ミレニアム・プロミス・ジャパン名古屋支部 第一回研究会報告

ミレニアム・プロミス・ジャパン名古屋事務所主催の第一回研究会の報告です。名古屋大学の会場へ30名近くの方々がお集まりくださいました。山田先生から、アフリカに関する全般的なお話をいただき、初心者にわかりやすく解説していただきました。
テーマ: 「アフリカのいまを知ろう」
日時:  平成21年1月24日(土) 午後1時~3時
場所:  名古屋大学大学院 国際開発研究科
講師:  山田肖子氏
       名古屋大学大学院国際開発研究科准教授
山田肖子氏名古屋第一回研究会.jpg名古屋第一回研究会2.jpg
【写真】左から、講師の山田肖子先生、講演する山田先生、会場の様子
メディアで報じられるアフリカ
アフリカ大陸の53カ国のうち、北アフリカを除いた47カ国は貧困などの問題をかかえ、最近のメディアではジンバブエの超インフレ、ケニアの大統領選挙後の内戦(部族対立)、資源をめぐるイスラムと非イスラムの利権の争いであるスーダンのダルフール紛争、エイズなどが報じられている。

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「人間の安全保障」セミナー ミレニアムビレッジ体験談

Ben-s.jpg去る11月5日に東京大学駒場キャンパスで開催された「人間の安全保障セミナー」(テーマ:ミレニアム・ビレッジ)の講演内容を翻訳しました。なお、ジェフリー・サックス教授、ジョン・マッカーサー氏(ミレニアム・プロミスCEO)のビデオ講演内容は、すでに当ホームページ上に掲載済みです。ご関心のある方はご確認ください。
ベンジャミン・ボドナー氏 講演内容 
平成20年11月5日(水)
人間の安全保障セミナー テーマ:ミレニアム・ビレッジ
東京大学駒場キャンパスにて
演題: 現場からの視点(View from the Ground )
 本日皆様にお話し申し上げる機会を与えられました事は、私にとりまして、誠に名誉なことでございます。東京大学、遠藤貢教授、ミレニアム・プロミス・ジャパン、及び 鈴木りえこ理事長に厚く御礼申し上げます。
 私は、今、お話しされた専門家らとは異なる視点からお話をしたいと思います。 まだ、学生でありますので、もちろん専門家ではありませんが、幸運なことに、ミレニアム・ビレッジで一年を過ごし、現場で経験を培うことができました。
 ですから、私は、政策について論じるのではなく、人間の安全保障や国際開発に興味を持つ学生たちへのメッセージとして話をしたいと思います。
 私の究極のメッセージは、まず、「アフリカを訪れよう。」というものです。実際に現場で働くことです。面倒なことの一つは、そのための準備でありますが、ひとたび現地にいけば、とても歓迎され、活動に深く係ることが可能です。現地から遠い場所で情報を得るのと比べ、現地で貴重な経験をする事は、色々な点で重要です。 その一つは、米国や日本の豊かな環境からは、入手不可能な情報が得られることです。そういったことは、途上国に実際に行かなければ分かりません。

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東大「人間の安全保障」セミナー報告

去る11月5日、東京大学遠藤貢教授とコロンビア大学地球研究所の協力を得て、東大駒場キャンパスにて「人間の安全保障」セミナー(テーマ:ミレニアム・ビレッジ-MVs)を開催しました。
講師のコロンビア大学医学生ベンジャミン・ボドナー氏が、ガーナとタンザニアにおけるMVsでのボランティア活動から得た経験を通して、「とにかく行ってみなければわからない。ぜひ現地を訪れてほしい」と聴衆に向けて熱いメッセージを送りました。
たとえば、蚊帳配布に関しては、ガーナの村では夜蒸し暑いためなかなか受け入れられず、蚊帳の効果を村人に説明する必要があった一方、タンザニアの村は涼しく苦労なく受け入れられたこと、また自転車支給に関しても、ガーナでは急な坂道が多く自転車での移動は難しかったことなど。現場に行かなければわからない具体的な情報とヴィジュアルで明快なプレゼンテーションに、聴衆からは「役にたった」「悩んでいたけれど将来は途上国支援関連に進みたくなった」などという好意的感想が寄せられました。
冒頭では、ジェフリー・サックス教授、ミレニアム・プロミスCEOのジョン・マッカーサー氏の録画講演も放映されました。
特別ゲストとして、マラウィのルーズベルト・ラストン・ゴンドゥエ大使、ルワンダのエミール・ルワマシラボ大使、セネガルのガブリエル・アレクサンドル・サール大使、ほかケニア、タンザニアの外交官も参加、各大使からコメントをいただきました。
皆様、ご協力ありがとうございました。
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写真は左から、講師のベンジャミン・ボドナー氏、司会の遠藤貢先生、講演中のボドナー氏、セネガル大使。
ビデオ講演内容(翻訳)は「続き」をお読みください。

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第5回研究会のご報告

村田敏彦氏.jpg 8月に開催された第5回研究会の報告書を掲載いたします。
【テーマ】アフリカと食糧危機
【講師】村田敏彦氏(FAO対国連連絡調整行政官)
【日時】2008年8月21日(木)18:30~20:30
【場所】日本財団ビル2階 第1会議室
【概要】
1.食糧価格高騰問題の現状
2.FAOの政策
3.日本の課題
4.国連と企業の連携の可能性
5.人間の安全保障
6.国連の仕事について
報告書の内容は「続き」をお読みください。

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タンザニア大使公邸での特別研究会報告

エリクンダ・ムタンゴ駐日タンザニア大使より、「タンザニアの現状と日本への期待」のテーマで美しい自然や多文化共生などタンザニアの魅力、成長の著しい経済と今後の課題、また日本との関係についてもお話をうかがいました。お話の後にご馳走になったタンザニア料理も素朴でおいしく、ムタンゴ大使のお人柄の伝わる出会いと学びの会となりました。
テーマ:「タンザニアの現状と日本への期待」
講師:エリクンダ・ムタンゴ駐日タンザニア大使

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特別研究会のご報告

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9月11日夜、在日タンザニア大使ムタンゴ閣下のご厚意により、ミレニアム・プロミス・ジャパン関係者(会員)を公邸にお招きいただき、特別研究会&交流会が開催されました。2000年にご着任以来、アフリカ各国大使の中で最も長く日本にご滞在なさっている大使より、「タンザニアの現状と日本への期待」をテーマにお 話を伺いました。

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第4回研究会のご報告

Mr.Tase.jpgミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)では、夏休みで来日なさった国連人道調整部・人間の安全保障ユニット課長、田瀬和夫氏を講師にお迎えして、7月28日「人間の安全保障」をテーマに勉強会を開催しました。お話の内容をまとめたレポートを掲載します。
【概要】
1.人間の安全保障の考え方
2.人間の安全保障に関する国際的な政策論争、定義論争
3.人間の安全保障基金の取り組みと日本の役割
・質疑応答
・人間の安全保障基金とミレニアム・ビレッジの関係について

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東大シンポジウムのレポート

20080511_poster.jpg去る5月26日、東大において開催されたシンポジウム「アフリカの貧困削減と日本の役割」のレポートが完成いたしました。

シンポジウム概要

日時: 5月26日(月)15時~17時
場所: 東京大学 本郷キャンパス 医学部教育研究棟14階 鉄門記念講堂 
     テーマ: 「アフリカの貧困削減と日本の役割」
講師: ジェフリー・サックス (コロンビア大学地球研究所長)
     ユッスー・ンドール (ユニセフ親善大使、セネガル出身グラミー賞受賞歌手)
     藤谷健 (朝日新聞社 外交・国際グループ次長)
     遠藤貢 (東京大学教授)
モデレータ: 北岡伸一 (東京大学教授、前国連次席大使)
主催: 東京大学
共催: 朝日新聞
後援: 外務省、日本ユニセフ協会、ミレニアム・プロミス・ジャパン

シンポジウム報告

1.冒頭挨拶   小宮山 宏 (東京大学総長)
Prof.Komiyama日本にとってアフリカは遠いという印象があったかもしれない。しかし、アフリカの貧困問題は地球温暖化、テロとの戦いと並び、グローバルな三大課題の一つと言ってよい。実際に、2005年の英グレンイーグルズ・サミットでもアフリカ問題はしばしば取り上げられおり、日本で28日から開催されるTICAD(アフリカ開発会議)には、アフリカから44人もの首脳が参加することになっている。これほど多くの首脳が集まるのは滅多にないことであり、日本もいよいよアフリカ外交に力を入れ始めているといえる。このTICADに、著名な経済学者でアフリカの貧困削減に重要な役割を果たしているコロンビア大学のジェフリー・サックス教授と、セネガルの大歌手でユニセフ親善大使のユッスー・ンドール氏が参加することになっている。本学法学部の北岡伸一教授が国連大使を務めていた時に、アフリカの貧困削減問題について一緒に取り組んでいたというご縁でお二人をお招きし、朝日新聞のご協力と、外務省、日本ユニセフ協会、ミレニアム・プロミス・ジャパンのご支援を得て、本日のシンポジウムを開催することとなった。

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第2回ミレニアム・プロミス・ジャパン研究会報告

20080425_DaGama.jpg講師
Louis da Gama氏 (グローバル・ヘルス・アドボケーツ、国際マラリア政策ディレクター)
テーマ
マラリアの現状とロールバック・マラリアの活動
資料: 「国際協力に取り組むNGOのマラリア対策ハンドブック」
研究会報告
マラリアは年間3-5億人の感染者を生み、100万人以上の死者を出している。
HIV/AIDSに注目が集まりがちだが、マラリアは有史以来、最多の死者を出してきた感染症。
子供や妊婦に影響を与え、農村部に暮らす診療所を訪れたことのないような人々を死に至らしめる。
欧米先進国では60年代に撲滅されたが、現在でも世界の人口の40%が感染のリスクにあり、感染例の60%がアフリカ、40%がアジアに集中する。
マラリアと戦うためにできることは2つ。
①病気を媒介する蚊の数を減らしたり、蚊と人間との接触を減らすこと
②マラリア原虫のライフサイクルを絶つこと
蚊との接触を減らすには、殺虫剤をしみこませた長期間使える蚊帳を使ったり、DDTなどの殺虫スプレーをまくことが有効だ。

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第1回ミレニアム・プロミス・ジャパン研究会報告

20080212_Prins.jpg講師
Gwyn Prins教授 (London School of Economics and Political Science教授)
テーマ
ケニア大統領選挙不正後のアフリカ ~ 国際社会に何ができるのか
研究会報告
■アフリカの政治腐敗
ケニア大統領選不正とそれに伴う暴動は、アフリカ連合の失敗、アフリカの影を表面化させてしまった。アパルトヘイトは10年前に終わったものの、ジャンジャウィードによるスーダンのダルフール紛争など、どうしたらアフリカの政治腐敗を終わらせることができるのか。
■アフリカの抱える構造的問題
アフリカには、政治腐敗以外にも構造的な問題があり、1. 地理、2. 天然資源(天然資源のもたらす富は腐敗と暴力の原因になる)、3. ガバナンスのまずさ、4. 紛争、という「4つの罠」がアフリカをとらえている。
■国際社会に何ができるのか
このようなアフリカの状況に対して、国際社会にできるのは、1. 援助、2. 軍事介入、3. 法・憲章、4. 通商条約の4つ。

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