、商品加工、高付加価値化という側面が強いのも特徴です。

SPJのバオバブプロジェクトは、そのようなOVOPプロジェクトで作られた基盤を活かして、産業貿易観光省と連携して実施しているのですが、私たちが支援している組合の1つにはMaluso Cooperative Unionがあります。この組合は、先ほどお伝えしたOVOPプロジェクトで作られた約100の農業組合の上位組織で、マラウイ国内におけるOVOP商品の市場開拓や、都市部にある直営店舗(これがOVOPショップ)の運営、輸出対応などを担当しています。

今回は、Maluso Cooperative Unionが運営するOVOPショップ(日本でいう各県の地域産品を販売するアンテナショップを想像して頂ければ分かりやすいかと思います)の改装を実施しました。 まず、これまでのOVOPショップを見てみると、最初はJICA(日本人)の支援も入っていたこともあり、店内には広告ポスターが掲示され、パンフレットスタントが設置されているなど、OVOP商品のアンテナショップとしての役割を果たしていたことがわかります。

開店当時のOVOPショップ(2012年頃の写真)

続いて、改装前の状態がこちらです。実は、このショップがテナントに入っている建物が昨年にリノベーションを実施し、半年程お店を開け渡す必要があったため、その間はその建物前の敷地で毎日、ブース出展の様な形でショップを運営していました。しかし、実店舗に戻った後も、以下の写真を見ると分かる様に、広告ポスターなどがほとんどなくなり、せっかく商品を置く棚や机などがあるのに、それがそのまま放置されているといった、ただ商品が雑然と並べられているだけの、とても閑散とした雰囲気になっていました。


リノベーション前のショップの内観

そこで、今回は商品をただ並べるだけでなく、入店したお客さんに商品の魅力を見せることができる様に店内のレイアウトを改善しようとショップの改装を手伝いました。実際に改装した店舗の様子をご覧いただきましょう!!

①店舗入り口


まず、「OVOPショップ」という名前だけでは、実際に何を売っているお店なのかが分かりにくかったため、カウンターを入り口付近に配置し、外からも見える入り口には、販売している商品がパッと分かる様に、サンプル棚を持ってきました。これで、この店はハチミツやお米、ハイビスカスティーなど食料品をメインで販売していることが分かります。また、店舗の外にもスタンドを設置し、主な商品ラインナップを掲示する様にしました。

②商品棚のデコレーション

続いて、ショップの売れ筋商品であるバオバブオイルやバオバブパウダー、モリンガ石鹸などを1つにまとめて、Malusoの倉庫に眠っていた、アフリカのカラフルな布(チテンジ)や籠細工の入れ物などを活用して、魅せるディスプレイを意識したレイアウトに改善しました。また、商品の傍には、商品紹介のポスターなども設置し、商品の効果や使い方を簡単に説明できる様になりました。

また、それぞれの商品ごとに値段と商品名を記載した商品プレートも作成し、一目で値段が分かる様にしました。

③商品の強みを押し出す商品広報媒体

OVOPショップの人気商品の一つに全国各地の農業組合から集められるハチミツがあるのですが、せっかく8種類もの豊富なバラエティがそろっているのに、ただ一色単に並べて販売しているだけでした。そこで、現在取り扱っている8種類のハチミツが、どの地域で取れたもので、どんな木々や花の蜜から採取されたものなのか、味や香りがどう違うのかなどの特徴をまとめた広報ポスターを作成しました。お客さんに選ぶ楽しさを与えることで、味比べや、自分のお気に入りハチミツ探しなどの楽しみも増え、全国各地から集まったバラエティ豊富なハチミツの魅力を引き出すことができます。

④店舗全体

最後に全体として、店の運営に必要ない、無駄なものを排除し、OVOPプロジェクトや商品一覧などの広報ポスターを店内に掲示することで、店内への動線をスムーズにし、すっきりと商品を見せられるように改善しました。

この改装が、実際に売り上げの増加にどれほど影響を与えるのかが分かるのは、まだこれからですが、とりあえず、常連客の皆さんからは「店内がオシャレになった。」「他のハチミツも試してみたくなった。」など前向きなコメントが多く寄せられているとのことです。今回の改装で全て完了ではなく、今後もさらに良いアイディアを取り入れて行き、商品の売れ行きや店舗を訪問する客足の増加を目指して行きたいと思います。

【店舗情報】

OVOP SHOP
場所:Area3、県庁オフィスの道を挟んで向かい側
営業時間:平日(8:30~17:00)
     土曜日(8:30~13:00)
     日曜日・祝日(休業日)


【マラウイサイクロン支援始めました!!】

SPJでは5月17日~7月9日までの期間において「マラウイ共和国ゾンバ県における洪水被災者への緊急物資配布事業」を始めました!

このプロジェクトでは、2019年3月4日に発生したサイクロン・イダイによって、甚大な洪水被害を受けたマラウイのゾンバ県の被災者に対して、1ヶ月分の食糧・支援物資と、新たな作物を栽培するための種子を提供します。食糧・支援物資を提供する裨益者の選定から、現地の農業協同組合などからの食糧・支援物資の調達及び裨益者への提供、物資提供後に実施する各村でのモニタリングまでを、2カ月間で実施します。

住民への事業の説明会の様子

現在、現地駐在員である濱田と飯田は、事業地であるゾンバ県のMwamboとNgweleroにおいて、各村での現地調査を実施して、裨益者の選定を進めると共に、首都のリロングウェなど、各地にある農業協同組合などを訪問し、SPJがオーダーした食糧・支援物資の生産状況などを、逐一、確認しています。

事業の説明会の様子(現地スタッフ2名)
各村での裨益者の選定の様子(メモを取る現地スタッフ3名と案内役の住民)

被災地では写真のように倒壊してしまった家屋なども見られます。中にはもはや更地のようになってしまった住居もありました。 避難キャンプは既にほとんど閉鎖してしまっており、多くの人々が元の自分達の自宅に帰るか、あるいは別の地域に移り住まざるを得ない状況になっています。

サイクロンによって被害を受けた家屋の様子

実は、私(濱田)は、アフリカに始めてやって来ましたが、これまでに訪れました東南アジアの国々とは、マラウイの国民性や生活文化などが大きく違い、特に、食事に供されるお米(ネリカ米というそうです)が美味しいのには、驚かされています。日本とは異なる生活環境なので、食事などの健康管理に注意しながら、プロジェクトを無事に終えるよう、これからも頑張ります。


NGO海外スタディ・プログラム実施経過報告!!

MPJ東京事務所のスタッフである私、寺田かなえは、外務省主催の「NGO海外スタディ・プログラム」の研修生として、7月24日よりウガンダの政府機関NAGRC & DBに派遣されました。

 

本プログラムは日本の国際協力NGOの人材育成を通した組織強化を目的としており、帰国後は研修成果を所属NGOだけでなく他NGOにも還元することが求められています。私は「開発途上国における家畜産業や公衆衛生の発展・応用の可能性と必要性を学ぶ」というテーマを掲げ、ウガンダの農林水産省に属する家畜研究センターの一つであるNationalAnimal Genetic Resources Centre and Data Bankにおいて研修をしています。

 

NAGRC & DBは研究所(エンテベ)とファーム(ウガンダ全土)を有しており、人工授精の実施・指導から絶滅危惧固有種の遺伝子解析・保存に至るまで、家畜の生産生をあげるために必要とされるようなフィールドワークとラボワークを行っています。

採精を行うNAGRCスタッフ
採精を行うNAGRCスタッフ

感染症検査のため採血を行う寺田(右から2番目)と現地獣医師
感染症検査のため採血を行う寺田(右から2番目)と現地獣医師

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウガンダの玄関口であるエンテベは、首都カンパラから40kmの位置にありますが町の雰囲気はカンパラとは大きく異なっています。まさしく喧噪と雑踏という言葉があてはまるような、アフリカの活気に溢れるカンパラに比べ、ビクトリア湖に四方を囲まれたエンテベは緑が多く落ち着いていてとても住みやすいところです。

 

エンテベ空港近くの研究所付属ファーム
エンテベ空港近くの研究所付属ファーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりにも大きいビクトリア湖は波も立っていて一見すると海のようで、海水浴(湖水浴?)を楽しむ現地の人々の姿も多くみられます。またビクトリア湖に近いため、町では新鮮なティラピアやナイルパーチ等の魚料理が味わえます。

 

ビクトリア湖のビーチ
ビクトリア湖のビーチ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究所でも食事や掃除を担当しているスタッフの方にお願いすれば魚料理をつくってもらえるのですが、これがとってもおいしいのです!味付けは、タマネギとトマトと塩だけというとてもシンプルなものなので、ティラピアが手に入った際は是非お試しください!

 

研究所でのお昼ご飯 ティラピアとマトケ(調理用バナナ)
研究所でのお昼ご飯 ティラピアとマトケ(調理用バナナ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからエンテベやウガンダ各地のファームにおける研修を通して、日本との相違点や難民居住区における畜産の可能性なども意識しながら、ウガンダでの家畜産業、環境整備また公衆衛生の実情やマネジメント法を学んでいきたいと思います。